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コーポレートサイトの構成に必要な項目とは?上場企業のコーポレートサイト事例を参考に解説

コーポレートサイトの構成に必要な項目とは?上場企業のコーポレートサイト事例を参考に解説

こんにちは、スパイスファクトリー株式会社です。当社は、高度なシステム開発や美しい UI/UXデザインを武器に、企業のコーポレートサイト制作に携わっています。

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コーポレートサイトの制作、もしくはリニューアルを検討されるにあたり、企画書や提案依頼書を用意するケースは往々にしてあります。
その際、コーポレートサイトに必要な情報やコンテンツは何なのか、具体的にどんな構成にすれば良いのかについて悩まれる Web担当の方もいらっしゃいます。

この記事では、コーポレートサイトのそもそもの目的からご説明したうえで、上場企業のコーポレートサイト事例を基にコーポレートサイトの構成に必要な項目や盛り込むべき情報について具体的に記載しています。
プロジェクトの企画書や提案依頼書を書く際にも役立つ内容となっておりますので、ぜひ参考にしていただければと思います。

そもそもコーポレートサイトの目的とは

コーポレートサイトは、会社の顔であり、ブランディングや情報発信・情報収集、ステークホルダーとのコミュニケーションの場として機能します。

企業には、ユーザー、投資家、求職者、社員やその家族などのさまざまなステークホルダーが存在するため、コーポレートサイトを訪問する属性もさまざまです。そのため、コーポレートサイトの目的はターゲットによって異なります。
たとえば、顧客に対しては自社サービスの認知や理解、申し込みを目的とし、株主に対しては企業イメージの向上により投資対象として選ばれることを目的とするようなイメージです。

しかし、「企業が伝えたい情報を分かりやすく発信し、企業への信頼を獲得する」という目的は、業態や業界、ターゲットを問わず共通して存在し、いかなる場合でもその目的に集約されると考えられます。
コーポレートサイトを制作もしくはリニューアルする前に、サイトの目的や存在意義が何であるのかを明確にすることで、内容に一貫性のある、ユーザーにとって伝わりやすいものに仕上がるでしょう。

コーポレートサイトの構成に必要な情報 基本の 7項目

コーポレートサイトには、記載すべき 7つの情報があります。
ただし、企業の経営方針や取引相手によって掲載したい情報の内容も変わります。
基本情報ともいえる以下の 7つの項目は、上場企業10社のコーポレートサイトを分析したところ、すべてのコーポレートサイトに共通して記載されていたものです。(2022年5月時点)

  • 会社概要
  • 企業理念
  • 代表メッセージ
  • 事業紹介
  • 採用情報
  • お知らせ
  • お問い合わせ

これらの情報は、ほとんどの企業のサイトが網羅している基本構成情報となりますが、本項では各構成要素について上場企業ではどのような形で記載されているのか実例を挙げてご説明していきます。

会社概要

会社概要は、会社名や所在地、アクセスといった基本的な情報です。企業によっては、沿革や役員紹介なども含まれます。

加えて、主要取引先や従業員数、支社・事業所の情報、決算情報、役員紹介などが掲載されるケースが多いです。
情報のボリュームが多い場合には、それぞれ異なるページのコンテンツとして作成される場合もあるでしょう。
多くのステークホルダーが見るページとなるため、分かりやすい表記と配置を心掛けましょう。

また、会社概要ページは文字情報が多くなりがちのため注意が必要です。
その点で参考となるのが、 本田技研工業株式会社です。
イラストやグラフの使用やフォントサイズの工夫によりページに視覚的変化がうまれ、ユーザーにとって要点の掴みやすい構成となっています。
「一目でわかる会社概要」といった PDF コンテンツも用意されており、ユーザーにとっての分かりやすさが体現された印象的なページだといえます。

企業理念

企業理念は経営方針やビジョン、ミッションなど、企業としての方向性を示すコンテンツです。

トヨタ自動車株式会社では、円錐形をベースとした独自のトヨタフィロソフィーにより経営理念を表現しています。視覚的に分かりやすいのみならず、ミッション、ビジョン、バリューの内容に一貫性のあるコンテンツとなっています。

単に文字として記載するのではなく、上記のようにイラストや図を使用することで伝わりやすくなり、且つ他社とは一味違う魅力を表現することができます。

また、ソニーグループでは「Sony’s Purpose & Values」という形でソニーの存在意義とバリューが定義されています。
近年では、世の中の不確実性の高まりや社会貢献活動に対する興味関心の向上から、長期的な経営視点が求められるようになりました。そのような背景のもと、改めて企業の存在意義を考え直し「Purpose(パーパス)」として掲げる企業が増えてきているのです。
ソニーグループでは、事業内容が多岐に渡るため、グループとしての方針を決定づけることも「Purpose(パーパス)」を定める一つの目的とされています。

