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LINEミニアプリでできることは?導入・開発費用はどのくらい?事例とともに徹底解説

LINEミニアプリでできることは?導入・開発費用はどのくらい?事例とともに徹底解説

スパイスファクトリーのデジタルビジネス創造支援サービス

アジャイルなシステム開発、デザイン、ブランディング、マーケティングを得意とし、全方位から企業のDXを支援するスパイスファクトリー株式会社です。
ユーザーにとって使い慣れた LINEアプリ上で利用できることから、インストールの障壁が低い LINEミニアプリ。
スマホアプリをゼロから開発するのに比べ、コストをおさえた導入が可能な場合もあり、店舗ビジネスを中心に様々な用途で活用できます。一方で、スマホアプリと比較してまだ情報が少なく、LINEミニアプリの開発方法や機能などについて知りたいという方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、LINEミニアプリで実現できることや、LINEミニアプリを使った DX の推進方法について紹介します。

LINEミニアプリ(LINE mini app)とは

LINEミニアプリとは
LINEミニアプリとは LINE 社が提供するサービスのひとつで、LINE 内で店舗や企業のアプリを個別に提供できる仕組みのことです。
LINE のユーザー数は2022年6月末時点で月間9,200万人※であり、多くの方はスマートフォンの中に LINEアプリをインストールしている状況にあります。

一般に普及している LINE のプラットフォームを利用することで、自社や自店舗のアプリを多くのユーザーに届けやすくなるというメリットがあります。

LINE アプリは、メッセンジャー機能をはじめとして決済やショッピング、証券など複数の機能を統合したアプリです。このようなアプリのことをスーパーアプリと呼びます。
ミニアプリはスーパーアプリの中の1つの機能としてアプリケーションを提供することができるもので、LINEミニアプリはスーパーアプリである LINE アプリの中で動くWEBアプリの位置づけです。
スーパーアプリやミニアプリについては以下の記事で詳しく解説していますのでよろしければ参照ください。
スーパーアプリ・ミニアプリとは?企業が活用するメリット・最新事例をご紹介

※参考:ユーザー数はLINE社「LINEBusiness Guide」2022年10月~2023年3月期版より

LINEミニアプリの機能

LINEミニアプリを導入することで、店舗向けを中心とした以下のようなサービスを提供できます。

    • デジタル会員証
      店舗や施設の会員証を LINEミニアプリ上で発行。店頭オペレーションの効率化やリピーター獲得施策などに活用できる。また、ポイントシステムの提供も可能。

 

    • デジタルクーポン
      利用者に対して LINEミニアプリ上でクーポンを発行することで、来店促進などのマーケティング活動に利用できる。

 

    • モバイルオーダー・テーブルオーダー
      店舗外や店舗内からオーダーを受け付け、同時に決済処理も実施。店舗オペレーションの効率化につなげる。

 

    • テイクアウト・デリバリー
      テイクアウトやデリバリーの注文や決済機能を提供。ユーザーの待ち時間の削減にも効果がある。

 

    • 順番待ち受付
      混雑時、LINEミニアプリから順番待ちを登録できるようにすることで、ユーザーの利便性提供とともにオペレーションの効率化を行う。

 

    • 来店予約
      美容室や飲食店などにおいて、来店予約を行う機能を LINEミニアプリ上で実現できる。

 

    • 商品カタログ
      自社の商品カタログを LINEミニアプリ上で提供。購買の促進につなげる。

 

LINEミニアプリでできること・解決できる課題

LINEミニアプリ できること
前述の通り、多くの機能を実装できる LINEミニアプリですが、導入することによりビジネスでどのような成果を得られるのでしょうか。
以下では、LINEミニアプリにより実現できることや、解決できる課題など、得られるメリットについて紹介します。

店内の混雑解消

LINEミニアプリにより来店予約や順番待ち受付を実現することで、店舗内でお客さまに待っていただく必要がなくなります。
これにより、お客さまへの利便性を提供し、店舗の混雑により待ち時間を嫌がったお客さまが離脱してしまうという課題の解決が見込めます。

フロアスタッフの業務負担軽減

LINEミニアプリでテーブルオーダーを実現することで、注文の聞き取りを効率化。聞き間違いによる注文のミスも減らせます。
また、来店予約や順番待ち受付を LINEミニアプリで提供すれば、電話予約対応業務も不要に。

