2021年7月13日に開催されたセミナーにおいて、ShopifyJapan株式会社パートナーマネージャーの平田依里朱氏(以下、平田氏)、HubspotJapan株式会社シニアチャネルアカウントマネージャー宮滝悠佑氏(以下、宮滝氏)、スパイスファクトリー株式会社CTO 泰昌平(以下、泰)が「スケールする企業D2Cブランドサイトには秘訣がある。Shopifyを駆使して大きく育つサイトづくりを事例を交えて徹底解説」をテーマに解説した。
Contents
スピーカー紹介
D2Cオンリーではなく、D2Cファーストでの考え方
平田氏が所属するShopifyJapan株式会社が提供しているECサイト制作のプラットフォーム、「Shopify」は小売りのオペレーティングシステム全域をカバーし、販売・決済・マーケティング機能を提供している。
セッションで平田氏は、「D2Cブランドにおけるカスタマーサポートの重要性」、「D2Cを軸とした多種多様なチャネルの活用」について言及した。事例として、「Allbirds」と「Nagi」を紹介し、D2CブランドのSNSを活用した顧客とのコミュニケーションの醸成について説明した。
「国内外含めカスタマーサポートの部署は過小評価されがちなのですが、D2Cに関しては直接お客様とやり取りするのが肝なのでカスタマーサポートが大事になります。それが顕著に表れているのがSNSのアカウントです。D2Cブランドで伸びているところは、直接的に会話ができるチャネルに投資しお客様とのコミュニケーションに真摯に向き合っていることが多いです。」(平田氏)
さらに、平田氏はD2Cの今後について「D2Cモデル一択ではない」と語る。
「今多くの企業が注目してるのは、D2Cオンリーではなく、D2Cファーストで物事を考えていくことです。いかにデジタルを軸に様々なコミュニケーションや体験を設計していくか。D2Cを軸にして、従来型のパートナーシップや販売チャネルを上手く活用していくことが大事になってきています。」(平田氏)
多種多様なSaaSとの連携でCX強化へ
当社CTO泰は、「ShopifyとHubSpotの連携によるCXの強化」について言及した。
事例として、当社が全面支援させていただいた「NAGIE」を紹介し、ShopifyとHubSpotを駆使しブランドの世界観の表現に重きをおいたCX設計について説明した。
「CX設計を行う際に、まずはユーザーストーリーの作成にかなり時間をかけました。何もないところからブランドを立ち上げると、どこで何をしたらいいかわからない状況に陥ってしまいます。そこで顧客に対して『どういう体験をしてほしいのか』の定義と、各登場人物で分解したNarrativeFlowの定義を行い、『誰が何を行うべきか』について全登場人物の認識を合わせた上でECサイトの構築を進めました。」(泰)
今回、Shopifyの強みである多種多様なアプリとの連携を行うことで、機能拡張や他のSaaSとの連携を実現したという。その中でも、HubSpotとの連携によってCRMやMAツールの活用を行っている。D2CブランドにおけるHubSpotの具体的な活用方法として、次のように説明している。
「運用フェーズにおいて、HubSpotを使いユーザーとのコミュニケーションを加速させています。D2Cブランドにおいては、サイトを作って終わりではありません。そこからどうやってお客様と対話をして、ブランドを提供していくかが重要になります。その点において、HubSpotは強力なツールになると考えています。HubSpotのチャットボットやウェブチャットの機能によって、お客様が欲しい情報をすぐに提供したり、直接サポートとのコミュニケーションに繋げたりして、顧客との距離を縮めることができます。」(泰)
HubSpot×Shopifyで一気通貫型の最適な顧客体験を提供
宮滝氏が所属しているHubSpotJapan株式会社が提供しているソフトウェア「HubSpot」では、マーケティングからセールス、カスタマーサービスまでオールインワンでつながったソリューションを提供している。その中でも、HubSpotの軸となっているインバウンドの概念について、次のように説明している。
「現代においては、インターネットで自分で検索ができるため情報の透明性が上がっており、買い手は能動的に自分で調べて比較検討を行っています。つまりは、買い手中心の購買プロセスが進んでいるのです。しかし、それを知らずに売り手が売りたい情報を一方的に送り付けてしまうと、売り手が発信する情報と買い手が求めている情報との情報ギャップが生まれてしまう。そこでインバウンドによって、『買い手が何を求めているのか』のシグナルをいち早くキャッチして、それにあった情報を提供し、情報ギャップを埋めていくような作業を可能にしています。」(宮滝氏)
宮滝氏は現代のマーケティングにおけるインバウンドの重要性について言及した上で、D2CでのHubSpotの活用方法について解説した。D2Cの中でも、ShopifyとHubSpotはネイティブで連携しているため、個別での連携作業が不要で利便性が高いという。
「HubSpotとShopifyの連携からパイプラインやステージングの機能を用いて、それぞれのステージにオートメーションをかけることができます。自動化を使う目的の一つに、パーソナライゼーションがあると思います。適切なお客様に対して、適切なタイミングで、適切なコンテンツを配信するというマーケティングの極意の一つに対して、HubSpotのマーケティングオートメーション機能を使ってアプローチをかけることができるのです。」(宮滝氏)
「一番のポイントになるのは、マーケティングから購買のところまで一気通貫して行えるため、『どこから入ってきたら購入しているのか』などROI観点で分析できることです。こうしたことは、サービスの連携によって初めてみえてきます。ShopifyとHubSpotは簡単に連携できるからこそ、支持をいただいているのだと思います。」(宮滝氏)
今回のセミナーでは、各社それぞれがShopifyを駆使したD2Cの活用についての取り組みを紹介した。キーワードとして、各社とも「顧客体験」の創造があげられた。今後CX戦略において、多種多様なサービスの連携を強化し価値の相乗効果を生むことが重要になるだろう。
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スパイスファクトリーでは、Shopifyカスタマイズ開発やD2Cブランド支援に積極的に取り組んでいます。
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