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ECサイトにブランディングは必要?差別化するために知っておくべき考え方!

ECサイトにブランディングは必要?差別化するために知っておくべき考え方!

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最新テクノロジー、UIUX、アート、マーケティングなどあらゆる技術・メソッドを用いてクライアントのデジタルトランスフォーメーションを支援しているスパイスファクトリー株式会社です。
この記事では、ECサイトの運営者やこれからECサイトを立ち上げたいと考えている方向けに、ECサイトのブランディングの必要性について解説します。また、ブランディングを実践していくとなった場合の手順と注意すべき点についても説明します。

ECサイトにブランディングは必要なのか?

ECサイトを運営している、またはこれからはじめようとしている方は「ECにはブランディングが大事だ」という意見をどこかで見たり聞いたりしたことがあるのではないでしょうか。
「なにから始めればいいんだ」と途方に暮れている方もいるかもしれません。ですが、焦って取り組みを始める前に、そもそもなぜブランディングをするのか、本当に自分の ECサイトにブランディングが必要なのか一度考えてみてもいいかもしれません。この記事を読んで一緒に考えてみましょう。

すべてのECサイトにブランディングが必要なわけではない

結論から申し上げますと、すべての ECサイトにブランディングが必要なわけではありません。
ブランディングにあまり熱心ではない EC・通販サイトでも売れている、利益がでているといった事例は多数あるからです。
ブランディングとはそもそも何なのか、ECサイト運営においてブランディングが必要なのはどんなケースなのか、順を追って確認していきましょう。

そもそもブランディングとは

一般社団法人ブランドマネージャー認定協会によればブランディングは以下のように定義されています。

ブランディングとは:ブランド・アイデンティティとブランド・イメージを一致させる活動のこと

ブランド・アイデンティティ:企業がある製品・サービスが「何ものか」を示すため定める「旗印」のこと。言い換えると「ブランド独自の価値」をひとことで表したもの。

ブランド・イメージ:消費者・顧客が心の中に抱く、ブランドに対する心象のこと。

参考:https://www.brand-mgr.org/

つまり、ブランディングは「企業側が考えているブランド(ECサイト)独自の価値」と「消費者や顧客が抱くブランドへのイメージ」を一致させることとなります。
企業側が「自分たちにはこんな魅力がある!」と思っているだけではダメで、顧客から見た時に魅力として正確に伝わる必要があるということです。
ECサイトの運営においては顧客が「買いたい!」と思うような魅力を打ち出し、それを正確に伝える必要があります。
上記は、あくまでも現時点でブランドが存在している場合です。
新しいブランドの立ち上げを考えている場合には、商品や会社の持つ強み、商品そのものが持つイメージなどを加味した上で、ブランディングの方針を含めて検討する必要があります。

「差別化」できているかがブランディング要否の判断ポイント

ECサイトにおいて、ブランディングに取り組む必要があるのかどうかは「差別化」できているかどうかが判断のポイントです。
「世界中であなたのサイトでしか買えない製品があり、それを既に多くの人が欲しがっている」という状態であればブランディングは必要ありません。
顧客が欲しい商品はあなたの EC でしか買えないので、他社に比べて圧倒的に差別化されています。顧客はブランドへの印象がどうあれ、欲しい商品を手に入れるためにあなたの EC を使うでしょう。

ですが、モノがあふれる現代社会の中で、誰もが欲しがるけど自分たちにしか扱えないという製品を用意するのはなかなか難しいと思います。
たとえば、アパレル。洋服は「着る」という点において価値は共通していますし、選択肢となるブランドが多数存在しています。顧客からすれば「どれも同じ」という印象になってしまいがちです。
こんな時にブランディングが重要となります。
たくさんのブランドの中から「ここで買いたい」と思ってもらうための活動が必要になるのです。

