CRMとは?機能一覧と主要5ツール比較【2026年版】選び方も解説
企業のビジネスと顧客満足度は切っても切り離せない関係です。
近年では顧客満足度を高めるための取り組みとして、顧客の感情や行動を意識した「顧客体験設計」が重要視されています。
それに伴い、CRM というキーワードは度々耳にするようになりましたが、CRM には具体的にどのようなメリットがあるのか、また自社で導入したところで効果が出るのかなど、具体的に導入後のイメージがつかないことから、CRM を導入すべきか判断できずにいる方も多いのではないでしょうか?
そのような方に向け、この記事では CRM の機能やメリット、ツールごとの比較など、CRM 導入の判断やツール選定の助けになる情報をお伝えします。
※この記事で紹介している機能の実現可否はツールやプランによって異なります。
まず、この記事の要点を1枚にまとめると次のとおりです。
| 項目 | 要点 |
|---|---|
| CRMとは | 顧客情報を一元管理し、営業・マーケティング・カスタマーサポートで活用するための仕組み(顧客管理システム) |
| 主要な機能 | 「顧客情報の統合・管理」「顧客情報の分析」「マーケティングの管理・運用」の3領域が基本 |
| 導入のメリット | 情報の一括管理による業務の改善・効率化と、個人単位のデータ活用によるLTV向上 |
| 代表的なツール | HubSpot、Salesforce、Synergy!、SATORI、ZOHO CRM など |
| SFA・MAとの違い | SFAは営業活動の管理、MAは見込み客の獲得・育成が主目的。CRMはその土台となる顧客データ基盤 |
| 選び方のポイント | 機能の多さではなく「自社のどの顧客接点を改善したいか」から必要な機能要件を決める |
CRMが実現する3つの機能

まずは、CRM により何ができるのかについて、どの CRM ツールにも基本的に採用されている 3つの基本機能を中心にお伝えしていきます。
- 顧客情報の統合・管理
- 顧客情報の分析
- マーケティングの管理・運用
顧客情報の統合・管理
CRM を用いることで、顧客の氏名や住所、メールアドレスといった顧客に関する詳細な情報を一括で管理することができます。
たとえば、顧客Aさんに関して、どの会社に属しているか、どのサービスに興味があるか、過去のセミナーに参加しているか、といった情報を確認するとします。その場合、顧客情報を格納している Excel や、問い合わせフォームの回答状況が確認できるスプレッドシート、さらに過去のセミナーの参加者リストを確認する必要があるかもしれません。
しかし、CRM を導入することで、顧客Aさんの情報がまとまっているひとつのページで、顧客Aさんに関するあらゆる情報を確認することができるようになるのです。
それらの情報は、基本的に自動で格納されるため、情報を入れ込むなどの手間もかかりません。
さらに、データは CRM の権限を持つメンバー同士で共有することができるため、社内の情報連携にかかる工数を大幅に削減することにもつながります。
顧客情報の分析
CRM の機能により、取得した顧客データから顧客の状況や行動を分析することができます。
多くのデータが顧客情報に紐づけて保管されるため、CRM 導入以前では解析できなかったデータを確認・活用することが可能となります。
定期的に確認が必要なデータは、CRM の機能として用いられているレポートやダッシュボードを作成しておくとよいでしょう。
データがリアルタイムで自動更新されるため、常に最新で正確な情報を把握することができる上、毎月レポートを作成しなおすなどの手間もなくなります。
これらの分析結果を基に営業やマーケティングなど、あらゆる業務の質を向上させることができます。
マーケティングの管理・運用
CRM で格納された顧客情報を使用してマーケティングを管理・運用することが可能です。
具体的には、特定の条件にマッチした顧客にメールを送信したり、フォーム回答後のアクションに基づいて顧客をスコアリングするなど、顧客の属性や行動パターンに応じてパーソナライズされたマーケティングを行うことが実現できます。
また、CRM の自動化機能を使えば、顧客のアクションに応じて自動で適切にアプローチできます。
