アジャイルなシステム開発、デザイン、ブランディング、マーケティングを得意とし、全方位から企業のDXを支援するスパイスファクトリー株式会社です。
Hubspotの導入を検討しているものの、「導入方法が分からない」「うまく使いこなせるのだろうか」といった悩みを持たれている企業も多いのではないでしょうか。そこで今回は、HubSpot認定プロバイダーであるスパイスファクトリーが、以下についてご紹介します。
- そもそも HubSpot の運用や導入にパートナー企業への依頼は必要なのか
- 必要な場合、どのようにパートナー企業を選べばよいのか
当社の HubSpot 導入支援サービスについては以下のページをご確認ください。
Contents
HubSpotとは
HubSpot は、最先端の機能と使いやすさを両立させたインバウンドマーケティング&セールス用ソフトウェアです。HubSpot には、以下のように企業活動を全般的に支援する様々な機能が用意されており、そのうち自社に必要な機能を選択して利用することができます。
- HubSpot CRM:HubSpot の基盤として、統合的な顧客情報管理を実現する
- HubSpot Marketing Hub:集客力向上やリード育成など、いわゆるMA(Marketing Automation)を実現する
- HubSpot Sales Hub:セールス部門向けに営業力を強化する機能を備え、いわゆるSFA(Salesforce Automation)ツールとして利用できる
- HubSpot Service Hub:カスタマーサポートとしてナレッジの提供やチャット対応などを実現する
- HubSpot CMS Hub:ウェブサイトの構築など、CMS(Contents Management System)機能を提供する
- HubSpot Operation Hub:データの管理やプロセスの自動化など、業務効率を改善する機能を提供する
HubSpot の詳細については、以下の記事もご参照ください。
HubSpot(ハブスポット)とは?インバウンドマーケティングと主な機能を徹底紹介!
HubSpotの料金プラン
パートナー企業選びの話に入る前に、HubSpot の料金プランについても確認しておきましょう。
HubSpot の料金は上述したサービスごとに分かれており、それぞれのサービスごとに、無料・Starter・Professional・Enterprise の各料金プランが設定されています。無料プランで使える機能もあれば、Enterpriseでないと使用できない機能もありますので、自社のやりたいことやその優先度を考慮してプランを選ぶ必要があります。
各プランでどのような機能が使えるか、また各プランの料金については、HubSpot公式ページからご確認ください。
HubSpot公式のプラン料金ページ
そもそも自社にどんなプランがあっているのかから相談いただくことも可能です。迷うようであればぜひ一度気軽にご相談ください。
HubSpotの導入・運用サポートをパートナー企業に依頼すべきなのはどんなとき?
HubSpot の導入・運用にあたって、支援を受けたいと考えられるケースも多いと思います。それでは、どのようなケースにおいてパートナー企業を利用するべきなのでしょうか。
そもそもHubSpotの導入・活用に支援は必要か?
