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新規事業担当者必見。“アジャイル開発”で小さく始めるシステム開発

新規事業担当者必見。“アジャイル開発”で小さく始めるシステム開発

Posted by スパイスファクトリー公式 | |システム開発

最新テクノロジー、UIUX、アート、マーケティングなどあらゆる技術・メソッドを用いてクライアントのデジタルトランスフォーメーションを支援しているスパイスファクトリー株式会社です。
不確実性の高い世の中といわれる昨今、新しい価値を生みだすために新規事業に挑戦する企業も多いと思います。

一口に「新規事業」と言っても色々なアイデアが存在すると思いますが、DX(デジタルトランスフォーメーション)を意識するとスマホアプリやWEBサービスなど、何かしらシステム開発が必要なアイデアを考えている方が多いのではないでしょうか?そんな方にぜひ参考にしていただきたい、新たなアイデアを形にしていくのに最適な開発手法があります。それが「アジャイル開発」です。
本記事ではアジャイル開発の概要となぜアジャイル開発が新規事業立ち上げと相性が良いのかについてご説明いたします。
また弊社の詳しいサービス内容はシステム開発に関するページをご覧ください。

アジャイル開発とは

そもそも、アジャイル開発とは何なのかについて簡単に説明します。メリットやデメリットについてより詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
アジャイル開発とは? – システム開発を発注する時に知っておきたい開発手法の話

アジャイル開発の概要

アジャイル開発はプロダクトを開発する上での開発の進め方の一つです。
最大の特徴としては、最低限動くシステムをなるべく早く開発するということが挙げられます。
アジャイル開発では作りたいシステムを機能ごとに小さく分割し、その小さな機能単位に要件定義、設計、実装、テストといった工程を進め、リリースをしたら次の機能の開発に取り掛かる…という流れを繰り返していきます。
最低限必要な機能に絞れば、数か月程度で実際に動いて触ることのできるシステムを作ることが可能です。

アジャイル開発と比較されることの多い手法として、日本で古くから一般的な開発手法として知られるウォーターフォール型の開発というものがあります。
ウォーターフォール型開発は、システム全体の要件定義をする。終わったらシステム全体の設計、それが終わったら全体の実装…というように最終的にリリースしたい全ての機能をあらかじめ決めて一度に開発していきます。

アジャイル開発とウォーターフォール開発の違いの図

ウォーターフォール型の開発では、プロダクトがすべて完成してリリースするまでに数か月から数年かかります。また、システム全体が完成しないと実際に動いているシステムに触ることはできません。

機能ごとに開発をしていくアジャイル開発とはこの点が大きな違いとなります。

アジャイル開発の特徴をまとめると

  1. 必要性の高い機能から機能ごとに開発を繰り返す
  2. 完成した機能は実際に触ることができるので、他の手法に比べると早い段階で動くシステムに触ることができる

ということになります。

新規事業でのシステム開発時のポイント

続いて、新規事業を成功させるためにシステム開発に求められるポイントについて説明します。

自分達のプロダクトが本当に必要とされているかを素早く判断する必要がある

新規事業を立ち上げる際、ターゲットとなる顧客の課題やニーズが不確かであることが想定されます。
そのため「アンケートでは感触が良かったけれど、いざプロダクトをリリースしてみたら顧客のニーズと違っていた」ということは新規事業ではよくあります。
開発に多大な時間とお金をかけてリリースしたものの、ニーズがズレていたために売上を確保することができなかった場合、損失が大きく事業継続が困難になる可能性もあります。これは新規事業を進める際の非常に大きなリスクです。

このリスクを小さくするためには、以下の3点が重要となります。

    • 新しいプロダクトをリリースするまでの期間は短くする
    • 可能な限り少ないコストで開発を行う
    • 自分達のプロダクトが必要とされているのかを素早く判断する

つまり、リリースまでの期間を短くコストを抑えるために、必要最小限の機能だけを開発をして事業を小さく始めるのです。この最小限の機能を搭載したプロダクトを MVP(Minimum Viable Product)と呼ぶ場合もあります。
MVP を開発、リリースした後に想定していた顧客のニーズと実際のニーズに差異があった場合、それに応じて素早く機能を修正・追加していきます。

変化に柔軟に対応できる開発をする必要がある

日経コンピュータが行った調査によると、開発プロジェクトで当初の予算を超過してしまった理由の筆頭として、「追加の開発作業が発生してしまったこと」、スケジュールを守れなかった理由の筆頭として、「システムの相次ぐ仕様変更」が挙げられました。このように、開発を進めていくと当初の想定とは異なる作業がしばしば発生します。
参考:日経 xTECH/日経コンピュータ 「システム開発はなぜ予算オーバーに陥るのか」