たとえば、直近1か月以内に自社の事例ページを見た顧客のデータをトリガーとし、自動でヒアリング打診のメールを送付する、といったことが可能となります。
そのため、手動での作業を大幅に削減し、施策の効率化を図ることにつながります。
さらに、CRM から出力できるレポート機能を活用することは、分析の質やスピードを向上させ、高速で PDCA を回すことにも貢献します。
CRMの主要機能一覧【何ができるかを整理】
前章の3つの基本機能を、実際のツールに搭載されている機能単位でさらに分解すると、次のように整理できます。ツール比較や機能要件の整理の際のチェックリストとしてご活用ください。
| 機能 | できること | 主な活用場面 |
|---|---|---|
| 顧客情報管理(コンタクト管理) | 氏名・会社・連絡先・対応履歴などを顧客ごとに一元管理する | 営業・マーケティング・サポート間での顧客情報の共有 |
| 案件・商談管理(SFA領域) | 商談のステータスをパイプラインで可視化し、進捗や受注確度を管理する | 営業活動の抜け漏れ防止、売上予測 |
| 問い合わせ管理 | 問い合わせをチケット化し、対応状況・担当者を管理する | カスタマーサポートの品質・スピード改善 |
| メール配信・MA | セグメントに応じたメール配信やシナリオ配信を行う | 見込み客のナーチャリング、休眠顧客の掘り起こし |
| フォーム・ランディングページ作成 | 顧客情報の獲得接点となるフォームやページを作成し、回答を自動でCRMに蓄積する | リード獲得、セミナー・資料請求の受付 |
| スコアリング | 顧客の属性や行動に点数を付け、確度の高い見込み客を抽出する | 営業へ引き渡すリードの優先順位付け |
| レポート・ダッシュボード | 蓄積したデータをリアルタイムに集計・可視化する | 施策の効果測定、経営層への報告 |
| ワークフロー(自動化) | 条件に応じてメール送信・情報更新・通知などを自動実行する | 定型業務の削減、対応漏れの防止 |
| 外部ツール連携(API連携) | 基幹システムやチャットツールなど外部サービスとデータ連携する | 既存システムとの二重入力の解消 |
| 権限管理・セキュリティ | ユーザーやチームごとに閲覧・編集権限を設定する | 個人情報の保護、部署をまたいだ運用 |
※搭載されている機能や名称、実現できる範囲はツール・プランによって異なります。
CRM の導入で期待できるメリット
次に、CRM を導入することで期待できるメリットを 2つお伝えしていきます。
情報の一括管理による業務の改善・効率化
営業、マーケティング、カスタマーサービスなどで別のツールを利用していると、ツールごとにデータの種類や集計方法が異なるなど、どうしても情報を扱う際の手間がかかってしまいます。
一方で、顧客や会社情報、受注管理やカスタマーサポートなどに関する情報を CRM を中心としてひとつのツールに統合することは、データの確認・共有・活用に掛かる工数の大幅削減や情報の肥大化・複雑化の防止につながります。
また、ツールを一本化することで、マーケティング、営業、カスタマーサービスなどの部署間の情報の隔たりを超えて、顧客の一連のフローを把握できるようになるため、各業務の品質向上といった、業務の改善・効率化にもつながるでしょう。
個人単位のデータ活用による LTV向上
顧客の詳細なデータを活用して質の高いアクションを打つことは、顧客ロイヤリティを高め、結果的に LTV の向上に貢献します。
たとえば、過去のやり取りや問合せ内容を踏まえて商談の内容を検討したり、メルマガの開封状況に応じて顧客をスコアリングし、メールの出し分けを行うなどが想定されます。
これらは、顧客の満足度を高め継続的な関係性を構築することにつながります。
このように、質の高いパーソナライズなアクションが可能となることで、顧客の LTV向上が期待できます。
CRM ツールごとの違いを比較
次に、主要な CRMツールの概要とツールごとの違いを解説します。この記事では以下の 5つのツールについてご紹介していきます。
- HubSpot
- Salesforce
- Synergy!
