企業が新たなサービスを検討、もしくは既存サービスの改善・リニューアルを検討する際、「PoC(概念検証)」を行うことが重要です。

どれだけ良い企画であっても、実現できるか分からなければ新規事業を進めるべきか判断できません。事業投資を行う価値があるのか、その検討材料としてPoCを実施しましょう。

本記事でPoC の進め方や実際の検証方法についてご説明します。弊社スパイスファクトリーではPoCにおいて豊富な事例、実績があります。弊社の概要やサービスプラン、過去の導入実績などをまとめた資料をご用意しました。

気になる方はこちらからダウンロードしてください。

PoCとは

PoCとは「Proof of Concept」の略で、概念実証のことを指します。これはビジネスアイデアや技術の実証を目的とした試作開発や検証のプロセスです。

このプロセスを通じて、ビジネスアイデアの実現可能性や成果の効果を評価することが可能です。

Webサービス開発においてよく見られる失敗例の一つに、多大なコストや時間をかけたにもかかわらず、実際のユーザーニーズや市場の要求と合致せず、結果を出せなかったケースがあります。PoCを実施することで、仮説が正しいかどうか、技術的に実現可能かをプロトタイプを使用して開発・検証し、低コストかつ低リスクでビジネスアイデアの検証を行うことができます。

PoCの基本については以下の記事をご参照ください。

https://spice-factory.co.jp/design/what_is_poc/

PoCの進め方

PoCでは、理論だけでなく実際にプロトタイプを開発して検証するのも PoC の特徴です。それでは、PoC は具体的にどのように進めるのでしょうか。

PoC の進め方は以下の流れが一般的です。

  1. ユーザーリサーチ
  2. コアバリュー策定
  3. プロトタイプ作成
  4. プロトタイプ検証
  5. 投資判断
  6. 本番開発連携

詳細は以下の記事にて解説していますので参考にしてみてください。

https://spice-factory.co.jp/design/what_is_poc/

どのようなプロトタイプを作成するかは「何を検証するか」で決まる

一般的に、PoC はプロトタイプ(新しいタブで開きます)を基にして、そのサービスや製品に実現性や有益性があるのかを検証していきます。

プロトタイプには複数の種類がありますが、どのようなプロトタイプを作成するかは「何を検証するか」を踏まえて決定します。

仮説立てた事業のアイディアがユーザーに価値やベネフィットをもたらすかを検証することが目的であれば、ユーザーシナリオやペーパープロトタイプなど、アイディアのイメージを伝えるための成果物を低コストに作成します。
技術的な実現可能性やユーザーにとっての使い勝手の良し悪しを検証することが目的であれば、プロトタイピングツールで作成する解像度の高いプロトタイプや、簡易的にコーディングされたプロトタイプを用いて検証を行います。

PoC で検証すべきポイントは、業界やプロジェクトによって異なりますが、大枠としては以下の3つの項目を検証することが多くなるでしょう。

  • サービスに価値はあるか
  • 技術的に実現可能か
  • ユーザーに満足してもらえるか

また、実際に PoC を進めるうえでは、明確なKPIを設定します。その結果によって仮説が実証されるのかを確かめ、事業投資を行うかを決定することができます。
次項では、具体的にどのようなKPIを設定すべきかについてお伝えしていきます。

PoCにおいて設定すべきKPI

PoCで設定するKPIには大きく行動KPIと態度KPIの2種類があります。

行動KPI

行動KPI とは、サービス上でのユーザーの行動を数値で表したものです。目標を達成するための行動と結果の結びつきが大事であるため、ロジックを明確にして目標に落とし込む必要があります。

行動KPIを設定する際には、以下のポイントを考慮することが重要です。

  • 具体性:KPIは具体的で測定可能なものである必要があります。抽象的な指標では評価が困難です。
  • 関連性:設定するKPIは、PoCの目的や目標と直接関連するものであるべきです。
  • 現実性:過度に高い目標を設定すると評価が偏ってしまうため、設定するKPIは達成可能なものでなければなりません。

具体例として、以下のような数値が考えられます。

  • 利用率
  • タスクの成功率
  • タスクの処理時間
  • コンバージョン率
  • エラー率

会社の投資としての事業や業務改善のためのシステム導入など、PoCの目標はさまざまですが、それを実行するかしないかは、KPIの結果である程度判断できるでしょう。

態度KPI

態度KPI とは、検証するユーザーがサービスを利用する前、利用中、利用後にどのように感じているのかを数値で測定するものです。

サービスを使用して、使いづらさや不便さを感じれば、事業投資を行う前にプロトタイプの改善が必要と判断されるでしょう。逆にそのサービスを利用することで、効率アップや業績アップにつながるなら、そのサービスはユーザーに価値を与えると考えられます。

態度KPIも、行動KPIと同じく結果として測定できるものを設定することに加え、以下のポイントを考慮することが重要です。

  • 顧客視点:顧客が何を重要視しているかを理解し、その視点に基づいて指標を設定します。
  • 継続的な収集:定期的にフィードバックやデータを収集し、長期的な改善策を講じます。
  • 多様なデータソース:アンケート調査だけでなく、インタビューやオンラインレビューなど、様々な方法でデータを収集します。

具体的な指標として、態度KPIには以下のようなものがあります。

  • 顧客満足度(CSAT)・・・5段階評価や10段階評価を用いて顧客満足度を測定
  • システムユーザビリティスケール(SUS)・・・製品やサービスに対する使いやすさ
  • ユーザーエンゲージメント・・・製品やサービスに対する関心度
  • ネットプロモータースコア(NPS)・・・顧客が製品やサービスを他人に薦める可能性
  • リピート率・・・再度製品やサービスを利用する割合

会社が事業を持続するには、ユーザーの利便性アップや満足度をあげるサービスが必要です。その指標として、態度KPI の検証結果は一つの判断軸となるでしょう。

上記の行動KPI、態度KPI のどちらか片方を取り入れるのではなく、両方を組み合わせることで有効な測定が可能となります。

PoCでの検証方法

検証項目によって PoC の検証方法は異なります。

たとえば、システムなど技術的に実現可能かどうかを検証するには、実装のための技術仕様やシステム上の制限などを事前に確認する必要があります。エンジニアの技術レベルは十分であっても、実現するための設備がないといったケースも考えられます。

対して、システム設計には問題がなく、ユーザーのニーズや体験結果を検証する段階であれば、その業界や市場での必要性を見極めなければいけません。

以下それぞれのパターンで詳しく説明します。

技術的な実現可能性を検証する場合

検証したいサービスがシステムやソフトの開発など、技術的に実現可能かどうかを検証する場合は、エンジニアの協力が必須です。「こういうシステムが欲しい」というアイデアを出せても、エンジニアでなければどこまで実装可能か判断できません。

プロトタイプの作成段階から、実装を担当するエンジニアに協力してもらい、実現可能なシステム設計を進めていきましょう。プロトタイプ段階でエンジニアによるレビューが入ることで、本開発に進んだ際の手戻りを防ぐことができます。実現性やコスト面を見ながら費用対効果を検証することも重要です。

ユーザーニーズやユーザー体験を検証する場合

ユーザーニーズやユーザー体験の検証では、UXデザイナーによるユーザビリティテストやKPI計測が有効です。実際に、PoC で検証したいサービスやプロダクトの実ユーザーにプロトタイプを操作してもらいましょう。

このときに、ユーザビリティテストといった定性的な手法と、KPI測定といった定量的な手法を組み合わせると説得力のある検証ができます。

では、定性的な手法と定量的な手法とは具体的にどのようなことを指すのでしょうか。
以下で解説します。

定性的な手法

定性的とは、数値では表現できない性質のことです。たとえば、個人の感想などは、数値では表すことができません。しかし、システムやサービス開発においては、そういった定性的な情報が重要です。

定性的な手法のひとつに、「ユーザビリティテスト」があります。これは、実際の Webサイトやシステムのプロトタイプをユーザーに利用してもらい、その使用感のフィードバックを受けることです。

ユーザーの感想や操作の意図を深掘りすることで、サービスの価値や利益性に関する仮説が合っているかを確認できます。

また、想定していなかった課題を発見する場合もあり、さらなる仮説検証につながることも考えられます。ユーザビリティテストを繰り返し行い改善することで、ユーザーにとって利便性の高いサービスを提供できるようになります。

ユーザビリティテストの詳細については、以下の記事でも説明しています。

https://spice-factory.co.jp/design/usability-test/

定量的な手法

定量的な手法では、測定可能なKPIを用いて、実際にユーザーにプロトタイプを操作してもらうことで計測します。

たとえば、特定のタスクを実施してもらい、タスク完了までにかかる時間や完了率を計測します。ユーザーが実際に使用した結果がわかるので、事実の検証と改善につなげられます。

また、新しいビジネスやサービスではなく、既存プロダクトをリニューアルする際に PoC による検証を行うケースもあるでしょう。
その場合は、プロトタイプに対する計測と同様に、既存プロダクトに対しても同様の値を測定しておきます。そうすることで、リニューアル前後でKPIの値がどれだけ変化したかの比較が可能です。

検証後の流れ

検証結果次第で、製品やサービスの方向性が正しいと判断することもあれば、新たな課題が見つかり大きく軌道修正する場合もあります。

検証結果を踏まえて、次のステップを決めましょう。

  • 本開発に進む
  • 見つかった課題を改善し、再度検証を行う

たとえ課題が見つかったとしても、改善・検証を繰り返すことで、精度を高めた状態で本開発につなげられるでしょう。新たな機能を実装し、さらに大きなビジネスに発展する可能性もあります。

本開発の前であれば、ローンチ時期を変更したり新たな機能を実装したりといった対応も可能です。

本開発後のシステム追加やメンテナンスは、製品やサービスの稼働をとめて行う必要があるためユーザーへの影響を避けられません。事前に PoC で検証することで、本開発前に製品やサービスの完成度をより高められます。

当社のPoCプロジェクト事例

スパイスファクトリーでご支援させていただいたPoCのプロジェクト事例をご紹介します。

株式会社NTTデータ関西様_UI/UX改善の価値が伝わるプロトタイプ開発

株式会社NTTデータ関西様では、電子申請や各種予約サービスなどの国・地方公共団体向けの機能を備えるクラウドサービス「行政総合サービスモールe-TUMO」を開発・提供しています。

当社では「e-TUMO」シリーズの一つである、個人番号カード交付予約・管理サービス「e-TUMO MYNUM」のUI/UX改善支援の一環としてプロトタイプ開発を実施しました。

https://spice-factory.co.jp/works/13083/

本田技研工業株式会社様_解像度の高いプロトタイプによりユーザーの声を具体化

大手輸送機器メーカーの本田技研工業様のPoC支援を実施しました。

新規事業の構想段階における、市場ニーズの把握を目的としたプロジェクトであり、プロトタイプ開発とリサーチまでトータル2ヵ月で進行しました。

https://spice-factory.co.jp/works/9319/

検証精度を高める解像度の高いプロトタイプ

PoC の検証項目とは何か、その目的や手法についてお伝えしてきました。少しでも、あなたのビジネスのお役に立てましたら幸いです。

スパイスファクトリーが行ったPoC支援では、クライアント企業様との事前打ち合わせで詳細をすり合わせたため、解像度の高いプロトタイプを開発できました。その結果、フィードバックはより具体的になり、検証の精度は大きく向上しました。

スパイスファクトリーでは PoC の実施から、検証完了後の本開発まで支援しております。

新規サービスの開発やニーズ検証にお悩みがある方は、是非一度お気軽にお問い合わせください。

今すぐ詳細を知りたい方は、こちらからサービス紹介資料をダウンロードしてください。

PoCとは概念実証のことを指します。新しいアイデアや技術、ビジネスモデルが技術的に実現可能か、また、市場やユーザーに受け入れられそうかを最小限のコストと期間で検証するプロセスです。

PoCで何を実現したいのかの目的を明確にし、その目的を達成するための正しいステップを踏むことが重要になってきます。

この記事では、PoCの概念からメリットや工程、成功のポイントまでをご紹介していきます。

弊社スパイスファクトリーではPoC活用において豊富な実績があります。弊社の概要やサービスプラン、過去の導入実績などをまとめた資料をご用意しました。気になる方はこちらからダウンロードしてください。

PoCとは

PoCとは「Proof of Concept」の略で、概念実証のことです。ビジネスアイデアなどの実証を目的とした、試作開発や検証のことを指します。
この検証により、ビジネスアイデアの実現可能性や成果効果を測ることができます。

Webサービス開発の失敗例として挙げられるのが、多くのコストや時間をかけたにも関わらず、ユーザーニーズや機能が実際のニーズと異なり、結果につながらなかったというケースです。PoC を行うことで、想定している仮説が正しいか・技術的に実現可能かを実際にプロトタイプを用いて開発・検証することができ、低コスト低リスクなビジネス検証を行えます。

PoCの進め方

PoCとプロトタイプ・MVP・実証実験の違い

PoCは、基本的な概念やアイデアが技術的に実現可能であるかどうかを初期段階で確認するために行われます。例えば、新しいアルゴリズムが理論的に機能するか、特定の技術が予定されたパフォーマンスを発揮できるかを検証します。これは主に小規模で短期間の実験です。

PoCとよく混在する用語としてプロトタイプ、MVP、実証実験があります。
PoCとそれぞれの用語の違いについて見ていきましょう。

PoCとプロトタイプの違い

PoCとプロトタイプは、どちらも新しいアイデアや技術の検証手段ですが、その目的とアプローチは異なります。

プロトタイプでは、実際の製品の初期バージョンを作成し、ユーザーからのフィードバックを収集することで、製品の改良に役立てることを目的としています。例えば、新しいアプリケーションのプロトタイプを作成し、ユーザーに実際に使ってもらうことで、使いやすさや機能性についての意見を収集します。

PoCでは特定の機能や技術の確認に焦点を当てますが、プロトタイプはユーザー視点で製品全体に対する評価を行うためのものです。

PoCとMVPの違い

MVP(Minimum Viable Product)は、製品やサービスの最小限の機能を持つバージョンを指し、実際の市場でのフィードバックを得るために使用されます。PoCが技術的な可能性を確認することに焦点を当てているのに対し、MVPは顧客からの反応を基に製品の改良を進めることを目的としています。

MVPは、製品のコア機能を迅速に市場に投入し、顧客のニーズや反応を早期に確認することで、開発の方向性を決定します。例えば、新しいソフトウェアアプリケーションのMVPをリリースし、ユーザーからのフィードバックを基に改良を加え、最終的な製品を完成させます。

PoCは技術的な実現可能性を確認するためのもの、MVPは最小限の機能で市場に投入しユーザーフィードバックを得るためのものとなります。

PoCと実証実験の違い

実証実験は、PoCで得られた結果を基に、実際の運用環境で技術やアイデアがどのように機能するかを検証します。

実証実験は、技術の実用性や効果を具体的な条件下で確認し、さらに改良や適応の必要があるかどうかを評価します。例えば、新しいシステムが既存のインフラに統合できるか、ユーザーにとって使いやすいかを確認するために実施されます。

実証実験は、通常実際の運用に近い環境実施されるためPoCよりも大規模で時間を要するものです。

以上をまとめると、各用語における目的は以下のようになります。

  • PoC:簡易的な実証モデルにより特定の技術やアイデアの実現性を確認
  • プロトタイプ:初期モデルを作成し、操作性や機能のフィードバックを得る
  • MVP:最小限の機能を持った製品を市場に投入し、ユーザーフィードバックを収集する
  • 実証実験:実際の運用環境で試験を行い、最終的な調整を行う

PoC を行うことのメリット

PoC のメリットをご紹介します。

新規ビジネスのリスク管理ができる

一つ目のメリットは、リスクを管理することができることです。
ただし、押さえるリスクは PoC の目的によって異なります。

たとえば、「ユーザビリティを向上させる」ことを目的とする PoC では、本番に近しい UI を持ったプロトタイプを利用することが適切であるため、「ここはユーザーにとって分かりづらく、リリース後に細かな修正が発生する可能性がある」、「ここは仕様が重いため実装遅延するリスクがある」のような予測ができます。そのため、いつどのような問題が起こるかを予測することが可能となり、プロジェクト進行後に迅速に対応することができます。

また、正式な事業化判断の前に市場ニーズを測ることが PoC の目的である場合、「本開発してみたが、いざリリースしてみたらニーズがなく採算が合わなかった」のようなリスクを予測することができます。ここでは、PoC の目的から逆算し、具体的な機能要件まで踏み込まないプロトタイプを利用することが多いです。そのため、具体的な機能についての問題を予測するのではなく、あくまでも事業化に対するリスクを測ることになります。

このように、自社の PoC の目的を明確にし、事前に検証項目を握ることが重要です。

投資効果を最大化できる

PoC を行うことで、どういった施策に対してどのくらいの効果が得られるかの予想が立てられます。成功率の高いものに対してコストを投入できるため、投資効果も最大化されるのです。
また、効果を予測することで、社内検討を行う際にも周囲からの賛同・信頼が得やすくなります。