結論から言えば、「無料プランから始める、もしくはStarterプランでスモールスタートを検討している」方は、初期段階でパートナー企業に支援を依頼する必要性は低いでしょう。
上述の通り、HubSpot は無料から使えるツールです。まずはツールに触ってみてどのようなものか感じてみたい場合、HubSpot の有効性を確かめてから支援の可否を検討するべきです。同様に、Starterプランを利用している段階では機能も限定されているため、支援を受けなくても十分に活用できる可能性があります。
また、HubSpot の導入期限に目標が設定されていない場合も、支援を受ける必要性は低いといえます。自部署で試しに使ってみたいケースなどでは、導入や活用に遅れが生じたとしても自社の事業戦略全体に与える影響は低いです。運用を始めてみて壁にぶつかったときに、改めて支援を受けるか検討してみても遅くはありません。
なお、HubSpot にはコミュニティやナレッジベースといった充実した問題解決サービスが用意されています。困ったときには、こちらを参照することで解決できる可能性があります。
支援を受けることをおすすめする条件
一方で、以下のような場合はHubSpot社やHubSpot 支援サービスを提供する企業から支援を受けることを推奨します。
- 目標達成までの期間が限られている場合
- 現状のビジネス運用を極力止めたくない場合
- 希望の実現に開発やカスタマイズが必要な場合
- ビジネスプロセスの構築ノウハウに不安がある時
- Professional・Enterpriseプランを利用する場合
以下それぞれの理由を解説します
①目標までの期間が限られている場合
当社でもよくご相談を受けるのが「今期中にMAを導入し、売上を〇%伸ばす」「今期はCMSでサイト構築し、来期からSFAとMAを本格稼働させる」など、会社や部署として目標期限が決まっているケースです。
HubSpot に対するノウハウがない状態で、期限通りにプロジェクトを進行するのは難しいといえます。このような場合は、経験を持った支援企業などの知見を取り入れることをおすすめします。
②現状のビジネス運用を極力止めたくない場合
既存のシステムでCRMやSFAを使用しており、リプレイスで HubSpot へ移行する場合、システム移行が発生します。リプレイスにあたって、既存システムを利用したビジネスを一定期間停止させることはできない場合が多いでしょう。現状のビジネス運用は極力止めず、スムーズに HubSpot へ移行することが求められます。
このような場合は、専門家の知見により移行時のトラブルなどへのリスクヘッジができるため、安心です。
③希望の実現に開発やカスタマイズが必要な場合
要件にもよりますが、希望のシステム構成や仕組みの実現にエンジニアによる開発が必要となる場合があります。
当社でよくご相談を受けるのが、基幹システムと HubSpot の連携や、HubSpot CMSで作成したサイトのデザインカスタマイズです。これらのカスタマイズには、Hubl(ハブル)というHubSpot 専用の開発言語を利用する必要があることも。自社にエンジニアがいる場合も、必ずしも HubSpot に精通しているとは限らないため、注意が必要です。
余談ですが、当社では HubSpot と外部サービスとの連携など開発が必要な要件についても対応が可能です。お困りの際はぜひご相談ください。
自社のリソースで対応するのが難しい場合は、開発対応が可能な支援会社の活用を考えても良いでしょう。
④ビジネスプロセスの構築ノウハウに不安がある時
HubSpot に限りませんが、ツールは入れたら終わりではなく、適切に活用して初めてその効果を発揮します。HubSpot 導入により業務の効率化や新規施策を実行するためには、日々実施する業務のプロセス設計やルール整備が必要となります。
ビジネスプロセスの設計は一般的に知識や経験が必要な領域です。経験者がいれば問題ありませんが、まったくの未経験でビジネスプロセスの設計をしていくのは難しい場合も多いため外部の知見に頼っても良いと考えられます。
⑤Professional・Enterpriseプランを利用する場合
Professional・Enterpriseのプランを利用する場合、たとえ HubSpot と直接契約をしたとしても必須で導入支援費用が発生します。たとえば、MarketingHub の Professional プランの場合、360,000円+税、Enterprise の場合は540,000円+税の導入支援費用がサービス自体の利用料とは別に必要です※。