- SATORI
- ZOHO CRM
まずは、下の比較表をご参照ください。

※上記比較は2022年10月時点でのデータです。
上の画像の比較は執筆当時のものです。2026年8月時点での各ツールの位置づけ・特徴を整理し直すと、次のようになります。
| ツール | 分類・タイプ | 特徴・強み | こんな企業に向いている |
|---|---|---|---|
| HubSpot | 海外製・オールインワン型CRMプラットフォーム | 無料のCRMを土台に、MA(Marketing Hub)やSFA(Sales Hub)などを同じUIで追加できる。無料プランあり(有料は840円/月/シート〜※) | 無料から始めて、営業・マーケティング・サポートへ段階的に活用を広げたい企業 |
| Salesforce | 海外製・統合CRMプラットフォーム | SFA(Sales Cloud)を中心に機能・カスタマイズ性が豊富で、大規模・複雑な要件に強い | 営業プロセスが複雑で、カスタマイズや他システム連携の要件が多い企業 |
| Synergy! | 国産・CRM/メッセージングツール | 顧客データベースとメール・LINE配信に強く、画面が使いやすい | 国産ツールの使いやすさを重視し、メール・LINE中心のCRM施策を行いたい企業 |
| SATORI | 国産・MA特化ツール | 実名化前の匿名見込み客へのアプローチ(アンノウンマーケティング)に強い | Webサイトへの集客はあるが、リード獲得・育成を強化したい企業 |
| ZOHO CRM | 海外製・CRM/SFAツール | 低価格から始められ、画面レイアウトなどのカスタマイズ性が高い。多言語対応 | コストを抑えてCRM/SFAを導入したい企業 |
※HubSpotの料金は2026年8月時点・年払い契約時の公式サイト掲載情報(税抜)です。各ツールの最新の料金・プランは、必ず各公式サイトをご確認ください。
次項では、各ツールの詳細についてお伝えしていきます。
HubSpot
HubSpotは、マーケティングからセールス、コンテンツ管理、カスタマーサービス、オペレーションまで、企業が収益を上げるために必要なあらゆる施策をサポートするプラットフォームです。世界の 120 を超える国と地域において、143,000社以上(※1)が導入しており、MAツールの分野では世界シェアNo.1(※2)を獲得しています。
HubSpot は、無料の CRM に MA や SFA といった専用のソフトウェアを組み合わせて利用するプラットフォームとなっています。インバウンドマーケティングの思想が根底にあるため、プッシュ型のマーケティングではなく、プル型のマーケティングを実践したいときにおすすめの製品です。
また、全ての機能が一貫した UI で設計されているため、営業担当者などの現場の方でも感覚的に利用できる点もメリットです。
なお、HubSpotには無料プランが存在します。お試しで無料プランを使用し、その後有料プランに切り替えることも可能であるため、比較的導入しやすい製品といえるでしょう。
※1 米Datanyze社の調査による
※2 2022年8月時点
HubSpotに関する詳細は以下の記事も参考にしてください。
HubSpot CRMの基本説明と具体的な機能活用例(新しいタブで開きます)
HubSpotの最新の料金プランについては、以下の記事で詳しく解説しています。
HubSpotの料金プラン比較【2026年版】無料版とStarter/Pro/Enterpriseの違い(新しいタブで開きます)
Salesforce
Salesforce は、米セールスフォース・ドットコム社が提供する統合 CRMプラットフォームです。CRM以外にもマーケティングや営業をはじめ、カスタマーサポートや Eコマース・アプリケーション構築など、幅広い部署が連携できる機能を備えており、各部署の情報を一元管理して共有できる点が特徴です。
中でも、SFA の機能を持つ「Sales Cloud」を中心にして使われるケースが多い製品です。Sales Cloud以外にも様々な機能が用意されているため、大企業から中小企業まで自社の状況に合わせて必要な機能のみをカスタムで導入することができます。
Salesforce の Sales Cloud は、最も基本的なプランで 3,000円/月から利用可能です。
Synergy!