プロジェクト開始後にスピード感をもって取り組める

PoC によって、プロジェクト開始前に必要な技術や参入方法など、最適なアプローチ方法がある程度把握できます。そのため、プロジェクトを開始した後も、設計や実装に多くの時間を割くことなく進められます。

このように、PoC を行うことで、作業時間を無駄にすることなく必要な施策により多くの時間を割けるようになるのです。

投資家から評価が得られる

PoCを成功させることで、投資家からの評価を得ることができます。
初期段階で市場に投入し、ユーザーの反応を得ている製品は、投資家にとって信頼性が高く、投資リスクが低いと判断されやすいです。これにより、追加の資金調達が容易になり、製品開発の次のステップに進むための資金を確保しやすくなります。

特に新興企業や新規事業において、投資家からの信頼を得ることは資金調達の鍵となります。PoCは、投資家に対して技術やビジネスモデルの実現可能性を証明する手段として非常に有効です。例えば、新しいIoTデバイスの開発においてPoCを実施し、その成功を投資家に示すことで、追加の資金調達がスムーズに進みます。

PoCを行うことのデメリット・注意点

PoCを行うことには以下のようなデメリットがあります。

検証の回数によってはコストが増える

PoCは、その性質上、複数回の検証を行うことが多く、その結果としてコストが増加する可能性があります。特に、比較的規模の大きいPoCや複雑な技術を伴う場合、検証に必要なコストや時間が大幅に増えることがあります。

コストの増加は、PoCの大きな課題の一つです。特に資金が限られているプロジェクトでは、検証の度にコストが増えることは避けたいところです。例えば、新しいソフトウェアのPoCを複数回実施する場合、その都度開発費用や人件費がかさむことがあります。このため、PoCの実施計画を緻密に立て、必要最小限のリソースで最大の成果を得る工夫が求められます。

情報漏洩のリスク

PoCの過程で、企業の機密情報や新しい技術に関する情報が外部に漏れるリスクがあります。情報漏洩を防ぐためには、適切なセキュリティ対策と契約管理が必要です。

情報漏洩のリスクは、特に技術革新を進める企業にとって重大な懸念事項です。PoCの過程で外部と協力する場合、セキュリティ対策が不十分だと機密情報が漏れる可能性があります。
そのような自体を防ぐために、厳格な情報管理体制と契約書の整備が不可欠です。

PoCプロジェクトの流れ

それでは実際のPoCプロジェクトの流れを順番にご説明します。

  1. ユーザーリサーチ
  2. コアバリュー策定
  3. プロトタイピング検証
  4. システム開発連携

ユーザーリサーチ

PoCプロジェクト初期にターゲットユーザーの解像度を上げるための調査を実施します。
たとえば、「ターゲットユーザーはどのような人か」「ユーザーはどのような課題を抱えているか」といったことです。

これにより、想定しているサービスの提供価値や機能が、ユーザーにとって本当にニーズのあるものなのか早い段階で確かめることができます。

コアバリュー策定

次に、「ユーザーリサーチの結果から得られたユーザーニーズ」と「クライアント企業の強みやアセット・提供できる価値」を掛け合わせ、サービスのコアバリューと最適な UX(ユーザーエクスペリエンス)を検討します。

調査結果をプロトタイピングへとつなげるフェーズをしっかり行うことで、検証時の判断軸を明確にするだけでなく、必要な機能に優先順位を付けて取り組むことができます。

プロトタイピング検証

サービスのコアバリューと UX の策定終了後は、プロトタイピング検証を行います。
プロトタイピングについては以下の記事もご参照ください。
参考:システム開発におけるプロトタイプ・モデルのメリットと注意点(新しいタブで開きます)

プロトタイピングとは

プロトタイピングとは、初期に作った試作モデル(デザインの作りこみや画面遷移などが設定されているデモ環境)に、ユーザーの要求や評価などを反映させ、軌道修正を行いながら本番のシステムを完成させていく開発手法です。

ユーザーリサーチとコアバリューで立てた仮説に対し「ユーザーニーズを満たすにはどのような機能が必要か」「どのような UI がユーザー体験を高めるのか」「立てた仮説は正しいか」をプロトタイプ作成と検証を繰り返しながら明らかにしていきます。

プロトタイプを作る目的

プロトタイプ作成は、主に以下の5つを検証することを目的に行われます。

  • ユーザーニーズを満たすにはどのような機能が必要か
  • どのような UI がユーザー体験を高めるのか
  • 立てた仮説は本当に価値・ベネフィットをもたらすものか
  • 技術的に実現可能か
  • 仕様が適切か

プロトタイプ作成と検証を繰り返すことで、短期間・低コストで上記に対する検証を進めていきます。

プロトタイプのメリット

プロトタイプ作成で、より効率的なクオリティの高いサービス制作が可能になります。

プロトタイプを作成することで、試作モデルをユーザー目線で実際に使用してみることができます。完成してからユーザービリティテストを行うのではなく、プロトタイプの段階で機能やサービス価値を検証することで、より効率的に開発を進めることができます。

また、試作モデルがあることで、より具体的なサービス形態を見て案出しを行うことができます。文字や口頭からの説明だけでサービスをイメージするよりも、より具体的で良いアイデアを出せるようになるかもしれません。

具体的な PoC の検証方法については、こちらの記事で記載しております。

https://spice-factory.co.jp/design/poc_step/

システム開発連携

プロトタイピング検証が終わると、いよいよシステム開発連携を行います。

スパイスファクトリーでは、デザイナーが開発チームに参加し、エンジニアとデザイナーが共同で案件を進行する開発案件が多くあります。PoC でも、検証が終わった時点でデザイナーはエンジニアと連携し、共に開発手順等を決めていきます。

PoCを成功させるためのポイント

PoCを成功させるためには、いくつかのポイントがあります。

ポイント① 明確な目的と範囲を設定する

PoCを成功させるためには、まず明確な目的と範囲を設定することが重要です。

PoCでは小規模なパイロットテストを実施します。小規模なテストにより柔軟且つ迅速な検証が可能となり、問題点の特定や改善策の検討がしやすくなります。また、小さい検証結果に基づいてプロジェクトのスケールアップを行うかどうかを判断でき、リスクを最小限に抑えることができるほか、より確実な進展につながります。

PoCの範囲が広すぎて目的があいまいになると、最終的に何を検証するために実施したかが分からなくなり、リソースの無駄遣いにつながる可能性があります。具体的な目標を設定し、その達成に必要なステップを明確にすることで、PoCの効果を最大限に引き出すことができます。

例えば、新しいデータ分析ツールのPoCを実施する場合、具体的な目標(例:データ処理速度の向上)とその範囲(例:特定のデータセットに限定)を明確に設定することで、検証結果を判断しやすくなるため、効率的に進めることができます。

ポイント② 適切なリソースを確保する

PoCを成功させるためには、適切なリソースを確保し、それを効果的に運用することが不可欠です。

まず、プロジェクトの規模や目標に応じた時間や予算の確保、そして必要なスキルセットを持つチームを編成して基盤を準備します。

また、確保したリソースを効果的に運用できるかが肝になります。限られたリソースを最大限に活用するためには、タスクの優先順位を明確にし、進捗状況を定期的に見直すことが求められます。

さらに、コミュニケーションの円滑化も効果的な運用には欠かせません。チーム全体が一丸となって目標に向かうためには、情報共有のプラットフォームを整備し、迅速な意思決定ができる環境を整えることが必要です。

リソースを適切に確保し、その運用を最適化することは、PoCの効果最大化につながります。

ポイント③ ステークホルダーとの連携

PoCのような初期段階で主要なステークホルダーの期待や懸念をキャッチアップすることが必要です。これにより、PoCの目標や成果をステークホルダーのニーズとリンクさせることができます。

彼らの意見を尊重し、新しいアイデアや懸念点が出てきた場合、必要に応じてそれを迅速に取り入れ、プロジェクトに反映させることで、チームの信頼性を高めるほか、期待以上のPoCの結果を出すことにもつながります。

また、定期的なコミュニケーションを築ける環境は、プロジェクトの透明性を高め、信頼を築くための基盤となります。週次のミーティングや進捗報告書を通じて進捗を共有し、ステークホルダーの意見やフィードバックを積極的に取り入れましょう。

PoC開発の事例紹介

事例①:本田技研工業株式会社様の事例

大手輸送機器メーカーの本田技研工業様のPoCプロジェクトを支援しました。
同社新規事業の構想段階における、市場ニーズの把握を目的としたプロジェクトです。プロトタイプ開発とリサーチまでトータル2ヵ月で進行しました。

詳しくは以下をご覧ください。

https://spice-factory.co.jp/works/9319/

事例②:株式会社NTTデータ関西様の事例

株式会社NTTデータ関西様では、電子申請や各種予約サービスなど、国・地方公共団体向けの機能を備えるクラウドサービス「行政総合サービスモールe-TUMO」を開発・提供しています。
当社では「e-TUMO」シリーズの一つである、個人番号カード交付予約・管理サービス「e-TUMO MYNUM」のUI/UX改善支援としてプロトタイプ開発を実施しました。

詳しくは以下をご覧ください。

https://spice-factory.co.jp/works/13083/

正しい PoC の実施でパフォーマンスの最大化へ

本記事では PoC についてご説明しました。
このように、PoC で何を実現したいのかの目的を明確にし、その目的を達成するための正しいステップを踏むことが重要です。
知識や経験が不足している状態で着手することは、検証が無意味となりお金が無駄になってしまう、いわゆる PoC死に陥る可能性があります。
PoC を成功させるためにも、専門性の高い会社、人とともにプロジェクトを進行することを推奨します。

スパイスファクトリーでは、PoC のサービスを展開しております。
ご質問やお悩みのある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

弊社スパイスファクトリーは豊富な実績を持ち、これらのプロセスを効率的に進めるためのサポートを提供いたします。

詳細を知りたい方は、こちらからサービス紹介資料をダウンロードしてください。

近年、多種多様な製品・サービスの中で、機能や使いやすさだけでは差別化が難しくなってきています。
さらに、解約しやすいサブスクリプション契約が主流になったことで、ユーザーは簡単に製品・サービスを乗り換えたり、使うのを止めたりできるようになりました。

では、製品・サービスを長く使い続けてもらうにはどうすればよいのでしょうか。

そこで注目されているのが、ユーザーの感情に寄り添った情緒的なデザインをする「エモーショナルデザイン」です。

この記事では、エモーショナルデザインとはどのようなデザイン手法なのか、とくに Webサービスやデジタルプロダクトにおける必要性や実践のポイントを事例と共に解説します。

弊社スパイスファクトリーではUI/UXデザインにおいて豊富な実績があります。

弊社の概要やサービスプラン、過去の導入実績などをまとめた資料をご用意しました。気になる方はこちらからダウンロードしてください。

エモーショナルデザインとは

エモーショナルデザインとは
エモーショナルデザインとは、見た目のトーンや使いやすさに加えて、ユーザーの感情に寄り添った情緒的なデザインをする手法です。

エモーショナルデザインの考え方は、2004 年にアメリカの認知科学者ドナルド・ノーマン氏によって提唱されました。

当時はプロダクトデザインにおける実践が中心でしたが、近年 Webサービスが主流になったことで、アプリをはじめとしたデジタルプロダクト(以下、プロダクト)への適用が活発になっています。

エモーショナルデザインでは、「嬉しい」「楽しい」「使っている自分が好き」など、ユーザーのポジティブな感情に作用するデザインを心がけます。

これには、ポジティブな感情を作り出すだけでなく、ユーザーがネガティブな感情に陥るエラーの発生や待ち時間といった状況の回避や工夫も含まれます。

エモーショナルデザインは、ユーザーの感情に寄り添ったデザインによりユーザーがお気に入りとして長く使い続け、愛されるプロダクトになることを目的としています。

なぜエモーショナルデザインが必要なのか

なぜエモーショナルデザインが必要なのか

ユーザーにダウンロードされたアプリの中で、およそ 8 割にも及ぶ大多数のアプリがわずか数日で使われなくなることがわかっています。

ユーザーには製品・サービスの選択肢がいくつもあり、その中からお気に入りのものだけを使い続けるのです。

そのため、現代は製品・サービスが選ばれるだけでなく、愛着を持って使い続けてもらうことの重要性が増している時代と言えます。

そこで、ユーザーとの接点であるデジタルプロダクトにエモーショナルデザインを適用し、ユーザーに愛される製品・サービスになろうという動きが活発になっています。

また、ユーザーの感情に寄り添った情緒的なデザインは、製品・サービス自体の魅力を高める差別化要素にもなります。

エモーショナルデザインは製品・サービスが溢れる現代において、継続利用に向けたユーザーの愛着形成や差別化の観点から必要とされているのです。

ユーザーが製品・サービスの良し悪しを決める、3つの処理レベルとは?

ユーザーが製品・サービスの良し悪しを決める、3つの処理レベルとは?
ノーマン氏は、エモーショナルデザインでは本能レベル・行動レベル・内省レベルという 3 つの処理レベルでデザインしなければならないと述べています。それぞれのレベルの内容は次のとおりです。

<3つの処理レベル>

  • 本能レベル:外観
  • 行動レベル:使うことの喜びと効用
  • 内省レベル:自己イメージ、個人的満足感、思い出

これら 3 つの処理レベルで抱く感情が、製品・サービスの良し悪しにつながるとされています。

ユーザーがプロダクトを使い続けるフロー

ユーザーがプロダクトを使い続けるフロー

上記で説明した 3つの処理レベルを、ユーザーがプロダクトを使うフローに当てはめて考えてみましょう。

まず、本能レベルはユーザーとプロダクトが出会った際に抱く、プロダクトへの第一印象やフィーリングです。
プロダクトの色や形によってユーザーの五感に働きかけられ、ユーザーの好みであれば良い印象になります。

次に、行動レベルはプロダクトを実際に使って感じる使い勝手の良さです。
迷わずに目的を達成できたか、期待した効果を得られたか、といったユーザービリティや機能性への評価が感情に影響します。

最後に、内省レベルは、本能レベルと行動レベルを通して総合的に抱くプロダクトへのイメージです。
プロダクトを使って得られた総合的な体験がユーザー自身の理想とする姿に合致すると、「このプロダクトを使っている自分が好き」というポジティブな内省が築かれます。

このようにプロダクトの「見た目のトーン(本能レベル)」と「使い心地(行動レベル)」から「総合的な印象(内省レベル)」が形成され、ユーザーは使い続けるかどうかの判断をします。

長く使い続けられるプロダクトをつくるうえで、3つの処理レベルでデザインをすることが重要です。

エモーショナルデザインの事例

エモーショナルデザインの事例

エモーショナルデザインが活用されている事例を 2つご紹介します。

Spotify

「Spotify」は、スポティファイ・テクノロジー社が運営する音楽ストリーミングサービスです。

Spotify のアプリには、エモーショナルデザインの 3 つの処理レベルにおける工夫が見られます。

まず、本能レベルであるアプリのデザインは、最小限のテキストとアイコンが配置されたシンプルで美しいものになっています。

また、ビデオ背景や歌詞の表示など、没入感を持たせる工夫がされています。

次に、行動レベルでは、高度なデータ分析によりパーソナライズされたプレイリストが提供されます。

「自分のプレイリスト」や「あなたのお気に入りアーティスト」として表示され、ユーザー好みの新しい音楽に出会いやすく、ユーザーの満足度が高まります。

更に、年末には「Spotifyまとめ」という一年を振り返るプレイリストが作成されます。

ユーザーはこのプレイリストを聞いたり他ユーザーに共有したりしながら「Spotifyは自分の好みや使い方をよく理解してくれている」と感じ、自分に合ったサービスであることを内省レベルで再認識するのです。

Spotify におけるエモーショナルデザインの実現は、競争の激しい音楽配信サービス業界での高いシェアと継続率につながっているのではないかと考えられます。

Slack

「Slack」は、Salesforce Company の Slack が提供するチャットツールです。

ビジネスシーンで利用されるチャットツールは無機質な傾向にある中、Slack はユーザーの感情への配慮とアプローチがうまく実現されています。

たとえば、投稿に絵文字で反応するリアクション機能です。

Slack ではデフォルトの絵文字だけではなく、ユーザーの好みやグループに合ったオリジナルの絵文字を追加することができます。

これは投稿に対するユーザーの気持ちを具体的に表し、コミュニケーションをより活発にする効果があります。

楽しい取り組みだけでなく、警告メッセージの中にも Slack ならではの工夫が見られます。

たとえば、チャットグループ内のメンバー全員宛にメンションをつけて投稿しようとすると、下のようなモーダルが表示されます。

「作業の妨げになるかもしれませんが、本当に送信しますか?」という丁寧なメッセージがイメージイラストと共に表示されるため、ユーザーは機能の利用を過度に怖がったり焦ったりすることなく、落ち着いて送信を考え直すことができます。