顧客のニーズが不確定のまま進む新規事業プロジェクトであれば、なおさら方針転換や軌道修正が生じるケースは多いでしょう。そのような場合には都度、要件定義や設計に立ち戻りそれらを修正する必要があります。

新規事業プロジェクトにおいては、「修正が起きないように入念に準備する」よりも「仮説のずれや方針転換はどこかで絶対に起きるもの」と考え、当初決定した要件や設計に変更があった場合、ある程度柔軟に対応できる体制であることが求められます。

新規事業とアジャイル開発の相性が良い理由

アジャイル開発は、新規事業開発時のポイントで挙げた「自分達のプロダクトが本当に必要とされているかを素早く判断する必要がある」や「変化に柔軟に対応できる開発をする必要がある」といった要素を満たすことができる、新規事業と相性が良い開発手法です。以下でその理由を見ていきましょう。

早い段階で動くシステムができるので検証などがしやすい

新規事業は「やってみないとわからない」要素が大きいプロジェクトです。そのためプロダクトを素早くリリースして顧客の反応を見ることが求められます。

前述したウォーターフォール型の開発ではすべての機能を開発しきらないとリリースできませんが、アジャイル開発では機能をそぎ落とし、最短で最初のリリースを目指すため、検証に必要なコア機能だけを先に作って比較的に素早くリリースすることができます。
完全な状態でなくとも、プロジェクトの早い段階で目指している方向性がユーザーの求めているものとずれていないかテスト・検証することが可能です。

プロジェクトの方向転換にも柔軟に対応できる

「ユーザーテストやインタビューを行ってみたら仮説と違った」「当初想定していなかった新しいニーズが見つかった」
そのような場合でも、アジャイル開発であれば小さな単位で開発を進めているため、状況の変化があった時にもそれに合わせてシステムの軌道修正を行いやすいというメリットがあります。
実際のユーザーの反応を伺いながら柔軟に方針を決めていくことができるのは、新規事業の担当者にとっても嬉しい点ではないでしょうか。

必要な機能を必要になった時に開発する

新規事業では、プロジェクトの開始当初から必要なシステムの完成形が精緻に想像できていることはかなり少ないと思います。
前述のウォーターフォール型開発は最初に実施する要件定義で必要な機能をすべて決めてから開発を進める手法であるため、要件や設計に修正が発生した場合には手戻りが発生し、多大な時間がかかってしまいます。

アジャイル開発の場合、新たな機能や修正が必要だと判断された時点で開発を行なっていきます。
前項で述べたように、プロジェクトの最中の方針転換にも対応しやすいですし、そもそもの新規事業の進め方としてまずは必要最小限のプロダクトを作って事業を小さく始め、仮説の検証を繰り返しながら必要に応じて機能を追加して一歩ずつグロースさせていくことができます。

新規事業×アジャイル開発を成功に導くカギ

ここまで、新規事業を進める際のアジャイル開発のメリットをお伝えしてきました。とはいえアジャイル開発さえ採用すればすべて解決!というわけではなく、プロジェクトを成功させるために注意するべきポイントがあります。この章ではそのポイントを解説します。

必要な機能の精査

アジャイル開発では、必要な機能を短いスパンで開発していくことが大きな強みです。
この強みを活かすためには、プロジェクト初期から一貫して開発したい機能の優先順位付けを迅速かつ的確に行なっていくことが重要です。
自分たちの事業の持っている仮説を検証するのに最低限必要な機能は何なのか、しっかりと見極めましょう。
開発する機能の絞り込みができずに、一度に色んな機能を追加しようとしてしまうと素早いリリースが行えなくなり、ユーザーのニーズとのギャップが広がり、アジャイル開発のメリットを失ってしまうことになります。

発注者と開発者の密なコミュニケーション

アジャイル開発では、リリースするまでのスパンも短いため、発注者と開発者の間でタイムリーなコミュニケーションが求められます。開発会社側はもちろんですが、依頼する側の協力もプロジェクトの成功には非常に重要な要素です。
このことを双方が理解してプロジェクトを進めていかないと、スケジュールの遅延や出来上がったプロダクトが発注者の想定と異なるなどといった問題が発生します。
発注者側も、通常業務と並行しながら開発者とコミュニケーションを取っていくために、十分な時間の確保が必要でしょう。

システム開発が必要な新規事業なら、アジャイル開発を選択肢に

今回は新規事業の開発とアジャイル開発の関係性についてお伝えしました。
これから、新規事業のシステム開発を行う方にとって少しでも参考になりましたら幸いです。

スパイスファクトリー株式会社は月額定額制のアジャイル開発を行っており、新規事業の立ち上げを上流工程から運用保守まで一気通貫で支援しています!
新規事業のシステム開発に関してお悩みがございましたら、是非ご相談ください。


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