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Webエンジニアがカスタマーサクセス業務を行う意義

Webエンジニアがカスタマーサクセス業務を行う意義

Posted by HirayamaKeigo | |Web,システム開発

スパイスファクトリー株式会社Webエンジニアの平山です。
現在は、株式会社サマデイ様が展開されている The Admissions Office の実装から、カスタマーサクセスまでを共同開発のかたちで幅広く担当しています。
カスタマーサクセス兼任のWebエンジニアとして入社した私が、サービスのカスタマーサクセス業務に携わり感じた事や、エンジニアがカスタマーサクセス業務を行う意義についてまとめています。

カスタマーサクセスとは

まず、カスタマーサクセスとは具体的に何を目指すものでしょうか。
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』によると、以下のように書かれています。

カスタマーサクセス (英: Customer success)は、顧客が製品・サービスを使うことで成功し、望ましい結果を達成することを支援するビジネス方法

また、カスタマーサクセスは、「自社の成功のために、顧客に良いものを提供する」という考え方ではなく、「第一に顧客の成功や満足を達成することで、結果的に自社の成功につながる」 という考え方が前提にあります。つまり、カスタマーサクセスにおいて、顧客を成功に導くまでの過程に企業が徹底的に寄り添うことが重要だといえます。

カスタマーサクセスの始まりとこれまで

カスタマーサクセスという考え方が普及してきたのは比較的近年のことで、注目を集めるきっかけとなったのがサービスのサブスクリプションモデルへのシフトでした。
カスタマーサクセスは、2018年頃既に米国で一大潮流となっていました。一方で日本では2018年、まだその波は到達した頃で、日本ではこの年が「カスタマーサクセス元年」と呼ばれています。

カスタマーサクセスはカスタマーサポートではない

どちらも CS と略すことができる上、響きも似ているため混同されやすいですが、 カスタマーサクセスはカスタマーサポートは異なる概念です。
比較すると下記のような違いがあります。

 カスタマーサクセス カスタマーサポート
 先んじて回避する、対応する 壊れたら直す、問われたら答える
 能動的 受動的
「リテンション率(継続率)」で成果を判断「1人が1日に完了できる対応件数」で成果を判断

ニック・メータ、ダン・スタイマン、リンカーン・マーフィー『カスタマーサクセス サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則』(英治出版、2018年)より

どちらかだけが必要ということではなく、異なる役割を持つものであるという認識が重要です。

エンジニアがカスタマーサクセスを行う意義

組織の大小や、体制によってエンジニアとカスタマーサクセスの関わり方は様々です。
弊社では、サービスの共同開発者として良いものをよりスピーディに作っていくため、エンジニアである私がカスタマーサクセスの業務も兼任しています。
エンジニアがカスタマーサクセス業務を担う意義としては、下記のようなことが挙げられます。

ユーザー目線でのシステム開発の実現

エンジニアがカスタマーサクセス業務に入る事で、エンドユーザーの意見を直接聞くことができます。サービスそのものを実装・構築する提供側でありながら、 実際の利用者の声をきくことが「ユーザーにとってより良いシステムにする」という意識に繋がります。
またサービスは、つくって終わりではなく日々改修を重ねていかなくてはなりません。
エンジニアがカスタマーサクセス業務に入る事で、昨日のユーザーからの声を今日実装に活かす、といった事も可能になり、サービスの品質向上の精度とスピードが上がります。

現行システムをよく理解した施策提案が可能

カスタマーサクセス担当は、画面上の動線変更やWeb上でのヘルプページの追加など、施策を行いたいときにそもそもシステムとして可能か、またどういった要件が必要かを検討しなければなりません。
エンジニアというシステム要件を把握している人材がこのポジションにつくことで、現在のシステムを上手く利用した実現可能性と費用対効果の高い打ち手を提案することが可能になります。

課題解決スピードの向上

カスタマーサクセス業務においてのコミュニケーションがシンプルになります。
また、カスタマーサクセス → エンジニアという伝達の工程をカットできるため、エンジニアチームへの共有も行いやすいです。自らも開発に加わることができるので、施策実行や課題解決への動き出しも早くなります。

カスタマーサクセス業務にあたって感じた事

Webエンジニアの私自身が、実際にカスタマーサクセス業務を行ってみて感じたことを紹介していきます。

ユーザーの生の声に触れることがやりがいに繋がる

自分の実装したシステムについて、直接ユーザーから感想を受けることができるので、やはりやりがいに繋がります。
もちろん、マイナスな意見を頂いた際は落ち込むこともありますが、開発者・施策提案者として勉強になると感じます。

ユーザーの意見がサービス向上のアイデアの種となる

ユーザーの意見は本当に貴重です。私自身も「この不満に対し、何を解決すればいいのだろう」というところから、新しいアイデアが生まれることがあります。
そこから実際に施策まで落とし込むのは大変ですが、エンジニアの視点だけでは思いもつかないような意見からアイディアを出せるのは、この業務の面白い部分であると思います。

ユーザー目線を持ったエンジニアとしての経験が積める

カスタマーサクセスに携わる以上、常に念頭に「よりユーザーにとって良いものは?」という考えを持っておく必要があります。
「機能」を実現する上で、その先にいるエンドユーザーを想像しながらの開発はエンジニアのキャリアとして貴重な経験になっていると日々実感します。

実は地道に取り組む業務が多い

「カスタマーサクセス」という響きから、画期的な何かを行なっているようにも思えますが、実際には地道な作業も多かったりします。
それがユーザーの為に繋がることであるなら、機能開発以外にも行うべきことは多いです。
マニュアルの見直しや、テキストの変更などもその一部であり、まだまだやれることは山積みです。

サービスは作って終わりではなく、手をかけて成長させていく

Webエンジニアとしてカスタマーサクセス業務に携わる意義や感じた事についてまとめました。
弊社は受託開発会社ですが、開発をするサービスと真剣に向き合い、カスタマーサクセスの領域まで幅広く支援を行っています。
納品して終わりではなく、納品後も引き続き責任を持って関わっていくという姿勢は弊社ならではです。興味がおありでしたら是非お気軽にお問い合わせください。

カスタマーサクセスの体制や業務内容については、スパイスファクトリーとしてもまた担当者である私自身もまだまだ試行錯誤中ではありますが、ユーザにとってより良いものを提供できるよう引き続き取り組んでいきます。

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参考
– 英治出版『カスタマーサクセス サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則
著書:ニック・メータ、ダン・スタイマン、リンカーン・マーフィー

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