自分の ECサイトや、そこで扱う商材は他社と比べて明確に差別化されているでしょうか?そしてそれは顧客に伝わっているでしょうか?
もし差別化が不十分、独自の魅力はあるけど顧客にそれが伝わっていないと感じるならブランディングに取り組んでみてもいいかもしれません。
ECサイトのマーケティングに関心をお持ちの方はこちらも参照してみてください。
参考:D2Cで成功するためのマーケティング戦略とは

自社ECにブランディングが必要だと感じたらするべき6つのこと

ブランディングの必要性を認識したら、実際に活動を始めましょう。
ブランディングの具体的な手順をご紹介します。
実践する上で重要になるのは、マクロをしっかり把握した上でからミクロに落とし込んでいくことです。

市場調査をする

まずは、自分たちが展開する商品が世間でどのように認識されているか、求められているか、自分たちが気づいていない需要、世間がまだ気づいていない需要はないかなど、根本的な部分を探っていきます。

ブランディングと聞くと、表層のデザインを綺麗に整えていくことと考えがちです。しかし、ブランディングが適用可能な範囲で一番効き目があるのが「ビジネスモデル」自体を見直し独自性のあるブランディングを見出すことです。
近年、EC の領域でも盛り上がりを見せているサブスクリプション(定期購買)モデルが代表的な例にあたります。
買い切りでの購入を選択せず、必要なときに必要な分だけ使い、使う期間にだけ料金が発生する。
このようなサブスクリプションモデルは様々な業界で同業他社との差別化要因として取り入れられています。
そもそも、EC(eコマース)自体も比較的新しいビジネスモデルといえるでしょう。

競合調査をする

自社の競合になりそうな企業がどんな価値やコンセプトを打ち出しているか調査します。
価格やサイトのデザイン、使い勝手、打ち出しているメッセージやターゲットなどもわかる範囲で調べていきます。
最近では SNSアカウントを運用している企業も多いので、どんな SNS でどんな内容の発信をしているかを調べるのも競合理解に有効です。
コンセプトやデザインは陣取りゲームです。 自分たちがどんなに良いコンセプトを思いついても、他社と同じであれば他の案を検討することをおすすめします。
一般的に、後発で既に競合に取られている陣地を奪うには膨大なリソースが必要になる場合が多いです。

ターゲットユーザーを決める

ターゲットユーザーを決めます。
自分たちの ECサイトがどんな顧客に価値を届けたいのか、どんな顧客の課題を解決するのか考えます。
前の項で紹介した競合調査や 3C分析、STP分析といった手法を用いて、市場状況と顧客のニーズとを把握したうえで設定するのが一般的です。必要に応じて調査会社への依頼などを行い、ターゲット層に需要が存在しているのかを確認します。
ユニークなコンセプトを設定した場合や、すでにコンセプトの構想が決まっている場合は、ターゲットを決めるプロセスをコンセプトが決定したあとに行う場合もあります。

ブランドアイデンティティを策定する

市場動向と、どんな顧客に価値を届けたいかが明確になったらブランドアイデンティティを決めます。
ブランドアイデンティティとは、「ブランド独自の価値」を表したもののことです。
どんな価値で競合他社と差別化し戦っていくのかを明文化する、非常に重要なフェーズです。
自社のフィロソフィー・ビジョン・ミッション・強みを客観的、主観的に見直し、社会的に需要があり、競合他社が展開をしていないブランド方針を探っていきます。
当社ではブランドアイデンティティを「ブランドをブランドたらしめる要素」と定義しています。

コンセプト・ブランドスタイルを決める

市場、競合、ターゲットユーザー、自社のアイデンティティ、強みを明確化したうえで、自社のプロダクトが一番輝くことのできるコンセプトを策定します。
コンセプトは範囲が広すぎると、ユーザーは自分のライフスタイルにプロダクトを導入するイメージが沸かず見送られてしまい、狭ずぎても表現の幅を自ら狭めることになってしまいます。
上記を意識しながら、適切なコンセプトを探っていくことが重要です。