Slack

このように、Slack では機能の充実性や使いやすさに加え、それらをわかりやすくユーモアのある形でユーザーに伝える場面が随所に見られます。

これにより、プロダクトの向こう側に人がいるような、親しみやすさを感じるサービスになっていると考えられます。

エモーショナルデザインを実践するポイント

エモーショナルデザインを実践するポイント

エモーショナルデザインは、デジタルプロダクトにおいてさまざまな場面で取り入れられます。

ここでは、エモーショナルデザインを取り入れる際のポイント 3つを解説します。

客観的にユーザーの感情を捉える

まず、製品・サービスの開発者側の主観でユーザーの感情を判断せず、一歩目線を引いて客観的に捉える必要があります。

ユーザーへの理解を十分に行うことで、開発者の想定と実際にユーザーが抱く感情の乖離を抑えることができます。

客観的にユーザーの感情を理解するためには、ユーザーリサーチが有効です。

実際にデザインしたものをユーザーに評価してもらい、改善するようにしましょう。

ユーザビリティを向上させる

エモーショナルデザインを取り入れるうえで、ユーザビリティの高さは前提として必要なものであり、とても重要です。

ユーザビリティを考慮することは、ユーザーが製品・サービスに対して持つネガティブな感情をできる限り減らし、満足度を向上することにつながります。

たとえば、処理の待ち時間やエラーの発生時には適切でわかりやすいメッセージを表示するなど、ユーザーの抱えるストレスを減らしましょう。

また、プロダクトの構成やフローをシンプルにすることで、ユーザーのフラストレーションを回避することも大切です。

ユーザーの感情にアプローチしやすい機能を活用する

ユーザーの感情にアプローチするという点において、デザイナーや開発者側がこれまでやってきた馴染みのある手法もエモーショナルデザインにつながります。

ここではエモーショナルデザインの第一歩として取り入れやすい内容や機能の例を紹介します。

マイクロコピー / UXライティング

ユーザーの気持ちに寄り添う文章として、マイクロコピーの工夫や UXライティングが挙げられます。

マイクロコピーとは、Webサイトにおいてフォーム名やボタン名などで使用される短い文章のことです。
UXライティングとは、より良い体験を得られるようにユーザー目線で情報をわかりやすく伝えるライティング手法です。

とくに、購入や契約などの意思決定につながるボタン名称や、エラー内容を伝える際にユーザーの気持ちに配慮しましょう。

これらの場面はユーザーの気持ちへの影響が大きく、ユーザーの目的や気持ちに寄り添う文章にすることで、ストレスを減らして次のアクションへ促します。

また、マイクロコピーや UXライティングは随所に登場するため、プロダクト全体としてエモーショナルデザインを取り入れることにつながります。

ゲーミフィケーション

ゲーミフィケーションとは、ゲームのデザイン手法や仕組みを他分野に応用することです。

たとえば、キャラクターの登場やバッジの付与、スタンプカード、他ユーザーとの競争といった多種多様な方法があります。

ゲーミフィケーションは、ユーザーの自発的な動機づけを促し、モチベーションの維持を期待できます。

その結果、心理的ハードルなどの問題解決やエンゲージメントの獲得につながります。ユーザーの特性を踏まえた適切なタイミングや方法にすることで、さまざまな場面で取り入れられます。

マイクロインタラクション

マイクロインタラクションとは、ユーザーの単一の作業に対する最小単位のフィードバックです。

たとえば、送信ボタンを押した後に「送信しました」と表示されたり、「いいねボタン」を押すと豊かなアニメーションが現れるといった仕組みなどが挙げられます。

これらの反応は些細なものですが、ユーザーは自身の操作に対して反応があることで操作への安心感を覚え、反応をもらった喜びを得られます。

また、画面の読み込み時間が長くなる場合にはマイクロインタラクションの一つとしてローディングアニメーションを取り入れることが効果的です。

起動時や処理の待ち時間はユーザーにとってストレスのかかる状況です。

見える場所に動くものや読むものなど少しの変化をつけると、同じ待ち時間でも時間の経過が早く感じられ、プロダクトからの離脱を防ぎます。

パーソナライズ

パーソナライズとは、ユーザー一人一人に合わせて情報を提示したり、機能をカスタマイズしたりすることです。

パーソナライズされた情報やサービスを提供することでユーザーの要望を満たし、特別感につながります。

多数いる中のユーザーの一人ではなく、いちユーザーとして大切にされていると実感できることは、製品・サービスへの愛着を持つうえで重要なポイントです。

エモーショナルデザインをデザインに取り入れてユーザーを魅了しよう

エモーショナルデザインをデザインに取り入れてユーザーを魅了しよう

見た目のトーンや使いやすさに加えて、常にユーザーの気持ちに寄り添ったさまざまなアプローチでデザインすることで、プロダクトはユーザーのお気に入りとして長く愛されるプロダクトとなるでしょう。

一方、エモーショナルデザインは画一的な手法論ではないため、実践するには壁を感じる方もいるかもしれません。

エモーショナルデザインのためのユーザー理解や評価、アプローチには、UI/UXデザインの手法が活用できます。

エモーショナルデザインに興味のある方は、まずは UI/UXデザインを専門とする弊社にお問い合わせください。

弊社スパイスファクトリーは豊富な実績を持ち、これらのプロセスを効率的に進めるためのサポートを提供いたします。

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アジャイルなシステム開発、デザイン、ブランディング、マーケティングを得意とし、全方位から企業の DX を支援するスパイスファクトリー株式会社です。
新規事業の立ち上げにおいて、担当者はさまざまな疑問や不安を抱えます。

「そもそも、何を作ればいいのか?」「ユーザーの仮定は正しいのか?」「このアイデアで大丈夫だろうか…」

このような新規事業開発における数々の不明点に対して、ユーザーインタビューは、顧客理解やニーズの仮説検証に非常に有効な方法です。
本記事では、新規事業の立ち上げにおけるユーザーインタビューの必要性や検証内容、インタビューの種類や特徴について詳しく解説します。

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ユーザーインタビューとは


ユーザーインタビューとは、ユーザーに対して質問を投げかけ、その回答や会話の中から気づきを得る手法です。柔軟に質問を変更しながら調査を進めるため、ユーザーからの回答に応じて深い洞察を得ることができます。

ユーザー調査の方法として有名なアンケート調査との違いについて簡単に説明します。
アンケート調査では、比較的大多数の方を対象に一定の質問をして回答を集めます。定量調査に用いられることが多く、ユーザー全体の傾向を知るのに適しています。
一方でユーザーインタビューは、少ない人数を対象に時間をかけて調査します。一つひとつの事例から深い洞察を得るための定性調査として用いられ、ユーザー自身が気づいていない心理や潜在的なニーズを探るのに適しています。

新規事業立ち上げにユーザーインタビューが必要な理由


ここでは、新規事業の立ち上げにおいて、ユーザーインタビューが必要とされる理由 3点を説明します。

ユーザー像の解像度を上げる

製品・サービスが溢れる現代において、ユーザーはモノ(機能)よりもコト(体験)を重視するようになりました。そのため、満足度の高い製品・サービスにするためには、ユーザーのニーズに基づいて、良いユーザー体験を設計することが重要です。

ユーザー体験の適切な設計のためには、ユーザーの 1日の行動や考えていることを明確に理解して、解像度高くユーザー像を捉える必要があります。
ユーザーインタビューで、実際のユーザーから話を聞くことで、ユーザー像の解像度が上がります。その結果、想像だけではわからなかったユーザーの行動や心理を追求でき、ユーザーのニーズを捉えることにつながります。

ユーザーを正しく理解する

新規事業の立ち上げ時は手元の情報が少ないため、仮説にバイアスが含まれていることがあります。バイアスとは、ユーザーに対する先入観や偏見、企業側の都合などです。バイアスが含まれたままでは、適切なユーザー体験の設計は困難です。

ユーザーインタビューを通して実際のユーザーの行動や心理を正しく理解することは、企業側のバイアスを取り除くことにもつながります。その結果、ユーザーのニーズに対する仮説を適切に検証できます。

ユーザー自身が気づいていないインサイトを得る

事業開発におけるインサイトとは、ユーザー自身も気づいていない購買行動における動機や根拠をさします。事業開発においては、インサイトを得ることで、真の課題の発見や潜在的なニーズを理解することが重要です。

インサイトは、ユーザーにとっては当たり前すぎて逆に気づかないものです。しかし、ユーザーインタビューで会話を深掘りしていくことで導出されたり、分析の結果から明らかになったりします。ユーザーインタビューはインサイトを得るための効果的な方法です。

ユーザーインタビューで検証できること


新規事業の立ち上げでは、事業領域やターゲット、ペルソナやアイデアなど、あらゆる面で仮説を含み、それを元に事業開発を進めることになります。そこで、ユーザーインタビューにより仮説を検証し、仮説の確度を高めていくことが重要です。
ユーザーインタビューではさまざまなことが検証できます。ここでは、新規事業においてとくに有用なユーザーインタビューでの検証内容3点を解説します。

市場ニーズやトレンドの把握

新規事業では、新しい市場の開拓を狙って、既存事業とは異なる市場やターゲットを検討します。そのため、特に事業立ち上げ初期は、新規事業の市場に関する情報や理解が乏しくなりがちです。

ユーザーや専門家などにユーザーインタビューを実施することで、市場に存在するユーザーやニーズ、トレンド、背景などを知ることができます。すでに統計的な情報を得ている場合にも、ユーザーインタビューで具体的なエピソードやシーンを聞くことで、市場に関する仮説の検証や、より深い分析につながります。

ペルソナの作成と選定

ユーザーインタビューでユーザーの行動や思考を調査することで、解像度の高いペルソナを作成できます。ペルソナとは、想定されるユーザーの人物像で、解像度が高いほど潜在的なニーズを理解しやすくなります。

新規事業においては、ペルソナの選定も重要なポイントです。通常、1つの製品・サービスであっても、複数のペルソナが含まれます。それは、同じ職種でも年代によって考え方が異なったり、同じ年代でも多様な生活形態があったりするためです。

新規事業は自由度が高いため、優先するペルソナを選定し、開発やマーケティングの方針に一貫性をもたせることが大切です。ユーザーインタビューによりペルソナの解像度を上げることでユーザーを細分化でき、優先するペルソナを選定しやすくなります。

アイデアの内容とピボットの必要性

少し具体なアイデアやプロトタイプがある場合、ユーザーに提示しながらインタビューを実施することで、アイデアの方向性やアプローチが適切かを検証できます。

アイデアの方向性が間違っていることがわかれば、早い段階でのピボット(事業の方向転換)が可能です。また、アイデアが正しい方向性だと確認できた場合でも、ユーザーの意見やフィードバックを元にアイデアを改善できます。

ユーザーインタビューの種類とそれぞれの特徴


ユーザーインタビューは、対象とする人数やインタビューの進め方などによって、いくつかの種類に分けられます。ここでは、新規事業の立ち上げ時にとくに用いられる 4つのユーザーインタビューの種類と、その特徴について解説します。

デプスインタビュー

デプスインタビューは、1人の対象者に対して概ね 1時間程度の時間をかけて話を聞く方法です。

デプスインタビューのメリットは、想定外の話を含め、より深いレベルで会話ができるためインサイトの導出につながりやすい点です。また、職業の話やプライベートの話など、他者には話しづらい機微な内容を聞きたい際にも適しています。
一方、注意点は調査期間が長くなる傾向にあることです。デプスインタビューは人数を絞って実施されることが多く、より適切な対象者を選ぶため、選定に時間を要します。また、アポイントメントも対象者の都合に合わせるため、全体として調査期間が長くなりがちです。そのため、デプスインタビューを実施する際は、スケジュールに余裕を持たせることをおすすめします。

フォーカスグループインタビュー

フォーカスグループインタビューは、ターゲットユーザーに近しい少人数の対象者を集め、座談会形式で話を聞く方法です。

フォーカスグループインタビューのメリットは、インタビューに慣れていない人でも、比較的緊張せずに話をできる点です。また、さまざまな視点での意見を効率よく得られます。
一方、注意点は、他の参加者の意見に影響された発言になりやすく、意見が偏る可能性があるという点です。そのため、フォーカスグループインタビューを実施する場合は、グループ構成や議論の進め方などを工夫し、客観性を保ったうえで分析することが大切です。

オンラインコミュニティ(MROC)

オンラインコミュニティを活用したユーザーインタビューの方法もあります。MROC(Market Research Online Community)とも呼ばれ、特定のテーマについて意見や情報を共有する参加者のコミュニティを立ち上げ、製品・サービスの開発に役立つ意見を収集します。

オンラインコミュニティのメリットは、アポイントメントの必要なく、リアルタイムにユーザーから意見を得られる点です。また、半年以上などの長期間に渡って参加者とコミュニケーションを取りやすいため、継続的に詳細な意見を収集できます。
一方、注意点は、適切なコミュニティを形成するためのノウハウが必要な点です。積極的な発言を促す動機づけや、ルールの設定などが求められます。また、発言量が膨大になりがちであるため、数ある発言の中から有効なインサイトを得るための知見やノウハウも必要です。

エキスパートインタビュー

エキスパートインタビューとは、専門家や有識者に対するインタビューです。業界に関する知見が豊富な人から、過去の事例や今後の見通しを聞きます。

エキスパートインタビューのメリットは、新規事業の立ち上げ初期に話を聞くことで、事業アイデアやアプローチの検討材料になることです。
一方、注意点は、著名な人であるほど多忙なことが多く、アポイントやインタビュー時間の確保が難しいということです。また、業界に関する知見を得ることを目的としたインタビューであるため、ユーザーに関するインサイトを得るなど、深い分析には至らない可能性があります。そのため、エキスパートインタビューとは別に、ユーザーへのインタビューも実施することをおすすめします。

ユーザーインタビューを実施するうえでの注意点


ここでは、とくに新規事業の立ち上げ担当者が知っておきたい、ユーザーインタビューを実施するうえでの注意点を 3点に絞って解説します。

検証したいことを明確にしておく

新規事業の立ち上げ初期は、情報不足で不明なことが多く、ユーザーを目の前にするとあれこれ聞きたくなってしまいがちです。
検証内容が明確ではない場合、話が散漫になり、浅い情報しか得られないことがあります。また、インタビュアー以外の同席者が好き勝手に質問し始め、場のコントロールが難しくなるケースもあります。

インタビューでは、限られた時間内に有用な情報を得る必要があります。事前にインタビューの目的や検証したいことは何かを明確にし、同席者がいる場合には共有しておきましょう。

バイアスを排除し、聞くことに徹する

インタビュアーにバイアスがあると、質問内容や話の解釈が偏ったものになり、適切な分析やインサイトの導出の妨げになります。そのため、ユーザーから話を聞く際には、バイアスを排除して聞くことに徹する姿勢が大切です。

また、新規事業のアイデアに関する意見をユーザーに求める場合には、とくに注意が必要です。
アイデアに自信があればあるほど、自信満々な態度や話し方になり、ユーザーは否定的な意見を言いづらくなります。
アイデアに関する意見をもらう際には、評価ではなく、その理由や考えに着目して話を聞きましょう。新規事業の担当者以外が中立的な立場でインタビューを実施するのもおすすめです。

大勢の「良いね」よりも、一人の「熱狂」が大切

新規事業のユーザーインタビューにおける特徴として、大勢の「良いね」よりも、一人の「熱狂」が大切であることが挙げられます。
新規事業の立ち上げにおいては、通常のユーザーにはない着眼点をもつアーリーアダプターや、熱狂的に指示してくれるファンの存在が重要です。アイデアの評価は高かったのに市場に出すと売れなかったというケースは、実際にはユーザーになり得ない人から多くの表面的な「良いね」をもらっていたという場合があります。

アイデアの検証段階になったら、あえてユーザーにとってコストが高い条件を提示して「あなたは最初の顧客になってくれますか?」と聞きましょう。答えが「はい」であれば、本当にアイデアに共感し、熱狂的に支持してくれる人です。答えが「いいえ」の場合も、詳しく話を聞くことで改善点を見いだせます。

ユーザーインタビューを活用して新規事業を成功させた事例


新規事業の立ち上げでは、未知の分野への挑戦やアイデアが評価されないなど、さまざまな壁があります。そのような新規事業における壁をユーザーインタビューによって乗り越えた事例を 2つご紹介します。

株式会社エアークローゼット

株式会社エアークローゼットでは、働く女性をターゲットに、月額制ファッションレンタルサービス「airCloset」を展開しています。
2015年にスタートし、2022年には会員数が 70万人を超え、サービスは急成長しました。