店舗でのお客さまの整理や呼び出し業務も不要となるため、店舗オペレーションの効率化という観点でも効果的です。

ユーザーとのコミュニケーション実現

LINEミニアプリでは、LINEの登録情報を利用してデジタル会員証を作成できます。
これにより、会員証の作成時にもお客さまの手間を減らすことができます。

デジタル会員証を導線に、店舗に訪れたユーザーに ECサービスへの誘導を行うことも可能になります。反対に、ECユーザーには家の近くに実店舗が存在することをお知らせし、クーポンなどを配布することで実店舗に誘導することもできます。このように、オンラインとオフラインを融合して顧客へ新たな体験を提供する、いわゆる OMO(Online Merges with Offline)施策としても活用可能です。

リピート率の向上と新規顧客の発掘

デジタル会員証やクーポンの配布などにより、リピート率の向上につなげることもできます。さらに、LINEミニアプリでは上述した OMO の視点により、実店舗で商品を購入したお客さまを ECへ誘導しリピーター化したり、その反対に EC から入ったお客さまを実店舗に誘導したりするようなことも期待できます。オンラインとオフラインの垣根を越えたシームレスな体験を実現可能です。
一般的に実店舗はオンライン上と比較して内装や照明、音響などでブランドイメージを伝えやすいため、顧客のロイヤルカスタマー化などを見据えた取り組みにつなげることも可能でしょう。
また、LINEミニアプリの「インストールしやすい(新規のアプリダウンロードが不要)」という特徴は、新規顧客の獲得にもつながるでしょう。

スマホアプリとの比較

BtoCビジネスにおいて顧客との接点を確保し、様々な取り組みを実施する場合の選択肢としてまず思いつくのはスマホアプリの導入ではないでしょうか。スマートフォンアプリと LINEミニアプリを比較した場合、どのような違いがあるか、以下で解説します。

    • コスト・開発期間
      上述した通り、LINEミニアプリの大きなメリットとして開発工数の削減ができる場合があることが挙げられます。プラットフォームとしてよく使われる機能はパッケージで提供されているものもあるため、パッケージの利用であれば個別で開発する必要がありません。結果として、開発にかかるコストや開発期間をおさえることができるのです。一方で、個別開発と呼ばれるパッケージを使用せずに一から LINEミニアプリを開発し、導入する方法も存在します。この場合、実装したい機能要件にもよりますが WEBサービスを開発するのと同程度の費用と期間が発生します。

 

    • 機能
      機能面の自由度はスマホアプリに軍配が上がります。LINEミニアプリでは機能がプラットフォーム(LINE)に依存するため、たとえばヘッダーの UI は自動生成されたものがベースとなるなど、一部で制約があります。ただし、LINEミニアプリは HTML5 のほぼすべての仕様をサポートしているため、一般的な Webアプリの機能であれば LINEミニアプリでも実装できる場合がほとんどです。

 

    • ユーザーのアプリ導入障壁
      ユーザーがアプリを利用する際の障壁の低さは、LINEミニアプリの大きなメリットです。LINEミニアプリのユーザーはアプリを利用し始める際に、個別にアプリストアなどからダウンロードしインストールする必要がありません。(LINE アプリがインストールされていることが前提)また、多くのサービスの利用開始時に求められる名前や連絡先などの入力においても、「LINE Profile+」機能により、LINE に登録されている情報を流用できるというメリットがあります。

 

  • プラットフォーム依存リスク
    LINEミニアプリ、スマホアプリいずれにおいても注意しなければならないのが、プラットフォームへ依存することにより発生するリスクです。プラットフォーム提供者の都合により、仕様の変更や機能のアップデートが行われるため、これらに都度対応していく必要があります。

ここまでの内容を整理すると、下表のようになります。

LINEミニアプリ スマホアプリ 比較表

表で整理したとおり、ユーザーにとっては手軽に、かつ事業者にとっては比較的低コストから導入できるのが LINEミニアプリのメリットといえるでしょう。一方で、様々な独自機能を柔軟に構築したい場合は通常のスマホアプリとしての開発も検討できます。当社では、アプリ開発フレームワーク Flutter を活用したスマホアプリ開発を得意としておりますので、もしご興味があればこちらのリンクから詳細をご覧ください。

アジャイル開発に関するページ

LINEミニアプリを使った事例

以下では、LINEミニアプリを活用した主な事例を紹介します。

東急株式会社

出典:これまでのビジネスモデルをLINEで変革する、東急のDX戦略とは

東急株式会社では、コロナ禍による通勤需要の減少を乗り越えるべく、DX を推進しています。その中で、LINEミニアプリを活用した取り組みを実施。通勤定期利用者を対象とした新しい働き方を支援するサービスや、渋谷の各店舗で利用できるモバイルオーダーシステムを提供しています。また、LINEミニアプリを通して様々な行動データを収集することで、新たな取り組みへの活用も進めています。