この料金については、HubSpot 公認のパートナー企業を経由して契約する場合は発生しませんが、代わりにパートナー企業側が個別に導入支援のサービス料金を設定しています。よって、Professional・Enterprise プランで HubSpot を導入する場合、「HubSpot社の導入支援費用」か「パートナー企業の導入支援サービス費用」のいずれかが、必ず発生することになります。
条件によっては、HubSpot と直接契約するよりもパートナー企業を通して契約する方が安くなるケースも。HubSpot と公認パートナーのそれぞれの支援内容を確認しつつ、どちらの支援を受けるか比較検討してみることをおすすめします。
※2022年11月現在の価格 価格は変動する場合があります
パートナー企業選びの前に自社の課題・要件を整理しよう
パートナー企業の支援を受ける場合は、事前に自社の課題や要件を整理しておくべきです。課題や要件が明確になっていれば、パートナー企業も何を目標として支援を行えばいいか把握しやすくなり、結果として自社が望む結果を得やすくなります。
そこでこの章では、支援をパートナー企業に依頼することを決めた後、実際に依頼する前に整理すべき内容を3つご紹介します。
目的・目標
目的・目標の設定においては、ロードマップとして時系列で整理することがポイントです。
たとえば、売上の向上や業務の効率化など、具体的な数値目標の設定については中長期的なゴールを設定します。一方で、中期的な数値目標を達成するためには、短期的な目標達成の積み重ねが必要です。目標達成に向けて、直近で取り組むべきことにおついて、短期的なゴールとして設定します。
また、自社の経営目標との整合性も重要です。目的や目標を整理したら、一度部署や会社の経営方針と齟齬がないかを確認しましょう。HubSpot はセールス部門やカスタマーサポート部門など、全社横断的に利用することができる仕組みです。導入プロジェクトにおいては、自部門以外の部署も巻き込まなければならない場合もあります。加えて、当然ながら上司や経営層などとのコミュニケーションも必要です。
これらの調整において全社方針と食い違いが出るようなら、導入の見直しも検討しなければなりません。
期限
目的・目標の達成については、必ず期限も併せて検討します。自社を取り巻く環境や経営目標なども踏まえ、上記で考えた目標をいつまでに達成するべきか整理します。中長期の目標がある場合は、中間地点として数か月単位でステップ分けをするといった取り組みも効果的です。
自社でできることできないこと・求める支援の範囲
ゴールに向けた取り組みにおいては様々なタスクが発生しますが、タスクによっては自社で実施することが難しいものも。このような領域が、パートナー企業に委託を検討するべき内容となります。
パートナー企業と会話を行う中では、「パートナー企業として我々に何をしてほしいのか」という観点は必ず確認されるはずです。どのタスクは自社で実現できるのか、もしくは自社でやるべきなのか、またどのタスクは自社で実現できないのか、もしくは外注すべきなのかを整理します。
ご参考までに、当社がこれまでに対応した案件において、よく議論されているのは以下の観点です。パートナー企業に支援を依頼する際には、これらを自社で実施するか、パートナー企業に依頼するか検討してみることをおすすめします。
- 設定は代行してほしいか、自社でやるか
- ビジネスプロセスの設計から支援する必要があるか
- 実運用の中で使用するメールや資料などのコンテンツの作成に支援は必要か
- チームメンバーへのレクチャー・トレーニングは必要か
支援を依頼する会社を選ぶときに見るべきポイント
次に、自社にマッチしたパートナー企業の選定に必要なポイントを紹介します。
- 料金
- 支援の流れ・期間
- サービスの提供形態
- 得意な領域
- 担当者の自社ビジネスに対する知見や理解力
- 実績
- HubSpotパートナーかどうか
料金
なんといっても気になるのが料金ではないでしょうか? HubSpot の導入にあたって支援を依頼する場合、HubSpot のツール料金に加え、支援会社のサービス費用が必要となります。支援会社のサービス費用については、後述する支援期間や依頼内容によって決まります。依頼前に整理した内容をもとに、優先順位が高い項目を念頭において商談に望むとスムーズです。
支援の流れ・期間
パートナー企業の HubSpot 導入プロセスを確認することで、全体のスピード感をどのようにとらえているかを知ることができます。たとえば当社では、単純な導入の支援であれば1~2か月程度の期間となることが一般的です※。
※開発などの要件により、期間は変動します
サービスの提供形態