同社の創業者は IT系出身の男性で、ファッション業界にも詳しくなかったといいます。そこで創業者は、サービスのリリース前に 200人程度のユーザーになりえる人を対象にユーザーインタビューを実施しました。率直な意見を得ることで、サービス内容のブラッシュアップを図ったそうです。

ユーザーインタビューを重ねることで、自身とは異なる立場や考えのユーザーを深く理解したことが事業成功の一つの要因であったといえるでしょう。

Airbnb

Airbnb社は、世界中で民泊サービスを提供している企業です。

Airbnb の立ち上げ当初は、誰かを自宅に泊めるという民泊のアイデアはなかなか周囲から理解されず、ユーザーも集まりませんでした。
そこで、Airbnb の創業者たちは、サービス立ち上げ当時に登録されていた計 50件ほどのユーザー宅すべてに出向き、ユーザーに直接会って意見を交わしたといいます。その後、対話の内容をもとにサービスを改善することで、世間の民泊に対する印象は変わっていき、多くの人々がこのサービスを利用するようになりました。

現地を訪れてのユーザーインタビューは、会話の内容と理解がより一層深まります。1軒ずつユーザーと真摯に向き合いサービス改善を続けたことで、民泊に対する否定的な固定観念を覆すまでに至ったのではないかと想像されます。

ユーザーインタビューで新規事業を成功へ


新規事業の立ち上げは、事業設計の自由度が高く、不明点の多い状況からスタートします。
そのような状況でユーザーに求められる製品・サービスを開発するためには、ユーザーやそのニーズを詳しく知るためのユーザーインタビューが欠かせません。新規事業の立ち上げでは、ユーザーインタビューを積極的に検討することをおすすめします。

また、ユーザーインタビュー自体は誰でも取り組めるものですが、成果を得るにはさまざまなノウハウやスキルが求められます。
たとえば、適切な調査対象者の選定、検証に効果的でバイアスの無い質問の仕方、想定外の話題に対する柔軟な対応、などです。
そのため、社内でスキルのあるインタビュアーを用意できない際には、ユーザーインタビューの専門家がいる会社に依頼するのがおすすめです。

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SNS の普及によりユーザーの体験が拡散される現代において、多くの製品・サービスの担当者が UX に対する重要性を認識しています。一方で、UX を向上させるためには何から取り組めばよいのか、と悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
UX の取り組みにおいて、まず欠かせないのが UXリサーチです。
この記事では、UX への取り組みに興味をお持ちの担当者様にむけて、UXリサーチとはどのような調査なのか、メリットや必要とされるケースを解説します。

UXリサーチの手法や選び方については以下をご参照ください。

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UXリサーチとは

UXリサーチとは
まず、UX の概要と UXリサーチとはどのような調査なのか解説します。

そもそもUXとは

UX は、ユーザーエクスペリエンス(User Experience)の略で、顧客体験とも言われます。UX には、ユーザーが製品やサービスを通して得るあらゆる体験が含まれます。
たとえば、UX の例として製品やサービスを知ったときの印象や、使いやすさ、使用後の満足度などが挙げられます。ユーザーは、良い UX を得られれば製品・サービスのファンとなり、逆に UX が悪ければ製品・サービスに不満を抱いて使わなくなります。
UX に関連する言葉に「ユーザビリティ」があります。ユーザビリティは製品やサービスの使いやすさを指す言葉であり、UX を構成する要素の一部です。

UXリサーチとは

UXリサーチとは、ユーザーの行動やその行動に至る心理、感情を調査することです。UX を向上させるためにはユーザーを知ることが欠かせませんが、そのための活動が UXリサーチなのです。
UXリサーチの手法には、インタビューや製品・サービスを使ったテストなどさまざまな方法があり、目的によって使い分けます。定量的な調査だけでなく、定性的な調査を実施するのが特徴です。また、たとえば性別や年代といった広いカテゴリではなく、特定の人物像に絞って深く詳しく調査するのが特徴です。
UXリサーチの専門家は、主に「UXリサーチャー」と呼ばれます。UXリサーチャーは、心理学などで人間の基本的な行動特性を学んでおり、その知見や経験則を活かしてユーザーの行動とその心理を調査、分析します。ユーザーと接する際には、開発側の都合によるバイアスや固定観念を含まないように調査を進めます。
企業活動において、ユーザーの理解はあらゆる場面で求められます。そのため、UXリサーチにより明らかになるユーザーの情報は、新製品や新サービスの企画立案、開発、マーケティングや広報など、多岐にわたる領域で活用されます。

UXリサーチが必要となる背景

UXリサーチが必要となる背景
では、なぜ従来のマーケティングリサーチに加えて UXリサーチが必要とされるのでしょうか。現代において UXリサーチが必要とされる、主な2つの背景を説明します。

「モノ」から「コト」の時代へ

製品・サービスがあふれる現代において、あらゆる市場がコモディティ化しています。似たような製品・サービスが多くあり、ユーザーは製品・サービスそのもの(モノ)よりも、体験(コト)を重視するようになりました。たとえば、シェアサイクルは、自転車そのもの(モノ)ではなく、近距離の移動手段(コト)へのニーズから広まっています。
ユーザーの変化に伴い、企業は「モノ」づくりから「コト」づくりへの変化が求められています。しかし、ユーザーが求める体験というのは、機能のように言語化しやすいものではなく、抽象的で漠然としたものです。ユーザー自身も明確な答えを持っていないケースが多くあります。
そのため、企業は従来の「モノ」づくりの方法では対応できず、そもそも何を作れば良い体験につながるのかわからない、という状態に陥ることが増えました。
そこで注目されたのが、ユーザーの行動や心理を調査する UXリサーチです。ユーザーの行動や心理を理解することで、ユーザーにとって良い体験とは何か、それにつながる製品やサービスを作り出そう、という考えです。
体験というユーザーの主観で良し悪しが判断される「コト」づくりにおいて、UXリサーチによるユーザーの理解は、一層、重要になっているのです。

多様性の時代

従来の概念とは異なる新しい形態や文化が次々と登場し、多様化が進んでいます。たとえば「家族」という言葉一つをとっても、さまざまな家族の形があります。ユーザーは時代と共に変化していく上、カテゴリが細分化されているのです。
多様なユーザーを前に、開発に携わるメンバーがユーザーに関する共通認識を持つことが、より難しくなっています。開発メンバーにおける認識の相違は意思決定を遅らせ、誤ったユーザーの理解は誤った開発につながりかねません。
そのため、UXリサーチによりユーザー像を正しく理解すること、開発メンバーが共通認識を持つことが求められているのです。

UXリサーチのメリット

UXリサーチのメリット
製品・サービスの開発担当者にとって、UXリサーチはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、UXリサーチのメリットを3点ご紹介します。

ユーザーのニーズとのズレを減らせる

製品・サービスの開発において、ユーザーのニーズとのズレは大きな開発リスクとなります。しかし一方で、コトづくりにおけるニーズは曖昧な要素が多く、単純な要件にならないため評価も難しくなります。
これに対し、UXリサーチは定性的なアプローチでユーザー起点による製品・サービスの評価を実施します。たとえば、リサーチの場にユーザーが同席し、UXリサーチャーがユーザーの表情や発言、操作内容など多角的にユーザーを観察することで、ユーザーのニーズとのズレを見出すことができます。
そのため、UXリサーチによる製品・サービスの評価を実施することで、ユーザーのニーズとのズレを減らすことが可能です。

開発方針の軸を定めやすい

開発のメンバーによって、ユーザーへの理解度や想定しているユーザーはさまざまです。想定しているユーザーに差異があると、意思決定の際に議論がまとまらない、どの選択肢が最適か決めきれないといった事態につながります。
UXリサーチでは、ユーザー像を明確にし、認識の共有に最適な形でドキュメント化します。ドキュメント化することで曖昧さを回避でき、開発メンバーで同じユーザー像の認識を持てます。ユーザー像が明確であること、また、ユーザー像の認識が共有されていることで開発方針の軸を定めやすくなり、迅速な意思決定につながります。

ブランド価値の向上につながる

UXリサーチによりユーザーを深く理解して開発することで、ユーザーが得られる体験の価値向上につながります。その結果、ユーザーは製品・サービスに対して愛着を持つようになります。しかし、それだけではありません。
“体験がより良いものに進化し続けている”という認識は、製品・サービスへの信頼、そしてリピートでの利用に繋がります。ユーザーは、一度だけ良い体験を得られたとしても、リピートするとは限りません。それは、ユーザーが“より良い体験”を求め続け、製品・サービスが進化しなければ時間と共に満足度が下がっていくためです。製品・サービスの長期的な成長のためにも、UXリサーチは必要不可欠なのです。
UXリサーチにより継続的に体験の価値を向上させていくことは、製品・サービスへの愛着、リピート利用を生みます。リピーターやファンを増やすことになり、企業のブランド価値の向上につながるのです。

UXリサーチが必要なケース

UXリサーチは、どのようなプロジェクトでも取り入れることができます。ここでは特に UXリサーチが必要なケースを 3つご紹介します。

新規事業開発にあたりユーザーの課題やニーズが不明確なケース

新しい製品・サービスは、ユーザーの今の生活の中に取り込まれます。そのため、新規事業開発では現状のユーザーの課題を深く理解し、ニーズにつながるものを開発することが重要です。
しかし、ユーザーは自身の課題やニーズを明確に理解しているとは限りません。たとえば、毎日のことで慣れてしまって不便さを感じなくなっていることがあります。
そのため、UXリサーチにより現状のユーザーが何を考え、どのように行動し、何を思うのかを深く理解する必要があります。ユーザーの現状を深く知りながらも客観的に見ることで、課題やニーズとなる部分が見えてくるのです。

新機能や新サービスのプロトタイプを検証するケース

ユーザーは使ったことのないものを正しく評価するのは難しいため、新機能や新サービスはプロトタイプを使った検証が有効とされています。しかし一方で、ユーザーによるテストは時間が制限されており、すべての項目をテストするのは困難です。
そこで、ユーザーによるテストの前に、UXリサーチャーによるユーザビリティの評価が役立ちます。UXリサーチャーの知見や経験則から、ユーザビリティ上の基本的な問題を洗い出しておくのです。その結果、ユーザーによるテスト時には、より重要な項目に絞って検証できます。
その上で、ユーザーによる検証時には、より自然なかたちでユーザーが評価できるように場面の設定やタスクの流れなどを設計します。また、ユーザーが操作する様子を観察しながら臨機応変に質問することで、改善点や解決の糸口を見出します。
UXリサーチをプロトタイプの検証に取り入れることで、リリース前に必要な改善点を把握できます。

次開発に向けて現行の製品・サービスを評価するケース

現行の製品・サービスがある場合、ユーザーの行動を定量的に測定していたり、ユーザーからのコメントや要望を得ていたりするかもしれません。しかし一方で、定量データや要望など、定点的な調査による情報が多いほど、情報の紐づけや対応の優先順位が付けづらくなります。
たとえば、要望を出したユーザーの利用期間や利用頻度、利用する場面、立場といった背景情報を知らなければ、ニーズの大きさや改善のインパクトを見積もれません。また、ある部分を改善すれば、別の部分も改善されるといったケースもあります。
そこで、UXリサーチにより、ユーザーの行動や思考を一連の流れとして理解することが役立ちます。ユーザーの行動と思考を連続的に紐づけることで、要望の内容を適切に理解し、次開発に向けた検討をしやすくなります。

UXリサーチの事例

UXリサーチを活用して製品・サービスが開発された事例をご紹介します。

LINEスタンプ

UXリサーチの結果を元に判断し、事業が成功した例として、LINEスタンプの開発事例をご紹介します。
LINEスタンプとは、LINE株式会社が提供するチャットツール「LINE」で、文字の代わりに送る画像のことです。LINEスタンプは、機能が人気であるだけでなく、LINEスタンプを販売するマーケットなどビジネス面でも成功しています。
そんな LINEスタンプですが、開発当初に実施されたUXリサーチでは9割のユーザーからは ”不要”という評価を受けました。しかし、残りの 1割である 10代の女子高生からは、熱狂的な様子で”必要”という評価を受けたといいます。
この 1割の熱狂的なファンを元に、LINEスタンプの開発を進めたそうです。仮にこのときに評価が簡易的な受容性評価のアンケートであれば、熱狂的なファン層に気づけず、機能のリリースには至らなかったかもしれません。

SmartHR

UXリサーチによる改善を高頻度で実施することで、高い契約継続率を維持している例として SmartHR の取り組みをご紹介します。SmartHR は、株式会社SmartHR が提供するクラウドの人事労務ソフトウェアです。
同社の契約は月額課金、いわゆるサブスク契約です。サブスク契約は初期費用を抑えられるためユーザーに使ってもらいやすい反面、離脱されしやすいビジネスモデルです。ユーザーに不満があればすぐに他社に乗り換えられてしまいます。
そんな中、同社は高い契約継続率を維持しています。その理由の一つとなっているのが、2週間に 1回という高頻度での UXリサーチによる製品評価です。UXリサーチの専門部署を設けることで、高頻度での評価を実施できる仕組みを実現しています。

Nintendo Wii

UXリサーチにより新しいユーザーの獲得に成功した例として、Nintendo Wii の開発事例をご紹介します。
Nintendo Wii は、任天堂株式会社が 2006年に発売した家庭用ゲーム機器です。Wii が発売される前のゲーム機は、多数のボタンがついたコントローラーを巧みに操作して楽しむのが主流でした。そんな中、発売された Wiiは、ゲーム初心者でも扱いやすいシンプルなコントローラーで、家族で楽しめるゲームとして人気が出ました。
Wii のヒットにつながったシンプルなコントローラーや家族で楽しむというコンセプトは、同社社員の家庭を観察したことから得られたと言われています。UXリサーチの行動観察といわれる方法です。
既存ユーザーだけでなく、そのユーザーの環境や周りとの関係などを深く知ることで、新たなアイデアとユーザー獲得につながったと言えるでしょう。

UXリサーチで顧客体験を向上。事業成長へつなげよう

UXリサーチで顧客体験を向上。事業成長へつなげよう
この記事では、UXリサーチについてご紹介しました。もし、製品・サービスの開発に携わる中で“考えてもわからない”という場面があれば、それはユーザーのことを知ることで解決されるかもしれません。体験を重視したコトづくりの現代において、UXリサーチによるユーザーの理解は必須となっています。

UXリサーチにはさまざまな手法があり、目的だけでなくコストや期間などに応じて柔軟に対応できます。また、UXリサーチで得られる知見は、開発だけでなく、マーケティングやブランディングなど、多岐にわたって役立ちます。これから UXリサーチを始める、UXリサーチに興味があるという方は、まずは取り入れられる部分から始めてみてはいかがでしょうか。

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UXリサーチには、目的や用途に応じた様々な手法があります。

UXリサーチを実施しようと思っても、どの手法が適切なのか、どのように手法を選べばよいのか悩まれる方は多いでしょう。

この記事では、多数あるUX手法の中から代表的な手法8つをご紹介し、それらの選び方について解説します。UXリサーチを実施する際のポイントについても解説していますので、UXリサーチに取り組む前の参考にしてください。

UXリサーチとはなにか、どのようなケースで必要とされるかについては以下の記事をご参照ください。

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また、弊社スパイスファクトリーではUI/UXデザインにおいて豊富な実績があります。

弊社の概要やサービスプラン、過去の導入実績などをまとめた資料をご用意しました。気になる方はこちらからダウンロードしてください。

UXリサーチとは?