Synergy! は集客から顧客情報管理、メッセージング、分析まで企業の CRM活動を一貫して対応できる国産の CRMツールです。ユーザーの利便性を徹底的に考慮しており、使いやすい画面デザインとなっていることが特徴です。
Synergy!には、データベースでの顧客情報の蓄積はもちろんのこと、フォームやアンケートでの顧客情報の収集機能、メール配信や LINE への配信などのマーケティング活動機能も備わっています。
データベースなどの基本機能は初期費用118,000円、月額15000円から利用可能です。
SATORI
SATORIは見込み顧客獲得に特化した国産のMAツールです。匿名の見込み客にもアプローチが可能であり、リードジェネレーションを効率的に行えるのが特徴です。リードとのコミュニケーション手法が豊富に用意されているため、リードの育成を効率的に行うことができます。
見込み顧客のアクセス情報分析によるコンテンツの出し分けや、フォーム・メール機能の活用などによって、リード育成のための施策を実施可能です。
SATORIの基本プランは初期費用300,000円、月額費用148,000円となっています。
ZOHO CRM
ZOHO CRM は、MA、SFAなどの機能を備える CRM です。
見込み顧客の獲得・管理はもちろん、マーケティング施策の実行や営業活動における受注、請求、領収書発行などの機能を持ちます。海外製のツールであるため多言語化されており、現在 28か国以上の言語に対応。豊富な機能から自社にあったものを選定して運用できます。また、画面レイアウトなども自社に合わせて柔軟にカスタマイズできる点も強みです。
ZOHO CRM の料金は最も基本的なスタンダードプランでユーザー1人につき月額1,680円から。15日間限定の無料トライアルも用意されています。
※各ツールの料金は執筆時点の情報を含みます。最新の料金・プランは各公式サイトをご確認ください。
CRMの機能要件はどう決める?導入支援の現場からのポイント
スパイスファクトリーは、CRM/MAの導入設計から運用定着までを支援するマーケティングDX支援を行っています。CRM導入プロジェクトで機能要件を整理する際、弊社の現場では次の点を重視しています。
- 機能一覧からではなく「どの顧客接点の業務を変えたいか」から逆算する(「多機能なツールを導入したのに、実際に使っているのは顧客リストとメール配信だけ」という状態は、現場でよく見かける失敗パターンです)
- 要件を「must(ないと業務が回らない)」と「want(あれば便利)」に分け、mustを最小限に絞る(mustが多いほどツールの選択肢が狭まり、費用も導入期間も膨らみます)
- 既存のExcel・スプレッドシート運用を棚卸ししてから項目設計する(実際に使われている項目は意外と少なく、全項目を移行対象にするとデータ移行と入力運用の両方が重くなります)
- 「誰が・いつ・何を入力するのか」を要件に含める(現場が入力しないCRMにはデータが貯まりません。フォーム連携やメール連携など、自動的に記録される範囲を広げられるかを重視しています)
- 初年度に使う機能を絞り、拡張はデータが貯まってから判断する(スモールスタートできるか、後から上位プランや周辺機能を追加できるかは、ツール選定の重要な評価軸です)
CRMに関するよくある質問(FAQ)
CRMとSFA・MAの違いは何ですか?
CRMは顧客情報を一元管理する仕組み全般を指し、SFA(営業支援システム)は商談・案件管理など営業活動の管理、MA(マーケティングオートメーション)は見込み客の獲得・育成の自動化が主目的です。近年はHubSpotやSalesforceのように、CRMを土台としてSFA・MAの機能を同じプラットフォームで提供するツールが主流になっており、境界はあいまいになりつつあります。
無料で使えるCRMはありますか?
あります。たとえば本記事で紹介したHubSpotには無料プランがあり、顧客情報の管理やフォーム作成などの基本機能を無料で利用できます。まず無料プランで顧客データの一元管理を始め、必要になった段階で有料プランを検討するとリスクを抑えられます。
ExcelやスプレッドシートでのCRM管理ではだめですか?
顧客数が少なく、担当者も限られているうちはExcelでも運用できます。ただし、対応履歴やメール開封などの行動データを顧客に紐づけて自動で蓄積すること、複数部署での同時利用、条件に応じた自動アプローチはExcelでは困難です。「更新が属人化してきた」「最新版がどれかわからない」と感じたら、CRMへの移行を検討するタイミングといえます。
CRM導入にかかる費用の目安はどのくらいですか?
費用は「ツール利用料(月額×ユーザー数)」に加えて、初期設定・データ移行・運用定着支援などの導入費用で構成されます。無料プランや月額数千円から始められるツールもあれば、要件が多い場合は月額数十万円規模になることもあり、幅の大きい領域です。ツール利用料の最新の金額は各公式サイトでご確認ください。
CRM導入の効果はどのくらいで実感できますか?
CRMは顧客データが蓄積されてはじめて分析や自動化に活用できるため、導入直後に劇的な効果が出るものではありません。弊社の支援の現場でも、まず入力・運用ルールの定着に取り組み、データ活用による改善は数か月単位の取り組みとして計画することをおすすめしています。
CRMツールを導入してさらなる事業の成長を

CRM の機能やメリット、ツールの違いについてお分かりいただけましたでしょうか。CRM導入を判断される際に、この記事がお役に立てれば幸いです。
当社では、記事中で紹介した CRMツール「HubSpot」の導入・運用やカスタマイズ開発支援を承っております。
詳しいサービス内容に関しては、当社のマーケティングDX支援サービスのページをご覧ください。
また、ご相談やお悩みなどございましたら、ぜひお問い合わせください。