企業によって、導入支援をパッケージ化しているケースや、月額費用×プロジェクト期間としているケースなど、サービスの提供形態が異なります。標準的な導入内容であればパッケージプランによる対応も有効ですが、導入途中で様々なイレギュラーが発生した場合には追加料金が発生することもあるので注意が必要です。
ちなみに、当社ではプロジェクトの進行中に追加の要件が発生したり、取り組みの優先度が変わったりした場合に柔軟な支援ができるように、月ごとの支援時間を固定で契約してその時間の範囲内でタスクの優先順位に応じて支援を行う「タイムチャージ」というサービス形態でご支援するケースが多いです。
得意な領域
HubSpot はサービス領域が非常に広いツールです。一口に導入支援といっても、導入する領域によって求められる知識は異なります。「Sales は得意だけど CMS はそこまでノウハウがない」といったように、会社や担当者によって得意領域が異なることも。面談やヒアリングなどを通して確認を行っておくとよいでしょう。
担当者の自社ビジネスに対する知見や理解力
業界によっては法規制や独自の商習慣に対応したツールの活用をする必要がありますが、パートナー企業候補がこれらの情報に精通しているかもポイントです。自社の業界に精通していればベストですが、知見や経験がない場合でも、こちらの説明をよく理解してくれたりキャッチアップの姿勢があったりする企業を選ぶべきです。パートナー企業のビジネス理解度はプロジェクト進行に大きく影響しますので要チェックです。
実績
ここまで紹介してきた各要素を簡単に知る方法が、各社の実績を確認することです。たとえば、自社と同じ業界の企業への導入実績があれば、業界の知見は一定ありそうだと判断できるでしょう。
企業によっては事例ページをサイトに設けており、そちらで確認が可能なこともあります。また、当然ながらすべての事例が公開されているわけではないため、商談などの際に担当者に聞いてみるのもおすすめです。多くの企業において、公開可能な範囲で事例を紹介してもらえるはずです。
HubSpotパートナーかどうか
また、HubSpot 公認のパートナーであるかもどうかも重要な要素になり得ます。HubSpot 公認パートナーにはランクが存在し、HubSpot の新規契約金額や運用支援の実績など複数の指標に基づき設定されています。必ずしもランクが高いからサービス品質が高いとは限りませんが、高ランクの会社は一定以上のノウハウがあると推測できるでしょう。
HubSpotパートナー、プロバイダー企業を探すなら、以下の公式ページを参照するのがおすすめです。
日本の HubSpotパートナー企業一覧
当社の実績
最後に当社が支援した案件実績の一部をご紹介します。詳細は各事例のリンクより詳細のページに遷移しますのでそちらでご確認ください。
東京エレクトロン デバイス株式会社|HubSpot導入・運用支援
本事例においては、HubSpot による統合顧客DBの構築や HubSpot Marketing Hubを活用したマーケティングフローの設計を実施しました。
東京エレクトロン デバイス株式会社|HubSpot導入・運用支援
株式会社mct | HubSpot CMSを活用したコーポレートサイトリニューアル
本事例においては、マーケティング強化も見据えた HubSpot CMSの導入を支援しました。
エンジニアによる開発の領域を含みます。
株式会社mct | HubSpot CMSを活用したコーポレートサイトリニューアル
三菱商事ファッション株式会社様|次世代型サステナブルD2C新プロジェクト「NAGIE」ECサイト開発
本事例においては、ECサイトにおけるカスタマーサポート機能など、管理・運用体制を HubSpot により実現しました。
ShopifyでのEC構築に加え、HubSpot の導入およびShopifyとのデータ連携を実装しています。
三菱商事ファッション株式会社様|次世代型サステナブルD2C新プロジェクト「NAGIE」ECサイト開発
自社だけでの導入や運用が難しければHubSpotのプロから支援を受ける検討を
この記事では、HubSpot の運用・導入におけるパターンごとのパートナー企業の必要性や、パートナー企業の選び方についてご紹介しました。HubSpot の対応領域は広く、またスモールスタートから大規模な導入まで可能であるため、パートナー企業の必要性はケースにより異なります。どのような体制で HubSpot を導入していくか悩まれている場合は、一度知見のある企業に相談してみることをおすすめします。
当社では、HubSpot の多様な導入実績を踏まえ、貴社の状況に合わせたご提案を行うことも可能です。ぜひお問い合わせください。
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