UXリサーチとは、ユーザーの行動やその行動に至る心理、感情を調査することです。UX を向上させるためにはユーザーを知ることが欠かせませんが、そのための活動が UXリサーチなのです。
企業活動において、ユーザーの理解はあらゆる場面で求められます。そのため、UXリサーチにより明らかになるユーザーの情報は、新製品や新サービスの企画立案、開発、マーケティングや広報など、多岐にわたる領域で活用されます。

UXリサーチの種類

UXリサーチの種類
UXリサーチの手法は、数値によって結果を表す「定量調査」と、言葉や絵などの数値以外の表現によって結果を表す「定性調査」に分けられます。調査後にどのような分析をしたいのか、そのためにどのような形で結果を得たいのかによって、選ぶ手法が異なります。
また、UXリサーチは、ユーザーへのアプローチ方法の違いによって「探索型リサーチ」と「検証型リサーチ」にも分けられます。探索型リサーチはユーザーの潜在ニーズを探索することを目的とし、検証型リサーチは仮説や製品の評価・検証を目的としています。
UXリサーチの手法分類

参考までに、上の図では各 UXリサーチ手法の代表的な使われ方を分類しています。図は一例であり、定量調査と定性調査、探索型リサーチと検証型リサーチの両方で使われる手法もあります。
定量調査と定性調査、そして探索型リサーチと検証型リサーチのそれぞれの特徴を解説します。

定量調査

定量調査とは、数値や量で示される定量的な結果を得たいときに実施する調査です。たとえば、アンケートを実施して年代ごとの購買傾向を調べる、Webサイトの滞在時間に対する購入率を調べる、といったケースです。
定量調査は多数の結果を統計的に分析するため、製品・サービスに対するユーザーの傾向を把握したいときに向いています。
多数の結果を得られるだけでなく、統計的な有意差を検証できるため、定性調査よりもより精緻な検証が行えることが大きなメリットです。

定性調査

定性調査は、数値で表せない言葉や行動などを文章で示した結果を得たいときに実施する調査です。たとえば、ユーザーの発言や行動から、根底にある価値観を調べるといったケースです。定性調査の結果には、文章以外にも、写真やイラストなど多様な表現方法が用いられます
定性調査は、特定の調査対象に対して質的に分析するため、ユーザーの心理や価値観など、表面的にはわからないことを明らかにしたいときに向いています。

探索型リサーチ

探索型リサーチは、仮説や新規事業のアイデアなどを立案するために、ユーザーの潜在的なニーズを知りたいときに実施する調査です。バイアスや開発側の都合を排除し、幅広い視野で探索的にユーザーにアプローチするのが特徴です。
たとえば、探索型リサーチでは、会話の中からユーザーの価値観を探ったり、何気ない行動から潜在的なニーズを探ったりします。
潜在的なニーズをいち早く捉えて事業化することは、新しい事業機会や他社との差別化につながります。そのため、探索型リサーチは事業機会やアイデアを模索している際に向いている調査方法です。

検証型リサーチ

検証型リサーチは、仮説を元に作られた製品・サービスの利用を通して、仮説が正しいかを検証するときに実施する調査です。検証の項目や流れをあらかじめ設計し、それに沿ってユーザーにアプローチするのが特徴です。
たとえば、検証型リサーチではユーザーに特定の操作をしてもらったり、そのときの様子を観察したりして、仮説が正しいかを判断します。そのため、検証型リサーチはプロトタイプや製品がある際に向いている調査方法です。

UXリサーチの手法の選び方

UXリサーチの手法の選び方
UXリサーチを実施するためには、まず適切な手法を選ぶ必要があります。この章では、UXリサーチの手法を選ぶ際の観点を解説します。

開発のフェーズ

開発のフェーズに応じて、探索型リサーチと検証型リサーチのどちらが適切かを考えます。
一般的には、企画段階ではアイデアの創出のために探索型リサーチ、開発中はプロトタイプの評価のために検証型リサーチが実施されます。リリース後は、現行製品・サービスの評価のために検証型リサーチ、次製品・サービス開発に向けた探索型リサーチと、検証型と探索型のどちらも実施されます。

求める調査結果のかたち

分析時に使用する調査結果が数値かどうかによって、定量調査と定性調査のどちらが適切かを考えます。
統計学的な側面から定量的に分析したい場合には、調査結果として数値的な情報が必要になるため定量調査が適しています。一方、心理学的な側面などから質的に分析したい場合には、調査結果として詳しくユーザーの発言や行動を書き下した文章などが必要になるため、定性調査が適しています。

調査期間と予算

手法によって必要な調査期間や予算が大きく異なるため、プロジェクトのスケジュールと予算の観点からも手法の検討が必要です。一般的には、定量調査よりも定性調査のほうが調査期間と予算を要するケースが多いです。
定性調査では、少人数の調査対象を時間をかけて調査するため、調査対象の選定に時間を要します。また、スケジュールも調査対象の都合に合わせる必要性が大きいため、調査期間が長期化し、必要な予算も大きくなる傾向があります。
ただし、あくまでも傾向であり、手法のアレンジによりコストダウンも可能です。そのため、複数の手法で調査期間と予算を見積もることが大切です。

製品・サービスの分野

製品・サービスの分野も調査手法の選択に影響します。たとえば、高度な専門職など、ユーザーの人数を確保しづらい場合には統計的な分析を目的とした定量調査は難しくなります。また、機微な個人情報を扱う医療や保険などの分野は、複数人に一斉に話を聞くグループでのインタビューは避けるといった配慮が必要です。

代表的なUXリサーチ手法8選

代表的なUXリサーチ手法8選
ここでは具体的に代表的なUXリサーチの手法を8つ、定量調査と定性調査に分けてご紹介します。

定量調査

アンケート調査

アンケート調査とは、質問と回答の選択肢をあらかじめ用意した上でユーザーから回答を得る調査方法です。アンケート調査は定量調査で用いられることが多く、選択式の質問をベースに多くのユーザーから意見を集めることでユーザーの傾向を探ります。必要に応じて自由記述の解答欄を設けるなど、定性的な情報収集も可能です。
アンケート調査では、恣意的な調査設計をしないように注意する必要があります。たとえば、回答を誘導するような質問の仕方などは、調査自体への信用を失うため避けなければいけません。

A/Bテスト

A/Bテストとは、2種類以上のパターンを用意して運用し、それぞれの成果を測定することで、より効果の高いパターンを検証する方法です。主にウェブページや広告バナーなどでコンバージョン率を最適化するために用いられます。
複数の改善案を比較的簡単に準備でき、効果測定により改善策を一つに決めたいときに適している手法です。

ヒートマップ分析

ヒートマップ分析とは、ユーザーの操作内容を元にユーザーが注目している箇所を可視化することで、ウェブページ内の課題を見つける手法です。たとえば、ページのコンテンツが最後まで閲覧されていない、といった課題を見つけられます。
ヒートマップ分析で得られるユーザーの視線情報は、ユーザーの行動を分析する際の重要な要素となります。そのため、ヒートマップ分析は他の手法と組み合わせることで、より高度で効果的な分析につながる傾向があります。

定性調査

ユーザーインタビュー

ユーザーインタビューとは、ユーザーに質問を投げかけ、その回答や会話の中から気づきを得る手法です。他の手法と併せて実施されることも多く、UXリサーチの中でも主流と言える手法です。
インタビューの実施方法は複数あります。たとえば、一対一でユーザーを深彫するデプスインタビュー、共通の属性を持つユーザーから座談会形式で話を聞くフォーカスグループインタビューなどがあります。他にも、 SNS などを使ってオンラインコミュニティ上で意見交換を交わす方法もあります。
どの実施方法でも、ユーザーからの回答に応じて柔軟に質問を変更しながら調査を進められる、という点がアンケート調査との大きな違いです。

エスノグラフィ (行動観察)

エスノグラフィ調査とは、ユーザーに密着してその行動を観察し、行動や思考、文化などを把握して分析する手法です。元々は文化人類学の手法ですが、ユーザー目線でのニーズの理解や課題の発見のために有効な手段として、UXリサーチで用いられるようになりました。
エスノグラフィ調査は実施の難易度が高く、スキルを持ったUXリサーチの専門家に依頼するのが一般的です。また、調査期間が長く、他の手法と比較してコストが高い傾向にあります。そのため最近では、エスノグラフィのノウハウを活かした簡易的な行動観察によって、期間やコストを抑えて調査を実施するケースも増えています。

ヒューリスティック評価

ヒューリスティック評価とは、ユーザビリティの専門家が経験則に基づいて製品のユーザビリティを評価する手法です。ユーザービリティ上の基本的な問題を発見して改善につなげます。
比較的実施しやすい手法であり、特にユーザーによる評価を計画している場合には事前評価として用いられます。ヒューリスティック評価による改善を済ませておくことで、ユーザーによる評価時には、より重要な内容に絞って評価を実施できます。

ユーザビリティテスト

ユーザビリティテストとは、実際にユーザーに製品・サービスを使ってもらい、その様子を観察することでユーザビリティ上の問題点を発見する手法です。定性調査で用いられることが多いですが、操作時間や操作のステップ数など定量的な観点から定量調査として実施するケースもあります。
被験者となるユーザーの用意が難しい場合には、UX の専門家がユーザーになりきって評価する認知的ウォークスルーという手法もあります。

ホームユーステスト

ホームユーステストとは、一定期間、ユーザーに製品や商品を自宅で使ってもらい、評価する手法です。主に、家電製品や食品など、家庭内で利用される製品や商品の評価に用いられます。
ホームユーステストでは、使っている様子を直接確認することが困難です。そのため、テスト期間中の定期的なアンケートや使用時の動画撮影、テスト後のインタビューなど、詳しい情報収集が併せて必要となります。

そもそもUXリサーチがどのようなケースで求められているのかについては以下をご参照ください。

https://spice-factory.co.jp/design/what-is-ux-research/

UXリサーチを実施する際のポイント

UXリサーチを実施する際のポイント
UXリサーチは専門家でなくても取り組めるような手法が多くありますが、一方で効果的な調査結果を得るのは容易ではありません。UXリサーチの専門家に依頼する場合にも、自分たちでUXリサーチに取り組む場合にも知っておきたい、UXリサーチを実施する際のポイントを解説します。

価値に着目し、バイアスを排除して考える

ユーザーは物や機能に対する要望を挙げやすく、また会社もそのような要望には応えやすいものです。しかし単純に求められた物や機能を提供するだけでは不満の解消に留まり、製品・サービス全体のUX向上につながるとは限りません。そのため、UXリサーチでは、常にユーザーに提供できる価値に着目して考えることが求められます。
たとえば、オフィスにおやつを届ける会社が、アンケート調査で「ドーナツが欲しい」という要望を得たとします。要望のとおりにドーナツを届けたとして、ユーザーに提供できる価値は適切でしょうか。

このとき、もう一つ大事なのが「バイアス」を排除して考えることです。バイアスとは思い込みや先入観のことであり、今回の例だと「ユーザーは、単にドーナツ好きだから欲しいと言っている」などと決めつけることです。バイアスを排除して調査を進めることで、「ドーナツみたいな少しがっつりしたお菓子でエナジーチャージして、もうひと踏ん張り仕事をしたいときがある。」といった、ユーザーの潜在的なニーズを発見することができるかもしれません。そこから、「もうひと踏ん張り仕事を頑張れる」ことに貢献することこそが本質的な価値の提供であるといった気付きを得られることができます。
このように、バイアスを排除して本質的な価値に着目することで、ドーナツやおやつの提供以外にも視野を広げ、UX向上につながる解決策を考えられるのです。

ユーザーの考えと自分の考えが混ざらないようにする

UXリサーチによりユーザーの行動や思考を知るようになると、ユーザー目線で色々と考えられるようになります。しかし一方で、UXリサーチの初心者はユーザー目線で考える途中で、自身の考えが無意識に混ざってしまうことがあります。これでは、「ユーザーはこう考えるに違いない」という新たなバイアスになりかねません。
そのため、調査結果の分析や議論を進める際には、UXリサーチで得られた事実と、その事実から考えられる推論とを明確に分けることが求められます。

評価で終わらず、改善につなげる

検証型の UXリサーチの目的は、評価結果を得ることではなく UX を改善することです。たとえば 8割のテスト項目で良い評価を得た場合に、「良い製品・サービスができた」と満足して 2割の悪い評価を軽視しないことが大切です。
ユーザーは必ずしも総合的に製品・サービスを評価しているわけではありません。2割の悪い評価の中にもユーザーが重視している点や、新たなニーズにつながる知見が含まれている場合があります。そのため、可能な限り改善点を見出す姿勢が求められます。

顧客理解、まずはUXリサーチから

良い製品・サービスにはユーザー理解が不可欠であり、その点で UXリサーチは有効な手法とされています。
UXリサーチには様々な手法があるため、目的に応じて適切な手法を選びましょう。
UXリサーチは、予算や期間に応じて複数の手法を組み合わせたり、手法をアレンジしたりできます。

当社では、UXリサーチャーによるリサーチなどのデザイン支援を幅広く承っております。

  • 顧客の課題やニーズに対する理解が不足している
  • ペルソナの仮説はあるが、本当に正しいかが不安
  • UXリサーチに興味があるが、社内に知見が不足しており対応に困っている

このようなお悩みを持たれている方は、ぜひ一度お気軽にご相談くださいませ。

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輸送・配送網の高度化やECサイトの充実化などを背景としつつ、コロナ禍の影響も相まってオンラインでの購買行動は多くの消費者にとって一般的なものとなりました。一方で、実店舗では音響や照明、陳列など豊富な手法で顧客体験を演出できるというメリットもあります。
双方の良いところをうまく組み合わせ、顧客に新たな価値を提供しようとする OMO(Online Merges with Offline) を戦略に取り入れる動きが進んでいます。この記事では、OMO の概要や重視すべき理由、メリットや進め方についてご紹介します。

OMO(Online Merges with Offline)戦略とは

OMOとは、オンラインとオフラインを融合し、顧客体験を向上させる取り組みを意味する言葉です。2017年ごろに元 Google社の李開復(リー・カイフー)氏が提唱したといわれており、中国を中心として普及してきた概念です。近年、日本でも OMO のキーワードで取り組みを行う事例が増えつつあり、注目度が上がっています。
OMO戦略の一例としては、たとえば顧客がオフライン店舗で商品を見つけられなかった際に、オンラインへ顧客を誘導し購買へつなげるような取り組みが挙げられます。このケースでは、オンライン・オフライン両方の在庫データを統合的に活用し、顧客の状況や都合に合わせて最適な体験を提供できるようにしています。

O2O(Online to Offline)とは何が違うのか?

OMO と似た概念として、2010年代前半に注目された O2O(Online to Offline)を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。O2O は、オンラインから実店舗へ誘導することを目指す戦略・施策です。たとえば、Webサイトやアプリ上でクーポンを配布して実店舗への来店促進することなどが挙げられます。
O2O ではオンラインからオフラインへの一方的な送客を主としているのに対して、OMO ではオンラインとオフラインの垣根を取り払い、チャネルの違いを感じさせないような体験を目指している点で異なります。O2O を発展・昇華させた概念が OMO といえるでしょう。

企業がOMO戦略に取り組む理由とは


世界や日本の各企業が OMO戦略に取り組む理由はどこにあるのでしょうか。様々な理由が存在しますが、ここでは3つの観点から整理します。

EC化率の頭打ち

消費行動のうち EC を利用する割合を示す EC化率は年々上昇を続けていますが、一方でその上限も見えつつあります。経済産業省「令和3年度 電子商取引に関する市場調査 報告書」(新しいタブで開きます)によれば、世界の B to C 市場における EC化率は今後も伸びつつありますが、一方でその伸び率は低減傾向にあることが読み取れます。
特に EC の先進国であるアメリカや中国ではその傾向が顕著です。同調査では、アメリカの EC化率はほぼ頭打ちとなっており、また中国の EC化率も伸びが鈍化している傾向にあることが明らかとなっています。これには、いわゆる「最寄品」や「買い回り品」は EC での購買もしやすいものの、詳細な商品比較や検討が行われる「専門品」は EC での購買が難しい点も影響していると考えられています。
このような状況において、これまでオンライン・EC での販売を中心とした戦略をとってきた企業も、オフラインへの進出を検討することになります。たとえば、OMO戦略の代表事例として名前が挙がることの多い中国のアリババ社は、中国14億人の購買行動のうち、非EC化領域の80%を取りに行くために、OMO戦略によるオフライン進出を進めてきた背景があります。

世界のBtoC-EC市場規模
出典:経済産業省「令和3年度 電子商取引に関する市場調査 報告書」p101(新しいタブで開きます)
中国におけるEC市場規模
出典:経済産業省「令和3年度 電子商取引に関する市場調査 報告書」 p105(新しいタブで開きます)
米国におけるEC市場規模
出典:経済産業省「令和3年度 電子商取引に関する市場調査 報告書」 p114(新しいタブで開きます)

なお、日本における EC化率は、同調査によれば2021年度時点で8.78%とされています。日本の EC化率はまだまだ増加傾向であり、諸外国に比べるとさらに伸びる余地があるといえますが、一方で日本の大都市中心の都市立地やスーパー・コンビニなど小売店の充実などを考慮すると、他国よりも低い値に収束する可能性も想定されます。
いずれにせよ、他国の状況を考慮するとオンラインのみをターゲットとした戦略には、いずれ限界が訪れることは明らかです。

物販系分野のBtoC-EC市場規模及びEC化率の経年推移
出典:経済産業省「令和3年度 電子商取引に関する市場調査 報告書」 p5(新しいタブで開きます)