代表メッセージ

代表メッセージは、代表の思いを伝えるためのページです。企業としてではなく、代表個人としてのメッセージや思いを伝えることで、顧客からの信頼・安心を得ることができます。

代表メッセージのページ構成は、代表の写真とともにメッセージが書かれている形が基本となります。写真に関しては、ユーザーに与えたい印象を考えたうえで、写真の撮り方や表情に反映させるとよいでしょう。

ソフトバンクグループ株式会社の代表挨拶のページでは、メインのメッセージに加え、入社式や福岡ソフトバンクホークス日本シリーズ制覇時などのイベントにおける孫正義氏の挨拶やメッセージが時系列でまとめらています。
このような独自の表現は、他社との差別化やブランディング強化はもちろん、ユーザーに熱いメッセージを届けることにもつながります。

事業紹介

事業紹介のページでは、自社商品やサービス、事業を紹介します。
ここでは、企業が B2B であるか B2C であるかによりコンテンツの表現の形が異なります。

株式会社日立製作所では、事業内容が複数存在するため、製品・サービスページのトップで「一覧」、「業種から探す」、「キーワードから探す」という3つの導線を設けています。訪問したユーザーは、数あるサービスのなかから迷うことなく求めている情報にたどり着くことができるため、サイトにおけるユーザー体験(UX)の向上に貢献しているといえます。

採用情報

採用情報ページは、企業によってかなり見せ方に差があるページでした。
基本的な募集要項などの情報のみを記載したシンプルなページがあれば、代表や社員の声、事業の紹介などリッチなコンテンツを掲載し、求職者にしっかりアピールしたページもあります。

特に、本田技研工業株式会社伊藤忠商事株式会社では、画像や動画、パララックスデザインを取り入れており、動きのあるページが特徴的です。インパクトのあるファーストビューや、熱いメインメッセージを含め、訪問した就活生や求職者に強く印象に与える作りとなっています。

また、コーポレートサイトの一つのコンテンツとしてではなく「求人/採用サイト」として確立している企業もあります。
コーポレートサイト全体とは異なるテイストでブランディングを強化したい場合には、このような形で制作することを推奨します。

お知らせ

企業の最新情報を伝えることも、コーポレートサイトの役割のひとつです。企業に関するトピックは、可能な限りリアルタイムで発信することはユーザーにとっての安心感・信頼感にもつながります。

発信する情報としては、IR情報やプレスリリース、採用情報、事業に関するトピックなどが挙げられます。カテゴリごとに絞り込める導線を用意することで、ユーザーが必要な情報を探しやすくなるでしょう。

株式会社オリエンタルランドは、ニュースリリースとトピックが分けて掲載されています。ニュースリリースでは、経営や事業にまつわる重要な情報を、トピックではよりカジュアルな企業の取り組みや周年情報が掲載されています。

お問い合わせ

最後に、お問い合わせページです。
ステークホルダーとのコミュニケーションのためにも、お問い合わせページは必須です。

一部上場企業になると、問い合わせ窓口を複数設置するケースもあります。通常のお問い合わせページに加え、IR情報に関する問い合わせ窓口を別に用意している企業もいくつか見られました。

日本電信電話株式会社では、グループ各社への問い合わせに加え、IRやサステナビリティ、環境活動についてなど、それぞれの問い合わせ窓口を案内しています。
このように窓口を分けることで、社内の担当者に直接連絡がいくためスムーズな対応が可能となります。

さらにあるといいコーポレートサイトの構成情報 2選

次に、近年多くの企業がコーポレートサイトの内容として取り入れている2つの項目をご紹介します。

それは、サステナビリティページとストーリーページです。
特に、サステナビリティページは必須項目として押さえておくべきコンテンツとなってきています。
また、ストーリーは他社との差別化やファンの獲得に貢献できるため、可能な限り取り入れられるとよいでしょう。
では、実際にどのようなページ構成で作られているのか、こだわりのある企業のコーポレートサイトを基にご説明していきます。

サステナビリティコンテンツ

ここ数年でCSR、CSVというキーワードが注目されている通り、社会貢献性の高い企業が利益も獲得しているという時代の流れの中で、社会問題に対する会社の向き合い方や会社の存在意義が問われるようになりました。このページは、ブランディングの強化や投資家へのアピール、さらには新たなビジネスが生まれる可能性も秘めるコンテンツとなります。
参考となるページとして株式会社ローソン、株式会社日立製作所、株式会社アイネットのコーポレートサイトをご覧ください。