ブランドスタイルは、前項で決めたブランドアイデンティティをより具体的に表現したものといえます。
これまで記述したことを踏まえデザインのトーン&マナーやデザインコンセプトなどビジュアルに関わる表現のルールをまとめます。

ECサイトやクリエイティブに反映させる

ここまでブランドアイデンティティという抽象的な概念を「コンセプト」や「ブランドスタイル」へと具体化してきました。
それらのルールにもとづいて実際の ECサイトのページや広告・パッケージなどのクリエイティブを作成していきます。

ブランディングは一貫性が重要

自分たちだけでブランドアイデンティティを認識しているだけでは、ブランディングが実践できているとはいえません。
重要なのは顧客が持つブランドイメージ(知覚品質)と、自分たちで考えたブランドアイデンティティとを一致させることができるかどうかです。
ブランドイメージを顧客に根付かせるには、ブランドと顧客のあらゆる接点で一貫したメッセージを出し続ける必要があります。

ECブランディングで特に気を付けるべきポイント

ブランドアイデンティティにもとづいて一貫した発信をしていくことが大切です。
一貫した発信ができないと顧客のブランドイメージも一貫せず、ブレたものになってしまいます。
ECサイトを運営していく事業の中で、特に一貫性がぶれやすい、「気を付けるべきポイント」をご紹介していきます。

サイトのコンセプトのページ

1つ目は「ECサイトのコンセプトのページ」です。
フィロソフィーやアバウトページと表記されることもある、いわゆるブランド全体の説明ページになります。
この EC はどんな商品を扱うサイトなのか、どんな想いのブランドなのかといった紹介ページはブランドアイデンティティを表現しやすいページです。
直接的に売り上げなどに直結するページではないため、このページを用意しない、もしくはあっても非常に簡素なECサイトも多くあります。ですが、ブランディングを重要視するのであればこのページでしっかりと自分たちの想いを表明しましょう。

SNSのクリエイティブや発信内容

2つ目は「SNS のクリエイティブや発信内容」です。
Instagram や Twitter などの SNS を活用してユーザーとコミュニケーションをとるブランドも増えています。Instagram では、投稿から直接商品購買に誘導できる機能が実装されるなど、EC事業者にとって無視できないツールになっています。しかし、SNS は EC と比べデザインなどでのブランド表現の余地が少ないです。
投稿する画像などを工夫してブランドの世界観を表現する必要があります。
また、気軽に発信ができるからこそ、気づかぬうちにブランドコンセプトとずれた投稿をしてしまいがちです。
場合によっては炎上を起こしてしまうリスクもあるため運用には注意が必要です。

本当に必要なのは継続性と計画性

3つ目は「継続性と計画性」です。
この記事でご紹介したように、ブランドアイデンティティを作ったり、ECサイトを構築したりするとブランディングを実践しているという気分になりがちです。ですが、残念ながら短い接点で顧客が望ましいブランドイメージを持ってくれるということはないと考えた方がいいでしょう。
ECサイトに SNS、メールや商品、パッケージに至るまであらゆる接点の積み重ねでブランドイメージは形成されていきます。
事業を継続していけば、あなたのブランドをはじめて知る新規の顧客も増え続けます。
ブランディングには終わりがありません。
大々的なブランド立ち上げを行っても、継続ができなければ一発だけの打ち上げ花火で終わってしまいます。
ブランディングは長期戦と捉え、メッセージやデザインを計画的にコントロールしながら事業を継続し続ける必要があることを肝に銘じましょう。

ブランディング支援会社に依頼する方法も

ECサイトにおけるブランディングの必要性と実践方法についてご紹介しました。
ブランディングはいざ実践してみようと思うと難しいと感じられる事も多いかと思います。
そのような場合は、ブランディングを支援してくれる会社に手伝いを依頼する検討をしてもいいかもしれません。
コンセプト作りからコピーライティング、デザインクリエイティブまで幅広いサポートを受けられます。
当社、スパイスファクトリーでも「D2Cブランド構築支援」をご用意しています。

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