顧客獲得コスト

もう一つの観点は、オンラインにおける顧客獲得コストの向上です。従来、オンラインの顧客獲得コストは実店舗などのオフラインと比較すると安いとみられてきました。メールやオンライン広告などで多数のユーザーにアプローチできるオンラインチャネルですが、近年ではその市場がレッドオーシャン化しています。
たとえば、中国では「オンラインでユーザー1人を獲得するために数万円コストを使う」※1ということも状態化しています。日本においても、総務省「令和4年 情報通信白書」第2部第3節(2)広告(新しいタブで開きます)によると、2021年にはインターネット広告費がテレビ・新聞・雑誌・ラジオの広告費を上回るなど、オンライン上での顧客獲得チャネルとして一般的な Web広告費用は増加傾向です。この傾向が続けば、日本国内のオンラインでの顧客獲得単価も増加していくことが想定されます。
このような中、実店舗での顧客獲得に再度注目が集まっています。実店舗においては、ディスプレイや陳列、内装などによるブランディングが可能であり、また顧客への細かい接客も可能です。オンラインに比べれば丁寧で質の高い顧客体験を実現しやすいことから、ロイヤルカスタマー化しやすいという観点でも、店舗戦略は有効といえます。
よって、これまでオンラインに注力していた企業においても、実店舗とオンラインを組み合わせることにより顧客獲得を目指す流れが生まれています。

※1 藤井 保文「アフターデジタル2 UXと自由」p101より引用

OMO戦略のメリット

以下では、OMO を戦略に取り入れるメリットを企業・顧客それぞれの観点からご紹介します。

企業側のメリット

企業側が得られる OMO の大きなメリットは、販売・サービスの機会損失を防げる点です。たとえば、オンライン上で在庫切れだった商品を「お知らせリスト」に登録しておき、商品が入荷されたら自分がよく行く店舗に訪れた際に受け取れるようにします。これにより「在庫切れ」で途切れそうだった購買行動をつなぎとめることが期待できます。
また、オンライン・オフラインの一元的なデータ収集もメリットといえます。両者のデータを顧客に紐づけ一元化することで、これまでできなかった販促や分析にもつながります。

顧客のメリット

OMO のキモは顧客への提供価値の向上にあります。よって、当然ながら顧客側にもメリットがあります。
OMO により、顧客はこれまで以上に便利に買い物やサービス利用ができるようになります。必要な時・タイミングで好きなチャネルで情報が受け取れたり、オンライン・オフラインを問わずサービスの利用や商品の購入ができたりするようになります。

OMO戦略のタイプと事例


OMO戦略は「流通・提供の改善」と「接点の改善」という2つのアプローチから整理できます。以下では、それぞれのアプローチ方法の具体的な事例を紹介します

OMOによる流通・提供の改善

OMO による流通・提供の改善とは、商品やサービスの「届け方」を OMO の実践により改善するアプローチです。実店舗とデジタルの力を融合させ、ユーザーに対して、より便利な購買体験を提供します。

盒馬鮮生(フーマーシェンシェン)

盒馬鮮生
出典:盒马官网 – 盒馬,鮮·美·生活(新しいタブで開きます)

中国のアリババ社が展開するスーパーマーケット「盒馬鮮生(フーマーシェンシェン)」では、オンラインでの注文を、条件により最短30分で届けるサービスを実施しています。ユーザーがアプリから商品を注文すると、盒馬の店舗スタッフの端末に注文情報が届き、スタッフはそれを見ながら手早く商品を袋詰め。食品の特性である「注文したらすぐに利用したい」というニーズに応えられるサービスとなっています。

滴滴出行(DiDi)

DiDi
出典:DiDiモビリティジャパン株式会社(新しいタブで開きます)

同じく中国の「滴滴出行(DiDi)」社では、タクシーの配車や自家用車のカーライドシェア、高級車の手配などのマッチングサービスを提供しています。アプリから配車や予約を行い乗車すると、地図上には推奨ルート、混雑具合、自分とタクシーの現在地、推定到着時間、推定金額と現時点での金額が表示されます。走行データに基づいて自動精算されるなど、オンライン上の処理で快適な移動をサポートする仕組みを構築しています。
日本でも最近はタクシーアプリとして「GO」や「JAPAN TAXI」等が活用されています。タクシー会社の連絡先を調べて、電話で配車の依頼をして…という従来のサービスの利用方法がアプリを活用することでより簡単に、スピーディーになっていることがわかるかと思います。

瑞幸珈琲(ラッキンコーヒー)

luckin coffee
出典:瑞幸咖啡(新しいタブで開きます)

コーヒーチェーン「瑞幸珈琲(ラッキンコーヒー)」では、注文をすべてアプリに集約。店舗ではコーヒー作りとデリバリーに特化した形でサービス提供を実施しています。これにより、ユーザーデータを蓄積しやすくしつつ、設備やワークフローの効率化により店舗にかけるコストを最小限に抑えることに成功。出店スピードの加速に繋がっています。

CHOOSEBASE SHIBUYA(そごう・西武)

CHOOSEBASE SHIBUYA
出典:リアルストア お買物の仕方 – CHOOSEBASE SHIBUYA(新しいタブで開きます)

渋谷の西武百貨店内にある商業施設「CHOOSEBASE SHIBUYA」では、折々のテーマに合わせた商品展示を実施。商品のそばに二次元バーコードを設置し、スマホで読み取ることで商品説明や値段の確認、注文をできるようにするなど、リアル店舗での商品購買行動をオンラインでサポートしています。

明日見世(大丸松坂屋百貨店)

明日見世
出典:明日見世(asumise) | 大丸・松坂屋(新しいタブで開きます)

大丸東京店では「明日見世」としてD2C(Direct to Consumer:製造者と消費者の直接取引)を提供している企業の見本市を展開。大きな特徴は、実店舗でじっくり商品を選んだうえで、購入する際はその場でECサイトから買い物かごに商品を入れる方式を採用している点です。出展ブランドは実際に来店した顧客から多様なデータを収集できるほか、現場でダイレクトな評価を受けられるメリットを享受できます。

OMOによる接点の改善

もう一つの OMO戦略のアプローチとして、接点の改善が挙げられます。これは、顧客接点をオンライン・オフラインで高頻度に持つことで顧客解像度を高め、今までできなかった価値を提供するアプローチです。

平安好医生(平安グッドドクター)

中国の大手保険会社である平安保険が提供しているアプリ「平安好医生(平安グッドドクター)」では、医療機関の予約からオンライン診療、処方箋の受け取り、医薬品の購入まで、医療にかかるすべての接点をアプリで完結させている点に特徴があります。これにより、通院や処方にかかる時間を、患者と医師の双方において短縮させる効果を生み出しています。

自如(ズールー)

中国の若者向け賃貸サービス「自如(ズールー)」では、サービスの一つとしてルームシェア向けのサポートを実施。家賃の支払いや清掃といったルームシェアの課題を解決するために、家賃の個別支払いや、追加費用により清掃や家具の修理を依頼できるサービスを提供しています。

保険IQシステム(アイリックコーポレーション)

日本のアイリックコーポレーション社が提供する「保険IQシステム」では、保険ショップで行うような高度な保険のシミュレーションをユーザー自らで行うことができるサービスを提供。ユーザーが希望した条件に合致する保険を提示しつつ、後続フローである保険加入のコンサルティングから実際の申し込みまでワンストップで対応することで、ユーザーが本当に必要とする保険を選択できるという価値を提供しています。

OMO戦略の進め方

ここまで、OMO のメリットや事例をご紹介しました。ここまでの内容を踏まえつつ、具体的に企業は OMO にどのように取り組むべきかを解説していきます。

1.ユーザー理解

OMO戦略が目指す目的は顧客体験価値の向上です。よって、まずはユーザーの理解が重要です。ペルソナ設定やカスタマージャーニーマッピングなどを行うことで、ユーザーがどのようなニーズ課題をどんな時に抱えているかを理解していきます。

2. ユーザーの求める価値を体験に落とし込む

洗い出したニーズや課題に対して、それらを満たす・解決するための体験を設計します。ここで OMO の考え方がポイントとなります。従来は、オンラインとオフラインの体験は切り分けて設計するのが当然でした。OMO の戦略では、両者を組み合わせることでどのような体験を新たに提供できるかを思索し、アイディアを膨らませます。
この時、オンライン・オフライン双方でどんな接点を設けられるか、各接点でどのようなデータが収集できるか、必要に応じてそれらを統合することでどのような価値を提供できるかを考慮することも重要な観点となります。

3. オンラインとオフラインをどうつなぎ施策に落とすか考える

次に、具体的な施策に落とし込みます。たとえば、オンライン・オフラインの購買データを統合することで、より高度に商品のリコメンドを実施したいケースを想定します。これを実現するためには「EC会員のAさんの購買データ」と「実店舗でのAさんの購買データ」が同一人物(同じAさん)であると紐づけなければなりません。このような時に検討できるのが、EC・実店舗でのポイントカードの統合です。ECサイト上の会員ID と実店舗のポイントカードID の紐づけを行うことが検討できます。ポイントカードはスマートフォン上のアプリでデジタル会員証として提供することで、この紐づけを実現できます。小規模店舗では、LINEミニアプリ(新しいタブで開きます)による低コストでのデジタル会員証発行も検討できるでしょう。このような取り組みにより、ECの購買データとPOSやレジの購買データを紐づけます。
これらを実現するためにはシステム面の対応が必要です。具体的には以下のようなシステム・ツールの導入が検討できます。

  • 顧客データをまとめて管理するデータベース
  • 顧客との関係性を管理する CRM(Customer Relationship Management)
  • 見込み顧客の管理や育成などを実現する MA(Marketing Automation)
  • 接点の獲得やオンライン・オフラインの紐づけを実現するスマートフォンアプリ・LINEミニアプリ

2で考案した顧客体験を具体的に実現するために必要なアセットやシステムの構成・接続を設計していきます。
この段階ではビジネスの企画を担当する部署だけでは検討が難しいケースも多くなるでしょう。自社の ECサイト・店舗の POSシステム・アプリの開発担当などシステムに詳しいメンバーを巻き込んだ議論と整理が必要です。

4. 設計したUXの改善方法を考える

サービスもプロダクトも作って終わりではありません。改善してよりユーザーに喜んでもらえるように PDCAサイクルをまわすことが重要です。
サービスの利用データや商品の購買データの分析、アンケートなどで取り組みを検証することを計画しておきましょう。サービスが本当にユーザーにとって良い体験を提供しているかを振り返り、改善を重ねていきましょう。

OMO戦略で顧客体験をひとつ上のステージへ進めましょう


この記事では、注目を集める OMO戦略についてご紹介しました。
スパイスファクトリーでは、OMO の戦略実践に必要な ECサイト構築やシステム連携開発、UXリサーチやアンケートの実施等取り組みの検証サポートも実施可能です。
「Form a Scrum:協力しながらチームで最大の成果を出すこと」を強みとし、お客様と伴走し最適な課題解決へ導きます。まだ具体的に構想が固まっていない、企画・検討段階からの考案サポートも承っておりますのでぜひお気軽にご相談ください。

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参考文献

藤井保文.「アフターデジタル2 UXと自由」.日経BP. 2020/7/29
日本経済新聞出版.「日経MOOK 店舗DX2022」.日経BP. 2022/2/18

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アジャイルなシステム開発、デザイン、ブランディング、マーケティングを得意とし、全方位から企業のDXを支援するスパイスファクトリー株式会社です。
ユーザーにとって使い慣れた LINEアプリ上で利用できることから、インストールの障壁が低い LINEミニアプリ。
スマホアプリをゼロから開発するのに比べ、コストをおさえた導入が可能な場合もあり、店舗ビジネスを中心に様々な用途で活用できます。一方で、スマホアプリと比較してまだ情報が少なく、LINEミニアプリの開発方法や機能などについて知りたいという方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、LINEミニアプリで実現できることや、LINEミニアプリを使った DX の推進方法について紹介します。

LINEミニアプリ(LINE mini app)とは

LINEミニアプリとは
LINEミニアプリとは LINE 社が提供するサービスのひとつで、LINE 内で店舗や企業のアプリを個別に提供できる仕組みのことです。
LINE のユーザー数は2022年6月末時点で月間9,200万人※であり、多くの方はスマートフォンの中に LINEアプリをインストールしている状況にあります。

一般に普及している LINE のプラットフォームを利用することで、自社や自店舗のアプリを多くのユーザーに届けやすくなるというメリットがあります。

LINE アプリは、メッセンジャー機能をはじめとして決済やショッピング、証券など複数の機能を統合したアプリです。このようなアプリのことをスーパーアプリと呼びます。
ミニアプリはスーパーアプリの中の1つの機能としてアプリケーションを提供することができるもので、LINEミニアプリはスーパーアプリである LINE アプリの中で動くWEBアプリの位置づけです。
スーパーアプリやミニアプリについては以下の記事で詳しく解説していますのでよろしければ参照ください。
スーパーアプリ・ミニアプリとは?企業が活用するメリット・最新事例をご紹介(新しいタブで開きます)

※参考:ユーザー数はLINE社「LINEBusiness Guide」2022年10月~2023年3月期版より

LINEミニアプリの機能

LINEミニアプリを導入することで、店舗向けを中心とした以下のようなサービスを提供できます。

    • デジタル会員証
      店舗や施設の会員証を LINEミニアプリ上で発行。店頭オペレーションの効率化やリピーター獲得施策などに活用できる。また、ポイントシステムの提供も可能。

 

    • デジタルクーポン
      利用者に対して LINEミニアプリ上でクーポンを発行することで、来店促進などのマーケティング活動に利用できる。

 

    • モバイルオーダー・テーブルオーダー
      店舗外や店舗内からオーダーを受け付け、同時に決済処理も実施。店舗オペレーションの効率化につなげる。

 

    • テイクアウト・デリバリー
      テイクアウトやデリバリーの注文や決済機能を提供。ユーザーの待ち時間の削減にも効果がある。

 

    • 順番待ち受付
      混雑時、LINEミニアプリから順番待ちを登録できるようにすることで、ユーザーの利便性提供とともにオペレーションの効率化を行う。

 

    • 来店予約
      美容室や飲食店などにおいて、来店予約を行う機能を LINEミニアプリ上で実現できる。

 

    • 商品カタログ
      自社の商品カタログを LINEミニアプリ上で提供。購買の促進につなげる。

 

LINEミニアプリでできること・解決できる課題

LINEミニアプリ できること
前述の通り、多くの機能を実装できる LINEミニアプリですが、導入することによりビジネスでどのような成果を得られるのでしょうか。
以下では、LINEミニアプリにより実現できることや、解決できる課題など、得られるメリットについて紹介します。

店内の混雑解消

LINEミニアプリにより来店予約や順番待ち受付を実現することで、店舗内でお客さまに待っていただく必要がなくなります。
これにより、お客さまへの利便性を提供し、店舗の混雑により待ち時間を嫌がったお客さまが離脱してしまうという課題の解決が見込めます。

フロアスタッフの業務負担軽減

LINEミニアプリでテーブルオーダーを実現することで、注文の聞き取りを効率化。聞き間違いによる注文のミスも減らせます。
また、来店予約や順番待ち受付を LINEミニアプリで提供すれば、電話予約対応業務も不要に。

店舗でのお客さまの整理や呼び出し業務も不要となるため、店舗オペレーションの効率化という観点でも効果的です。

ユーザーとのコミュニケーション実現

LINEミニアプリでは、LINEの登録情報を利用してデジタル会員証を作成できます。
これにより、会員証の作成時にもお客さまの手間を減らすことができます。

デジタル会員証を導線に、店舗に訪れたユーザーに ECサービスへの誘導を行うことも可能になります。反対に、ECユーザーには家の近くに実店舗が存在することをお知らせし、クーポンなどを配布することで実店舗に誘導することもできます。このように、オンラインとオフラインを融合して顧客へ新たな体験を提供する、いわゆる OMO(Online Merges with Offline)(新しいタブで開きます)施策としても活用可能です。

リピート率の向上と新規顧客の発掘

デジタル会員証やクーポンの配布などにより、リピート率の向上につなげることもできます。さらに、LINEミニアプリでは上述した OMO の視点により、実店舗で商品を購入したお客さまを ECへ誘導しリピーター化したり、その反対に EC から入ったお客さまを実店舗に誘導したりするようなことも期待できます。オンラインとオフラインの垣根を越えたシームレスな体験を実現可能です。
一般的に実店舗はオンライン上と比較して内装や照明、音響などでブランドイメージを伝えやすいため、顧客のロイヤルカスタマー化などを見据えた取り組みにつなげることも可能でしょう。
また、LINEミニアプリの「インストールしやすい(新規のアプリダウンロードが不要)」という特徴は、新規顧客の獲得にもつながるでしょう。

スマホアプリとの比較

BtoCビジネスにおいて顧客との接点を確保し、様々な取り組みを実施する場合の選択肢としてまず思いつくのはスマホアプリの導入ではないでしょうか。スマートフォンアプリと LINEミニアプリを比較した場合、どのような違いがあるか、以下で解説します。

    • コスト・開発期間
      上述した通り、LINEミニアプリの大きなメリットとして開発工数の削減ができる場合があることが挙げられます。プラットフォームとしてよく使われる機能はパッケージで提供されているものもあるため、パッケージの利用であれば個別で開発する必要がありません。結果として、開発にかかるコストや開発期間をおさえることができるのです。一方で、個別開発と呼ばれるパッケージを使用せずに一から LINEミニアプリを開発し、導入する方法も存在します。この場合、実装したい機能要件にもよりますが WEBサービスを開発するのと同程度の費用と期間が発生します。

