スパイスファクトリー株式会社マーケターの古茶です。近年、SDGs という言葉を耳にすることが増え、社会貢献活動に本気で取り組みたいと考えている企業様もいるのではないでしょうか。そこで今回は、企業が SDGs に取り組む際に気を付けるべき点をご紹介します。
本記事では、前提理解として SDGs の基本についても触れながらご紹介していきます。
Contents
SDGs とは
まず SDGs とは何か、簡単にご説明していきます。
SDGs とは
SDGs とは、2030 年までに持続可能でより良い世界を目指す国際目標のことです。17 のゴール・169 のターゲットから構成されており、「地球上の誰一人取り残さない」ことを目指します。(外務省)
2030 年までに達成すべき 17 のゴールについての詳細は、こちらをご覧ください。
また、2015年に採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」では「5つのP」、日本国内では「5つの主要原則」を掲げています。SDGs に取り組む際には、これらを念頭に置き進めていかなくてはなりません。
SDGs台頭の背景
なぜ今、これほどまで SDGs が重要視されるようになったのでしょうか。
持続可能性という概念は、1987年に「環境と開発に関する世界委員会」が公表した「Our Common Future」において提唱されました。今から約 30 年以上前から ”持続可能性” に対する概念が存在したにもかかわらず、未だに目に見える成果として達成できていないのが現状です。
そして、実際に SDGs として打ち出されたのは2015年になります。国際サミットで持続可能な開発目標が発表されたのちに SDGs がうまれましたが、当時はあまり SDGs に関心が集まりませんでした。SDGs が注目されたのは、2016 年のダボス会議にて経済成長の可能性が示唆されてからです。ここからやっと 2030 年までのゴールに向かい多くの人が動き出しました。
SDGs に取り組む企業が注意すべきこと~ SDGs ウォッシュ~
前述のとおり、2016年のダボス会議にてSDGsによる経済成長が示唆されたことにより、本格的に社会貢献活動をビジネスに取り入れる企業が増加しました。
しかし、経済成長を見込み、ビジネス戦略のみのために実態を伴わないSDGsをうたっている企業もあります。
ここでは、企業がSDGsに取り組む際に陥りがちな「 SDGs ウォッシュ」についてご説明いたします。
SDGs ウォッシュとは
一見 SDGs に取り組んでいるようにみえて、実際にはその実態が伴わないビジネス展開を行うことを SDGs ウォッシュと言います。
例えば、SDGs に配慮したサービス・製品の販売をウリにしている企業があったとして、それに持続可能性の実態が伴っていなければ、その企業は SDGs ウォッシュが疑われます。その他にも、実際に環境に良い素材の衣類を販売していたとしても、服を作る工程で強制労働を強いることがある場合は SDGs ウォッシュと言えるでしょう。
英リサーチ&カンファレンス大手 Ethical Corporation のレポートによると、回答企業約 1400 社のうち 3 分の 2 以上が、自社が SDGs を事業戦略に入れていると発表しました。その中でも、明確な目標を設定し、SDGsが部署のなかでしっかりとビジネスに落とし込まれているのはわずか 12 %でした。
※参考サイト:Circular Economy Hub
意図せず SDGs ウォッシュになってしまう危険性
自社で SDGs に取り組む際には、表面のみでなく、しっかりとその取り組みや商品サービスに実態を持たせることが大切です。しかし、企業側が意図せずに SDGs ウォッシュをしてしまう場合があります。
例えば、輸送コストのかかる素材・パーツ等を使う時には注意が必要です。
環境に負荷をかけない素材を使い、人権・環境にまで配慮した製造方法を行っているとします。これは一見、健全な SDGs の取り組みとも言えるでしょう。しかし、その材料が船で輸送される場合、CO2 排出量が多く環境汚染や海の汚染をしてしまうこともあります。
このように、企業が意図せずとも SDGs ウォッシュを行ってしまっている可能性があるのです。
企業が SDGs に取り組む際に気を付けるべきこと
それでは、SDGs ウォッシュにならないためにどうすれば良いのか。
企業が SDGs に取り組む際に気を付けるべきこと・意識すべきことについて紹介していきます。
SDGs ウォッシュを避ける
まず、大前提として以下の 4 つを守ることが大切です。
- 根拠がない、情報源が不明な情報を避ける
- 事実よりも誇張した表現を避ける
- 言葉への意味が規定しにくいあいまいな表現を避ける
- 事実と関係性の低いビジュアルを用いない
※参考文献:電通 SDGsコミュニケーションガイド
特に 4 つ目では、環境に良い素材や材料を使用していないにものに対して、環境に良いものを使っているようなイメージを誘発するラッピングや広告等を使うケース等で注意が必要な項目です。
自社の中で SDGs の軸となる価値観を創る
持続可能性のある SDGs を行う際に企業がすべきことは「これが持続可能である」という軸・価値観を企業の中で創り、それに基づいて判断を行うことです。
持続可能な社会は、取り組みに正解があるようでしっかりと定められているわけではありません。それゆえに、真摯に SDGs に取り組もうとしている企業でもSDGs ウォッシュをしてしまう危険性があるのです。
SDGs の取り組みに対して軸となる価値観を創ることで、それを判断基準として日々選択を行い SDGs ウォッシュとならないビジネス展開を行うことができます。
意図せずとも、SDGs ウォッシュをしてしまうとクライアント企業や顧客から信頼を失うことになりかねません。しかし、自社の価値観に沿った SDGs への取り組みを行うことで、周りから「これは SDGs ウォッシュなのでは」と指摘を受けた際にも理論立てて説明を行うことができ、信頼を失う可能性も低くなります。
サステナブルの実態を伴う SDGs で環境にも人にも優しいビジネスを行う
以上、SDGs の基本から SDGs ウォッシュ、SDGs に取り組む際の注意点をご紹介しました。
ダボス会議で発表された通り、SDGs は環境や人に配慮した取り組みでありながら、経済成長の可能性も秘めた国際目標です。とは言っても、表面上で SDGs に取り組むことは、反対に企業がリスクを負うことにもつながります。
サステナブルの実態が伴うサービス・商品で SDGs に取り組み、自社ビジネスを成長させましょう。
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