株式会社ローソン

https://www.lawson.co.jp/company/activity/

ローソンのサステナビリティページでは、代表取締役によるトップメッセージやサステナビリティに対するローソンの方針、ESG の各項目における考え方や取り組み等が書かれています。
なかでも、ローソンの独自性がみられるのが特集ページです。
このページでは、「環境ビジョン Lawson Blue Challenge 2050! 2050年 食品ロス・CO2・プラスチックを減らすローソンの取り組み」というタイトルが付けられており、「食品ロスを減らす」、「CO2を減らす」、「プラスチックを減らす」という 3つの目標のためにローソンが取り組んでいることをイラストを使って分かりやすく、簡単な言葉で表現されています。
また、スクロールに連動してアニメーションする仕様となっており、ユーザーが楽しく見れる作りとなっています。子供でも容易に理解できるほどの分かりやすさを体現している点がローソンのサステナビリティページの強みであり、特徴です。

株式会社日立製作所

https://www.hitachi.co.jp/sustainability/
日立のサステナビリティページで特徴的であるのは、動画が使用されていることです。
動画の内容は、SDGs とはなにか、日立が SDGs の 17項目のうちどこに注力しているのか、具体的にどのような活動を通して貢献しているのかが説明されています。

近年、動画の需要が高まっており、ユーザーにとって動画は馴染みのあるコンテンツとなっています。
要点をまとめて分かりやすく伝えることに長けている動画は、ユーザーの離脱を防ぐことにも役立ちます。

株式会社アイネット

https://www.inet.co.jp/sustainability/
アイネットのページでは、冒頭のサステナビリティメッセージで企業としての姿勢を示し、後にアイネットの ESG として、Environment(環境)・Social(社会)・Governance(ガバナンス)各々に対する具体的な取り組みが記載されています。

アイネットのページで印象的なものは、ESG と SDGs の対照表です。アイネットの取り組みが、ESG と SDGs のどの項目にあたるものなのかがひと目で分かります。この表から、アイネットの取り組みは網羅的に ESG と SDGs に対して貢献していることが伝わります。

全体を通して、アイネットらしさが伝わる、オリジナル性に富んだページとなっています。

ストーリーコンテンツ

ストーリーは、あまり馴染みのないコンテンツかもしれません。
ここでいうストーリーとは、企業のサービスや商品から離れ、その裏で行っている社会貢献活動や会社の方針などについてより具体的な情報を記載するページのことです。
こちらは、前述のとおり他社の差別化やファンの獲得につながる重要なコンテンツとなります。
ストーリー性が分かるような形で具体的に表現することは、消費者が広告よりもリアルな情報を求めている、いわゆるブランドジャーナリズムの考え方にもつながります。
自社の独自性を発揮し、ユーザーに分かりやすく情報を発信したいとお考えの Web担当の方はぜひ視野に入れていただきたいコンテンツです。
それでは、実際どのような形でページが構成されているのか、下記2社の実例をご覧ください。

ネスレ日本株式会社

https://www.nestle.com/stories#/category/featured-stories/1
ネスレの「Our stories」ページでは、ネスレで行っている社会貢献に対する活動や戦略について具体的に記載されています。社員の方や現場の方など、ステークホルダーの顔が見える形で書かれている記事も多く、読者に安心感を与えるものとなっています。
私たちは、一般的に商品を通してネスレと関わりを持つため表面上での商品のイメージしか持っていません。しかし、このページを見ることにより、私たちと直接関わりのないところでネスレが取り組んでいる社会貢献活動について知ることができます。ここに訪問したユーザーの持つネスレに対する企業イメージがより良いものとなるでしょう。

株式会社リクルート

https://www.recruit.co.jp/talks/meet_recruit/
リクルートは「Meet Recruit」として社員の方や有識者などによる記事を紹介しています。
人材派遣や求人など、就職関連のイメージが強いリクルートですが、ここで投稿されている記事ではサービスの背景にある想いや社会問題について社員の方の言葉で記されており、リクルートの取り組みが私たちの生活に根付いていることが伝わるコンテンツとなっています。そのほか、就職の先にある仕事への考え方や経歴といったその人なりのストーリーが書かれている記事など、単にサービスを紹介するよりも興味深く読み進められる構成になっています。

必要な情報をおさえて伝わりやすいコーポレートサイトの実現を

以上、コーポレートサイトに必要な情報の構成についてご説明してきました。
自社で実現したいコーポレートサイトのイメージは付きましたでしょうか。

コーポレートサイトで実現したい内容は企業によりさまざまです。そのため、他社のページを参考にするのみならず、自社のサイトコンセプトの立案やブランディングの方針策定から取り組むことで、必要な情報やコンテンツが明確になり、あなたの企業ならではコーポレートサイトに仕上げることができるでしょう。
また、場合によってはユーザビリティテストやユーザーインタビューを通して情報設計や導線などを整えるなど、UX 視点での改善が求められることもあります。

弊社では、サイト制作のみならず、ブランディングや UI/UX、コンテンツマーケティングなど、あらゆる視点からコーポレートサイト制作の効果を最大化させることを強みとしています。
サイト制作に関するお悩みやご相談、見積もり依頼についてはぜひお気軽にお問い合わせください。

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