 

    • 機能
      機能面の自由度はスマホアプリに軍配が上がります。LINEミニアプリでは機能がプラットフォーム(LINE)に依存するため、たとえばヘッダーの UI は自動生成されたものがベースとなるなど、一部で制約があります。ただし、LINEミニアプリは HTML5 のほぼすべての仕様をサポートしているため、一般的な Webアプリの機能であれば LINEミニアプリでも実装できる場合がほとんどです。

 

    • ユーザーのアプリ導入障壁
      ユーザーがアプリを利用する際の障壁の低さは、LINEミニアプリの大きなメリットです。LINEミニアプリのユーザーはアプリを利用し始める際に、個別にアプリストアなどからダウンロードしインストールする必要がありません。(LINE アプリがインストールされていることが前提)また、多くのサービスの利用開始時に求められる名前や連絡先などの入力においても、「LINE Profile+」機能により、LINE に登録されている情報を流用できるというメリットがあります。

 

  • プラットフォーム依存リスク
    LINEミニアプリ、スマホアプリいずれにおいても注意しなければならないのが、プラットフォームへ依存することにより発生するリスクです。プラットフォーム提供者の都合により、仕様の変更や機能のアップデートが行われるため、これらに都度対応していく必要があります。

ここまでの内容を整理すると、下表のようになります。

LINEミニアプリ スマホアプリ 比較表

表で整理したとおり、ユーザーにとっては手軽に、かつ事業者にとっては比較的低コストから導入できるのが LINEミニアプリのメリットといえるでしょう。一方で、様々な独自機能を柔軟に構築したい場合は通常のスマホアプリとしての開発も検討できます。当社では、アプリ開発フレームワーク Flutter を活用したスマホアプリ開発を得意としておりますので、もしご興味があればこちらのリンクから詳細をご覧ください。

アジャイル開発に関するページ(新しいタブで開きます)

LINEミニアプリを使った事例

以下では、LINEミニアプリを活用した主な事例を紹介します。

東急株式会社

出典:これまでのビジネスモデルをLINEで変革する、東急のDX戦略とは

東急株式会社では、コロナ禍による通勤需要の減少を乗り越えるべく、DX を推進しています。その中で、LINEミニアプリを活用した取り組みを実施。通勤定期利用者を対象とした新しい働き方を支援するサービスや、渋谷の各店舗で利用できるモバイルオーダーシステムを提供しています。また、LINEミニアプリを通して様々な行動データを収集することで、新たな取り組みへの活用も進めています。

引用・参照:LINEミニアプリ公式の事例ページ

株式会社カネボウ化粧品

出典:メッセージ開封率がネイティブアプリ運用時の2倍に伸長! カネボウ化粧品のLINEミニアプリ活用

大手化粧品会社であるカネボウでは、ユーザーとのオンラインコミュニケーションを強化すべく LINEミニアプリを導入。ブランドごとにアプリを提供することで、ブランドや商品の世界観を共有しています。
各ブランドアプリの大きな特徴は、メッセージ開封率の高さです。高いもので70%の開封率を実現しており、同社が別途提供しているスマホアプリと比較して約2倍の効果があるとのことです。

引用・参照:LINEミニアプリ公式の事例ページ(新しいタブで開きます)

三井住友カード株式会社

出典:金融業界初!会員サービス「Vpass」のID連携数を5倍に伸長させた三井住友カードのLINEミニアプリ活用

三井住友カードではスマホアプリ「Vpass」を通してユーザーとのコミュニケーションを図っていますが、ライトユーザー向けにアプリのダウンロードや都度のログインが不要となるLINEミニアプリも併せて活用。わずか4か月という短期間で開発されたアプリにより、LINE公式アカウントとVpass IDとの連携数は従来の5倍となるなど、高い効果を挙げています。

引用・参照:LINEミニアプリ公式の事例ページ

これらの事例からも明らかなとおり、LINEミニアプリには「開発期間の短縮」「ライトなユーザーにもアプローチしやすい」「メッセージ開封率が高くコミュニケーションツールとして利用しやすい」といった特徴があるといえます。

LINEミニアプリの導入方法

LINEミニアプリを導入する方法には、大きく「パッケージプラン」と「個別開発」の2つの方法から選択することになります。以下では、それぞれの概要と特徴について紹介します。

パッケージプラン

パッケージプランでは、あらかじめ用意されたパッケージを利用することで、開発を行わない、もしくは最低限のカスタマイズで LINEミニアプリを利用することができます。
パッケージを提供している会社に個別に問い合わせをし、導入を進めることになります。
実現できる機能や利用金額にはバラつきがあるため、自社の実現したい要件を満たせるパッケージプランがあるか、まずは確認してみることをおすすめします。
利用できるパッケージと提供会社については、以下のリンクにまとまっていますのでご確認ください。

LINEミニアプリ 認定パッケージ一覧(新しいタブで開きます)

個別開発

パッケージの活用が難しい場合は、個別開発を実施することになります。上述の通り機能面での制約はありますが、Webアプリケーションとして作成できる一般的な機能であれば、大抵は実装できます。
LINEミニアプリの開発においては、POS や顧客管理データベースなど既存システムと連携するケースも多くなります。これらの連携機能は個々に開発が必要です。また、LINE ID によるシングルサインオン機能を構築する場合も、個別開発が必要となります。
LINEミニアプリの開発においては、LIFF(LINE Front-end Framework)と呼ばれるフレームワークを利用します。
委託先を選定する際には、LIFF の知見有無についても確認してみてください。

LINEミニアプリの導入にかかる費用と期間

LINEミニアプリ 導入方法
以下では、LINEミニアプリの導入にかかる一般的な費用と期間をご紹介します。

導入にかかる費用

パッケージでアプリを導入する場合、基本的には初期費用と月額料金を支払うことになります。価格は無料で始められるものから 100万円程度の初期費用がかかるものまで様々ですが、初期費用が数万円、月額費用が1万円以内程度の製品が多い印象です。
具体的な金額については、製品によって異なりますので以下のリンクから確認してみてください。

LINEミニアプリ 認定パッケージ一覧(新しいタブで開きます)

一方で個別開発を行う際には、費用は都度見積となります。
規模にもよりますが、一般的な WEBサービスの開発費用と大きな乖離はないといえるでしょう。
あくまで参考ですが、当社でお受けする依頼では、数百万程度から1,000万円程度のケースが多く見受けられます。

導入にかかる期間

パッケージの場合、開発作業が不要となるため導入期間は短くなります。スピーディな導入を実現できるでしょう。
個別開発の場合、開発規模によるため一概には言えませんが、当社の事例では要件定義から一般公開まで半年程度で開発を行った実績がございます。

LINE・LINEミニアプリを使ったDXの実現

LINEミニアプリに多くのメリットがあることは前述の通りですが、当社では LINEミニアプリの活用は、企業の DX(デジタル・トランスフォーメーション)の実現にも有効であると考えています。
この記事の最後に、当社が LINE や LINEミニアプリを利用することで実現できると考えるビジネスの可能性についてご紹介します。

オンライン・オフライン両方でデータを取得する

LINEミニアプリを活用した DX 施策においては、LINE の強みを活かせる点がメリットです。LINE という社会に普及したプラットフォームを利用することで、スマホアプリでは顧客接点を作るために最も大きな障壁といっても過言ではないダウンロードのハードルを下げられるため、強固な顧客接点を比較的容易に作れます。また、LINE は企業や店舗から送ったメッセージの開封率が高いという特徴があります。
メッセージチャネルとして定番のメールマガジンの開封率は業界にもよりますが、一般的に15%~25%程度といわれています。一方で LINE の場合は70%近い人(69.9%)が「企業からのメッセージを読んだ」※と回答しています。同じメッセージ内容やタイミング等の条件を揃えての検証結果ではありませんので、単純な数値の比較はできませんが、企業からのメッセージがしっかりと届くチャネルであることは間違いないといえるでしょう。
※出典:LINE Business LINE Guide株式会社マーケティングソリューションカンパニー2021年1~6月期版(Summary)(新しいタブで開きます)
調査機関:マクロミル社・インターネット調査(2021年1月実施/全国15~69歳のLINEユーザーを対象サンプル数2,060)

加えて、オンライン・オフラインどちらの接点も作れることも重要です。
特に実店舗を構えるような、小売・飲食・医療などの業種においては、デジタルの力で顧客体験を高めていくためにオンライン・オフラインでユーザーに垣根を感じさせないアプローチが必要となります。
その実現ためのキモといえるのがデータ活用です。オンラインのデータは EC や WEBサイト上でも比較的取得しやすいのですが、リアル店舗などオフラインでの行動データを取得・活用することは難易度が高く、まだまだ進んでいない企業が多いのが現状です。しかし、LINEミニアプリによりデジタル会員証やポイントサービスなどを導入することで、ユーザーに紐づく来店履歴や購買履歴、興味関心などオフラインでの情報もデジタルデータとして収集できます。

取得したデータを統合し、マーケティングや顧客満足度向上に活かす

LINEミニアプリを通じて取得できるオフラインの情報とオンラインで取得した情報を組み合わせることにより、ターゲティングやセグメント分けを行い、効果的なマーケティング施策の実施やロイヤルカスタマー育成につなげられます。たとえば、来店回数が一定以上の顧客にシークレットセールの告知を送信する、店舗の創業記念日に該当の店舗に来店実績のある顧客に対して ECサイトで使える特別なクーポンコードを LINE で送るといった活用が考えられます。
また、HubSpot(新しいタブで開きます) に代表されるような CRM・MAツールと LINE を連携させれば、上記のようなメッセージ送信を条件に合致したタイミングで送るように自動化することも可能です。
参考記事:HubSpotとLINEの連携でできることとは?メリットや連携方法について解説(新しいタブで開きます)

近年ではカスタマーサクセスとして顧客の成功に貢献する取り組みも重要視されていますが、利用・閲覧頻度の高い LINE のメッセージング機能を利用した手厚い顧客サポートや、特定の商品を購入した顧客に一定のタイミングで商品の使い方を案内する取り組みのように、いわゆる「ハイタッチ」や「テックタッチ」のアプローチも実現できるでしょう。
このように、LINE というプラットフォームを活用し、リアル・デジタル両面での接点の構築とデータの活用をすることで DX の実現を目指せます。
当社、スパイスファクトリーでは LINEミニアプリの開発はもちろん、LINEミニアプリや LINE を使った DX 実現の伴走支援も行っておりますので、お気軽にご相談ください。
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LINEミニアプリ開発のご相談はどうぞお気軽に

LINEミニアプリ DX実現
この記事では、LINEミニアプリの概要や導入効果、LINEミニアプリによる DX の実現可能性などについてご紹介しました。DX 実現のための手段として LINEミニアプリを利用するイメージはつきましたでしょうか?
当社、スパイスファクトリーではコアバリューとして「Form a Scrum」を掲げており、エンジニア・デザイナー・マーケター・ブランディングなど様々なスキルを持ったメンバーがチームで成果をあげられることを強みとしています。単なる外注先にとどまらず、お客さまと伴走し、ビジネスを成功させるための最適な課題解決へとつながるように支援を行います。
LINEミニアプリとスマホアプリ、どちらが自社に適しているのか悩まれている方は、検討段階からサポートを承っておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。

他には以下の記事も良く見られています。

https://spice-factory.co.jp/web-marketing/why-dx-will-fail/

https://spice-factory.co.jp/hubspot/crm_function/

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スパイスファクトリー× UI/UXデザインのサービスを見る
大きなコストが必要となる業務システム・基幹システムのリニューアルは難しい意思決定となります。結果として長期間リニューアルせずに既存システムを利用しており、管理画面のデザインが古く使いづらい、最低限の機能しかなく動作に制限がある、画面や導線が複雑になっている、といった課題を抱える企業は多いようです。
今回は、そのような課題を抱えた担当者様に向け、管理画面のデザインを改善する適切なタイミング、正しい改善の進め方、押さえておくべきポイントについて解説します。

業務システムの UI/UX に関するよくある課題

デザイン UI UX 管理画面 改善
比較的長期間利用されることの多い業務システムにおいては、操作性やデザイン性などの UI/UX 面において様々な課題が発生します。具体的には、どのような課題が発生しやすいのでしょうか。

デザインが古めかしい

リリースして 5年、10年以上と期間が経過しているシステムにおいては、デザインが古くなっており操作性が悪いケースが散見されます。使っていて漠然とレガシーな印象を感じる場合は、改善が必要です。

最低限の機能しか備わっていない

システムに最小限の機能しかないことから、Excel などを併用して業務を運用しているケースもよくみられます。このような場合、運用性が悪く業務の負荷が高まります。会社規模の拡大や業務の変化にシステムが対応できていない場合によくあるパターンです。

度重なる機能追加により画面や導線が煩雑に

反対に、徐々に機能が追加されていき画面デザインなどが最適化されていない場合も。それぞれの改修においては操作性を考慮してきたものの、結果的に全体として使いにくいシステムとなっていることもよくあります。

使いやすさが十分に考慮されていない

過去、業務システムにおいては機能性が重視され、操作性に関する要件は最小限となっているケースがよくありました。直感的に使えないため十分な教育が必要となり、熟練社員の退社とともにノウハウが失われてしまい、業務効率が下がってしまった経験のある方も多いのではないでしょうか。

利便性を高めるデザイン改善、正しいステップとは

 利便性を高めるデザイン改善、正しいステップとは
上述のような課題を解決し、業務システムの管理画面をより良いデザインへと改善するには、どのような進め方が望ましいのでしょうか。ここでは、業務システムのデザイン改善における一般的なステップをお伝えします。

ユーザーの利用環境、課題の明確化

デザイン改善は、ユーザーの利用環境や課題を知ることから始まります。システムによっては、ユーザーの利用環境が特殊であったり、何かしらの制限があったりすることも。前提条件として利用環境を押さえておくことは重要です。
行動観察・ユーザーインタビューなどの調査方法を通し、ユーザーが抱えている課題や不満などを把握することもひとつでしょう。

取り組みの最初にユーザーについて良く理解することで、取り組み全体の質が向上し、結果的に全体工数の削減も期待できます。

指標・KPI の設定

継続的な改善をしていくためには評価指標を設定することが重要です。指標を定義することで、取り組みの成果を定量的に振り返ることができ、PDCA の質を上げることができます。
たとえば、管理画面のデザイン改善においては、タスクの処理時間やエラー発生率などを指標とするとよいでしょう。また、ヒアリングによりユーザーが体感した操作性や満足度などを活用することも一案です。

改善案の検討

定義した指標の値を改善するためにはどのようにシステムを改善すればよいか、ユーザーの利用環境や課題を念頭に検討します。
ボタンの配置を見直すべきか、表示項目を最適化すべきか、機能を追加すべきかなど、様々な選択肢から有効な手段を精査します。

プロトタイプによるアイデア具現化

いわゆるプロトタイピングにより、時間やコストをできるだけかけずにアイデアを形にし、早期にテストできるようにします。
ユーザーのフィードバックを受けながら継続的な開発を行っていけるように、拡張性を意識した設計を行うことがポイントです。

プロトタイプを用いたユーザビリティテスト

ユーザビリティテストとして、プロトタイプを実際にユーザーに利用してもらいます。テストを通して、上述した評価指標に基づき改善効果を把握します。一方で、十分な効果が得られていないようであれば、テスト結果に基づき再度改善案を検討します。

継続的な取り組み

これらの流れは一度実施したら終わりではありません。何回もサイクルを回していくことが重要です。ユーザビリティテストにより発見された課題に対応できるよう、改善案の検討とプロトタイピングを実施します。もう一度ユーザビリティテストを行い、課題が改善されたかをチェックします。
このような流れを繰り返すことで、優れた UI/UX を持つシステムを作り上げることができます。

デザイン改善において押さえるべきポイント

デザイン UI UX 管理画面 改善
業務システムの管理画面デザインの改善を行うにあたり、押さえておくべき重要なポイントをご紹介します。

現状の課題を正しく把握する

現状のシステムが抱えている課題を可能な限り洗い出すことで、改善の種を探すことができます。
たとえば、システムの利用者から意見をもらうのもひとつです。ユーザーインタビューやアンケート調査などを実施することで、課題が明らかとなります。
このとき気を付けなければならないのが、特定の声の大きいユーザーに引っ張られてしまわないようにすることです。平均的なユーザー像を念頭に置き、課題を平等に扱うことが多くのユーザーを満足させるためのポイントです。

繰り返しとなりますが、ユーザーの理解がデザイン改善の肝です。これらの作業をベンダーに依頼する場合は、ユーザーインタビューや行動観察などを実施するノウハウが蓄積されているか、実績や面談などを通してチェックしてみてください。