引用・参照:LINEミニアプリ公式の事例ページ

株式会社カネボウ化粧品

出典:メッセージ開封率がネイティブアプリ運用時の2倍に伸長! カネボウ化粧品のLINEミニアプリ活用

大手化粧品会社であるカネボウでは、ユーザーとのオンラインコミュニケーションを強化すべく LINEミニアプリを導入。ブランドごとにアプリを提供することで、ブランドや商品の世界観を共有しています。
各ブランドアプリの大きな特徴は、メッセージ開封率の高さです。高いもので70%の開封率を実現しており、同社が別途提供しているスマホアプリと比較して約2倍の効果があるとのことです。

引用・参照:LINEミニアプリ公式の事例ページ

三井住友カード株式会社

出典:金融業界初!会員サービス「Vpass」のID連携数を5倍に伸長させた三井住友カードのLINEミニアプリ活用

三井住友カードではスマホアプリ「Vpass」を通してユーザーとのコミュニケーションを図っていますが、ライトユーザー向けにアプリのダウンロードや都度のログインが不要となるLINEミニアプリも併せて活用。わずか4か月という短期間で開発されたアプリにより、LINE公式アカウントとVpass IDとの連携数は従来の5倍となるなど、高い効果を挙げています。

引用・参照:LINEミニアプリ公式の事例ページ

これらの事例からも明らかなとおり、LINEミニアプリには「開発期間の短縮」「ライトなユーザーにもアプローチしやすい」「メッセージ開封率が高くコミュニケーションツールとして利用しやすい」といった特徴があるといえます。

LINEミニアプリの導入方法

LINEミニアプリを導入する方法には、大きく「パッケージプラン」と「個別開発」の2つの方法から選択することになります。以下では、それぞれの概要と特徴について紹介します。

パッケージプラン

パッケージプランでは、あらかじめ用意されたパッケージを利用することで、開発を行わない、もしくは最低限のカスタマイズで LINEミニアプリを利用することができます。
パッケージを提供している会社に個別に問い合わせをし、導入を進めることになります。
実現できる機能や利用金額にはバラつきがあるため、自社の実現したい要件を満たせるパッケージプランがあるか、まずは確認してみることをおすすめします。
利用できるパッケージと提供会社については、以下のリンクにまとまっていますのでご確認ください。

LINEミニアプリ 認定パッケージ一覧

個別開発

パッケージの活用が難しい場合は、個別開発を実施することになります。上述の通り機能面での制約はありますが、Webアプリケーションとして作成できる一般的な機能であれば、大抵は実装できます。
LINEミニアプリの開発においては、POS や顧客管理データベースなど既存システムと連携するケースも多くなります。これらの連携機能は個々に開発が必要です。また、LINE ID によるシングルサインオン機能を構築する場合も、個別開発が必要となります。
LINEミニアプリの開発においては、LIFF(LINE Front-end Framework)と呼ばれるフレームワークを利用します。
委託先を選定する際には、LIFF の知見有無についても確認してみてください。

LINEミニアプリの導入にかかる費用と期間

LINEミニアプリ 導入方法
以下では、LINEミニアプリの導入にかかる一般的な費用と期間をご紹介します。

導入にかかる費用

パッケージでアプリを導入する場合、基本的には初期費用と月額料金を支払うことになります。価格は無料で始められるものから 100万円程度の初期費用がかかるものまで様々ですが、初期費用が数万円、月額費用が1万円以内程度の製品が多い印象です。
具体的な金額については、製品によって異なりますので以下のリンクから確認してみてください。

LINEミニアプリ 認定パッケージ一覧

一方で個別開発を行う際には、費用は都度見積となります。
規模にもよりますが、一般的な WEBサービスの開発費用と大きな乖離はないといえるでしょう。
あくまで参考ですが、当社でお受けする依頼では、数百万程度から1,000万円程度のケースが多く見受けられます。

導入にかかる期間

パッケージの場合、開発作業が不要となるため導入期間は短くなります。スピーディな導入を実現できるでしょう。
個別開発の場合、開発規模によるため一概には言えませんが、当社の事例では要件定義から一般公開まで半年程度で開発を行った実績がございます。