小さく始め、やり直せるように進める

検討した改善策は、必ずしも効果があるとは限りません。実際にシステムを改修してみたら「前の方がよかった」という声が挙がることはよくあります。特に、多くのユーザーが利用する業務システムにおいては、デザイン変更の影響は大きくなりがちです。

デザインの良し悪しは、実際に見て触ってみるまで分かりにくいという特徴があります。そのため、上述したとおりプロトタイプの構築により、まずは改善策を具体化できる物を作り、テストを通して効果や課題を確認することが重要です。

小さく始め、仮説の検証を繰り返しながら必要に応じて機能を追加。一歩ずつ成長させていき、併せて柔軟な対応ができるように進めます。

発注側・受注側で協力体制をとる

UI/UXデザインの改善においては、可能な限り依頼側とベンダー側がワンチームとなるべきです。その理由として、デザイン改善においては実際のユーザーの声が重要であることが挙げられます。
業務システムのデザイン改善は、業務をより良く進められるように実施するものです。ベンダーに丸投げしてしまうと、実際の業務ニーズに合った改善は難しいといえます。たとえばワークショップ形式の MTG を開催し、その場でデザインを作成しながら全員で考える機会を設けることで、より効果の高い改善が実現できるでしょう。

最近では、「ペアデザイン」と呼ばれる手法により、デザイナーがペアとなってデザインを実施する取り組みも注目されています。一般的なペアデザインは、デザイナー同士がペアとなる状態を指しますが、弊社ではクオリティを最大化させるために、デザイナーとエンジニア or クライアントがペアになり、両者の視点を取り入れながらプロダクトを製作しています。
詳しくは以下の記事をご参照ください。

https://spice-factory.co.jp/design/pairing_design_engineering-designer/

加えて、実際のユーザーも含めてデザインを実施することで、業務ニーズや具体的な利用シーンなどを踏まえたデザインを実現することもできます。

業務システム管理画面の UI/UX デザイン改善により、利便性を向上させよう

デザイン UI UX 管理画面 改善
以上、業務システムの管理画面のデザインを改善する際の正しい進め方、押さえるべきポイントについて解説しました。
デザイン改善は正しいステップで、かつポイントを押さえて進めることが重要です。ノウハウのない状態で取り組むと、かえって操作性が悪化するなど、逆効果になることも。経験豊富なプロに依頼することをおすすめします。
弊社では、UIデザイナー、UXデザイナー、エンジニアによる本質的なデザイン改善、開発を強みとしています。業務システムの操作性に悩まれている方は、ぜひお気軽にお問い合わせ(新しいタブで開きます)下さい。
弊社の関連サービスに関しましては以下URL からご確認いただけます。
スパイスファクトリー× UI/UXデザインのサービスを見る

https://spice-factory.co.jp/service/uiuxgrowth/

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アジャイルなシステム開発、デザイン、ブランディング、マーケティングを得意とし、全方位から企業のDXを支援するスパイスファクトリー株式会社です。

  • 基幹業務システムが使いづらく、作業に手間がかかる
  • サービスを展開しているが、離脱率やアクティブ率に課題を感じている
  • Webサイトのパフォーマンスが低く、お問い合わせや申込みなどのCVが伸び悩んでいる

上記のようなお悩みを抱える企業は少なくありません。
このような問題を解決するためにはUI/UXデザインの観点から分析し、改善を検討・実施する必要があります。

この記事では、なぜデザインが重要なのか、どのタイミングでUI/UXデザイン改善が必要になるのか、具体的にどのような改善方法があるのか等をお伝えしていきます。

※ UIデザインとはユーザーとサービス・プロダクトの接点となるインターフェースの設計のことを、UXデザインはユーザーがサービス等を通じて得られる体験の設計のことを指します。

なぜ今“デザイン”が重要なのか

「デザイン」と聞くと頭に何が思い浮かびますか?

多くの人は、「綺麗な色使い」や「イケてるレイアウト」などが頭に浮かぶかもしれませんが、実はこれらはデザインのほんの一部分に過ぎません。

デザインは英語で「設計」。解決すべき課題と新たに創出する価値を定義した上で、ユーザーに適切に伝えるプロセスそのものを「デザイン」といいます。

つまり、デザインは「ユーザーとサービス(システム・アプリなど)を繋ぐコミュニケーション」であり、表層的な見た目を整えることは、作り手の意図を伝えるための手段の一つに過ぎないのです。

どれだけビジュアル面で美しくても、開発された機能が素晴らしくても、作り手が熱い想いを抱いていたとしても、届けるべき相手(ユーザー)に価値を伝えられなくては意味がありません。

そして、サービス作りにおいて本質的なデザインを重視することはもはや常識。
InVisionが提供しているThe New Design Frontierによると、65%以上の企業が世界的に開発や経営に対して積極的にデザイン的思考を活用しているそうです。
日本国内においても、成長企業はデザイン思考の実践に積極的であるというデータが公表されています。
さらに、経産省・特許庁は日本企業の産業競争力を向上すべく、2018年より「デザイン経営」を推進。デザインを重視した経営の実践を呼びかけているのです。

デザインの意義は見た目の調整だけではなく、自社のサービスの課題を解決し、ユーザーにサービスの価値・本質を伝え、使い続けてもらうための重要なプロセスといえるでしょう。

本記事では、サービス改善に主に関わってくる「UI/UXデザイン改善」に焦点を当てて解説します。

UI/UX改善が必要となるケース

デザインが世間的に重視されているとはいえ、「自社の課題が本当にデザインで解決できるの?」と疑問に思われる方もいるでしょう。
そこでUI/UX改善が必要な「あるある」ケースについて、サービスの種類ごとにご紹介していきます。

UI/UX 改善 アプリ 業務管理システム

業務システムの場合

業務を効率よく遂行する上で欠かせない業務システム。
毎日多くの社員が利用しますが、「使えればいい」という理由で、ユーザーの利便性は無視されることが多々あります。
中には、システムのリプレイス(入れ替え)の煩雑さを理由に、古い業務システムを長年使っているような企業も……。

その結果、以下のような問題が発生するケースが考えられます。

  • 業務システムの操作性が悪いため、ミスが発生しやすい
  • 管理や作業に人的コストがかかる
  • 必要最低限のデフォルト機能しか存在しないため、システムのみでは対応できない範囲が発生し、結果人力で行うコストがかかる
  • 業務システムが古いことによる情報セキュリティ上の漏洩リスク

業務システムの改修を図る場合、機能やオペレーション改善だけではなく、UI/UX視点でのデザイン変更を行いましょう。
ユーザー視点での使いやすさを考えた設計に変えることで、作業効率が上がり、結果人的コストの削減に繋がります。

アプリの場合

アプリサービスを展開している企業でよくあるお悩みとして、以下のようなケースが挙げられます。

  • App Store、Google Playストアなどでのユーザー評価が低い
  • インストール数は一定数あるが、MAUや離脱率の数値が悪い
  • 購買(コンバージョン)などのビジネス目標が達成されていない

これらも実は、ユーザー視点でのデザインになっていない点が要因の一つです。
iPhoneやAndroidなど、使いやすく設計されたデバイスの操作に慣れきったユーザーはUI/UXデザインにとても敏感。触っていて少しでもストレスがあるアプリは敬遠する傾向があります。

ユーザーに愛されるアプリを作るためには、ユーザーにとって使いやすいか、ユーザーの動きが想定された設計になっているかなど、UI/UXデザインの観点を持つことが重要です。

Webサイトの場合

自社のWebサイトといってもいろいろな種類があります。ここでは種類別によくあるお悩みをご紹介します。

  • コーポレートサイトのお悩み
    • 10年近く同じコーポレートサイトを使用しており、古い感じがする
  • ECサイトのお悩み
    • サイトの売上が上がらず、ビジネス目標が達成されない
  • LP(ランディングページ)のお悩み
    • コンバージョンが伸びない

これらの問題を解決するうえでも、UI/UXデザインの観点が欠かせません。
デザインにも流行り廃りがあるので、いつまでも古いデザイン手法が用いられているとユーザーや取引先、求職者に「考え方が古い企業なのかな?」とネガティブな印象を与えてしまいかねないので注意が必要です。

また、Googleは2020年5月に「ページエクスペリエンスシグナル」という指標を公式に導入しました。これは「検索エンジンではなく、ユーザーの利便性を最優先に考慮してページを作成する」という基本方針で、GoogleがWebサイトのUI/UXデザインを重視していることがわかります。
Googleからの評価が得られなければ、検索順位や流入は当然下がります。売上やコンバージョンの達成のためには、いまやマーケティング視点だけではなくUI/UXデザイン視点も必要なのです。

ここまで読んでくださった方は、UI/UXデザイン改善の必要性について十分理解していただけたのではないでしょうか。
ところが、いざ改善をしようとなったときにぶつかるのが「UI/UXデザイナー不足の壁」です。
UI/UXデザインを改善しようと試みても、以下のようなケースに直面することがあります。

  • UIUXの観点から業務システムを改善したいが自社にデザイナーがおらず、システムをブラッシュアップできる体制がない
  • 常駐のベンダーに依頼したが、思うような改善が見られなかった

UI/UXデザイナーは高い専門性だけでなく、問題の本質を見極める洞察力や他職種と連携するコミュニケーションスキル、プロジェクトを成功に導くためのプロジェクトマネジメントスキルが求められる職種。高まる需要に反して人材が不足しているのが現状です。
そこで、開発やUI/UXデザインの実績がある専門の会社を選定し依頼することをおすすめします。

必要な体制やリソース・知識がない状態で進めるのではなく、外部の専門家と連携して必要なプロジェクト体制を整えていきましょう。

UI/UX改善の流れ・方法

いよいよ本題のUI/UX改善を行うステップについてお伝えします。
UXデザイン改善をうたう企業は数多く存在しますが、玉石混交。正しいステップを知ることで、プロジェクトを成功に導ける企業の選定に活かしてください。
なお、目的や状況によって適切なプロセスや手法が変わるため、ここではもっともスタンダードな改善ステップを紹介します。

ヒアリング

まずはヒアリングを通してUI/UXデザイン改善プロジェクトの目的を確認。
事業目標、具体的な人物像(ペルソナ)、想定される利用文脈(ユースケース)など全体に関わる要件を整理していきます。

問題点の洗い出し・課題発見

現在のサービス・プロダクトの問題点を洗い出し、改善すべき課題を発見していきます。
代表的な手法として、ブレインストーミングや社内・顧客アンケート、フレームワークを使った分析、競合分析などがありますが、UI/UX改善ではより専門的な視点が必要になります。ここではUI/UX改善でよく用いられる2つの手法を紹介します。

専門家によるレビュー

対象サービスが本当に使いやすいのか、ユーザーにとって価値のある体験を提供できているのか? 現状を正しく認識するためには、専門的知識があり、かつ客観的にサービスを俯瞰できるUI/UXデザイナーのデザインレビューが必要です。
具体的には、ユーザーの立場でサービスを使ってみて、分かりづらい・使いづらい部分を洗い出してもらいます。

主観に偏らない判断をするため、認知心理学や人間工学の法則を活用したり、「ヒューリスティック評価」などの客観的評価を用いたユーザビリティ検査を用いたりすることもあります。

また、ユーザー体験を向上させる要因として、ページの表示スピード、導線設計、ライティングなども挙げられます。UI/UXデザイナーだけではなく、エンジニア・UXリサーチャー・マーケターなど様々な職種のメンバーの意見を集めることで問題点を幅広く洗い出せます。
改善効果を上げるためにも、各スペシャリストの知見を活かして全体最適できる体制づくりが望ましいといえるでしょう。

ユーザーインタビュー

ユーザーの本質的なニーズを知るうえで効果的な手法として、ユーザーインタビューが挙げられます。ここでいうユーザーとは、実際のユーザー自身かペルソナに近い人物のことを指します。
注意点は、形式的に話を聞くだけでは、ユーザーの個人的な不満や要望を聞く場になってしまうことです。個人の不満を解消して一件でも多く売上を伸ばしたい・解約阻止に繋げたい、と思ってしまいますが、ユーザー自身も気づいていない潜在的ニーズを引き出すことがユーザーインタビューの意義です。
前述の「専門家によるレビュー」と掛け合わせて、定量・定性の両面から課題を洗い出しましょう。

ユーザーインタビューの事前準備で行うことは以下です。

  • 目的の設定
  • リクルーティング・日程調整
  • インタビュー手法・流れの決定
  • 役割分担

リクルーティングする際は、インタビューの目的に基づいて対象者と人数を検討しましょう。
対象者を絞り込むため、必要に応じてアンケートを実施します。謝礼の準備も忘れずに。

対象者が決まったら、インタビュー手法や結果の活用方法などの大枠を決めていきます。
インタビューの進め方としては、スクリプトを完璧に決めて行う「構造化インタビュー」や、基本アドリブで進める「非構造化インタビュー」、その中間の「半構造化インタビュー」などがあります。
ユーザーの本音を引き出すためには、自然に話を展開していくことが大事ですが、インタビューの目的によっては定量的な情報を得るほうが効果的な場合もあるでしょう。
インタビュー手法の詳細については以下の記事でも詳しく記載しています。

https://spice-factory.co.jp/design/usability-test

また、インタビュー参加者の役割分担も決めていきましょう。
インタビュアー側は、インタビュアー1人、議事録1人の2人体制が望ましいです。
インタビュアーにはUXの知見が豊富で、かつ分析スキルの高いUXリサーチャーをアサインしましょう。ユーザーを深く理解できるので、サービス・プロダクトの価値向上に繋がる調査が可能になります。

課題の整理/改善案の検討

レビューやインタビューで洗い出した課題を整理していきます。
実施する際はUIデザイナー・UXデザイナー・マーケター・エンジニアなど、専門知識を持つメンバーを集めたワークショップ形式での実施がおすすめです。

ワークショップでは課題の認識合わせや因果関係の整理を行います。
すべての課題を一挙に解決できることがもちろん理想ですが、予算やリソース、プロジェクト期間など現実的な条件も加味し、項目ごとの優先度もここで決めておきましょう。全体を俯瞰して幅広く課題を洗い出せている場合、予算やリソースを抑えて改善できるケースもあります。
作業量をなるべく正確に見積もるためにも、デザインや開発の工程を理解しているメンバーに声をかけましょう。

課題の整理が終わったところで、いよいよ改善案の検討に移ります。ただ議論をするだけではなく、その場で簡単なデザインや骨子(ワイヤーフレーム)に落とし込んでいきます。
改善案を見える化することで、ワークショップメンバー同士の認識齟齬を防ぐことができます。
また、日頃デザイン業務に携わっていないメンバーがプロトタイピングに参加したり、UI/UXデザイナーの手元を直接見たりすることは、デザイン思考の社内浸透にも効果的。

ワークショップの場で課題整理だけでなく改善案の検討までを一気に行うことで、スピーディーなUI/UX改善を実現できます。

実装

いよいよ改善案を実装していきます。UI/UXデザイナーからエンジニアにバトンが渡されることになりますが、実現可能性の検討が十分になされていないと、開発に膨大な工数がかかって納期が遅れてしまったり、最悪プロジェクトが頓挫してしまったりするケースもあります。
改善プロジェクトを行う際は、レビューなど初期のフェーズからエンジニアに参画してもらい、実装を考慮したUI/UX改善を心がけましょう。
エンジニアやデザイナーが密に連携することで、意思決定やプロジェクト全体のスピードを上げることができます。
詳しくは下記記事をご確認ください。

https://spice-factory.co.jp/design/pairing_design_engineering-designer

正しい手順でUI/UX改善を実行し、サービスの利便性・成果を向上させよう

サービス・プロダクトの課題を解決するための手法であるUI/UXデザイン改善についてお伝えしてきました。
UI/UX 改善 アプリ 業務管理システム
UI/UX改善に課題を感じる企業は多いですが、ただ見た目を改善するだけでは解決できないことがほとんど。リソースのない状態で進めるのではなく、ユーザーを深く理解できるUI/UXデザイナーの力を借りましょう。

サービスに関わるメンバーを巻き込んで、齟齬なくプロジェクトを進めることも重要です。
まずは、そもそもUI/UX改善自体が必要な状態なのか、専門の会社に診断してもらいましょう。

スパイスファクトリー株式会社には、UIデザイナー・UXデザイナー・ブランディングディレクター・エンジニア・マーケターなど、UI/UXデザイン改善に必要な知見を持った高度専門人材が在籍しています。貴社の課題を多角的にとらえ、スピーディーなUI/UXデザイン改善に向けたご支援が可能です。

些細なことでもぜひお気軽にお問い合わせ(新しいタブで開きます)下さい。
スパイスファクトリー× UI/UXデザインのサービスを見る

https://spice-factory.co.jp/service/uiuxgrowth/

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