LINE・LINEミニアプリを使ったDXの実現

LINEミニアプリに多くのメリットがあることは前述の通りですが、当社では LINEミニアプリの活用は、企業の DX(デジタル・トランスフォーメーション)の実現にも有効であると考えています。
この記事の最後に、当社が LINE や LINEミニアプリを利用することで実現できると考えるビジネスの可能性についてご紹介します。

オンライン・オフライン両方でデータを取得する

LINEミニアプリを活用した DX 施策においては、LINE の強みを活かせる点がメリットです。LINE という社会に普及したプラットフォームを利用することで、スマホアプリでは顧客接点を作るために最も大きな障壁といっても過言ではないダウンロードのハードルを下げられるため、強固な顧客接点を比較的容易に作れます。また、LINE は企業や店舗から送ったメッセージの開封率が高いという特徴があります。
メッセージチャネルとして定番のメールマガジンの開封率は業界にもよりますが、一般的に15%~25%程度といわれています。一方で LINE の場合は70%近い人(69.9%)が「企業からのメッセージを読んだ」※と回答しています。同じメッセージ内容やタイミング等の条件を揃えての検証結果ではありませんので、単純な数値の比較はできませんが、企業からのメッセージがしっかりと届くチャネルであることは間違いないといえるでしょう。
※出典:LINE Business LINE Guide株式会社マーケティングソリューションカンパニー2021年1~6月期版(Summary)
調査機関:マクロミル社・インターネット調査(2021年1月実施/全国15~69歳のLINEユーザーを対象サンプル数2,060)

加えて、オンライン・オフラインどちらの接点も作れることも重要です。
特に実店舗を構えるような、小売・飲食・医療などの業種においては、デジタルの力で顧客体験を高めていくためにオンライン・オフラインでユーザーに垣根を感じさせないアプローチが必要となります。
その実現ためのキモといえるのがデータ活用です。オンラインのデータは EC や WEBサイト上でも比較的取得しやすいのですが、リアル店舗などオフラインでの行動データを取得・活用することは難易度が高く、まだまだ進んでいない企業が多いのが現状です。しかし、LINEミニアプリによりデジタル会員証やポイントサービスなどを導入することで、ユーザーに紐づく来店履歴や購買履歴、興味関心などオフラインでの情報もデジタルデータとして収集できます。

取得したデータを統合し、マーケティングや顧客満足度向上に活かす

LINEミニアプリを通じて取得できるオフラインの情報とオンラインで取得した情報を組み合わせることにより、ターゲティングやセグメント分けを行い、効果的なマーケティング施策の実施やロイヤルカスタマー育成につなげられます。たとえば、来店回数が一定以上の顧客にシークレットセールの告知を送信する、店舗の創業記念日に該当の店舗に来店実績のある顧客に対して ECサイトで使える特別なクーポンコードを LINE で送るといった活用が考えられます。
また、HubSpot に代表されるような CRM・MAツールと LINE を連携させれば、上記のようなメッセージ送信を条件に合致したタイミングで送るように自動化することも可能です。
参考記事:HubSpotとLINEの連携でできることとは?メリットや連携方法について解説

近年ではカスタマーサクセスとして顧客の成功に貢献する取り組みも重要視されていますが、利用・閲覧頻度の高い LINE のメッセージング機能を利用した手厚い顧客サポートや、特定の商品を購入した顧客に一定のタイミングで商品の使い方を案内する取り組みのように、いわゆる「ハイタッチ」や「テックタッチ」のアプローチも実現できるでしょう。
このように、LINE というプラットフォームを活用し、リアル・デジタル両面での接点の構築とデータの活用をすることで DX の実現を目指せます。
当社、スパイスファクトリーでは LINEミニアプリの開発はもちろん、LINEミニアプリや LINE を使った DX 実現の伴走支援も行っておりますので、お気軽にご相談ください。
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LINEミニアプリ開発のご相談はどうぞお気軽に

LINEミニアプリ DX実現
この記事では、LINEミニアプリの概要や導入効果、LINEミニアプリによる DX の実現可能性などについてご紹介しました。DX 実現のための手段として LINEミニアプリを利用するイメージはつきましたでしょうか?
当社、スパイスファクトリーではコアバリューとして「Form a Scrum」を掲げており、エンジニア・デザイナー・マーケター・ブランディングなど様々なスキルを持ったメンバーがチームで成果をあげられることを強みとしています。単なる外注先にとどまらず、お客さまと伴走し、ビジネスを成功させるための最適な課題解決へとつながるように支援を行います。
LINEミニアプリとスマホアプリ、どちらが自社に適しているのか悩まれている方は、検討段階からサポートを承っておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。

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