こんにちは、スパイスファクトリー株式会社です。当社は、HubSpot認定プロバイダーとして、お客様の HubSpot 導入にも幅広く関わってきました。
本記事では、Salesforce から HubSpot へデータを移行してツールの乗り換えをする方法について解説します。Salesforce からHubSpot へツールの乗り換えを検討している方に向けてスパイスファクトリーのこれまでの経験をもとに、移行の具体的な方法や、注意点などもお伝えします。
HubSpot の導入や移行をご検討されている方は、ぜひ当社の HubSpot 導入支援のサービスページもご参照ください。
Contents
Salesforce から HubSpot へ乗り換えるメリット
Salesforce も HubSpot も共に、営業・マーケティング・顧客管理などを自動化・効率化するツールです。
営業活動もマーケティングも顧客管理も、企業が成果をあげるための重要な活動であり、それらを効率化するツールとして導入している企業も多いかと思います。
しかし、現状 Salesforce を利用している企業の方からは以下のような悩みを聞くことがあります。
- 価格が高い
- 機能が多すぎて使いこなすことができない
このような悩みは、Salesforce から HubSpot にツールを乗り換えることで解決できる場合があります。これからなぜ HubSpot に乗り換えることでこれらの問題を解決することができるのかを解説したいと思います。
HubSpot移行のメリット1:価格を抑えることができる
一般的にビジネスで必要とされる顧客管理(CRM)、マーケティング、セールスなどの機能について Salesforce を利用しようとすると、安くても10万円/月以上は必要になります。それに対し HubSpot は、無料プランから利用することが可能であり、有料プランについても最低5,400円/月~と Salesforce に比べると比較的安価です。
もちろん、実現したいことや使いたい機能、データ量によって必要となるプランは異なるため、いかなる場合も HubSpot の方が安いというわけではありませんが、この点は HubSpot に移行する大きな魅力だといえるでしょう。
くわしい料金については「Salesforce|Salesforce 価格表」、「HubSpot|HubSpot 価格表」をご参照ください。
HubSpot移行のメリット2:直感的でわかりやすいUI
Salesforce の長所は機能が充実していることです。基本機能が充実していることはもちろんですが、カスタマイズ等を行い既存システムと連携するといったかなり細かな要件にも対応できます。しかし一方で、機能が多すぎるために操作方法が複雑で難しく感じるといった声を聞くこともあります。Salesforce を導入したものの社員の中に使いこなせない人が出てきてしまったり、学習コストがかかってしまうという悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
それに対し HubSpot は、直感的に操作方法がわかりやすくUI/UXに優れている点が魅力です。ぜひ無料版でいいので、一度使って確かめていただきたいくらいです。
さすがに「学習コストがゼロ」とまではいきませんが、ツールやシステムに精通していない初心者の方であっても比較的容易に使いこなすことができます。
以上のような理由から、Salesforce から HubSpot への移行に魅力を感じ、弊社にお手伝いを依頼いただくお客様も多いです。 では、具体的にどのようにして移行を行えばよいのでしょうか?また、スケジュールなども気になると思います。
次の章から乗り換える際のスケジュールのイメージと、移行の方法を解説します。
Salesforce から HubSpot への乗り換えにかかる期間のイメージ
まずSalesforce から HubSpot へ乗り換える際のスケジュールのイメージについてご紹介します。
お客様の要望や、データの量によって変動してしまうのですが、弊社が担当させていただく場合は、単純なデータ移行にくわえて、新たな契約や移行するべきデータの精査や取捨選択、移行後の各種機能の設定にかかる時間も含めて 1 か月~ 2 か月程度になる場合が多いです。
また、移行するデータの量だけでなく、次の章からご紹介する移行の手段によっても期間は変化します。
Salesforce から HubSpot へ移行する方法
次に Salesforce から HubSpot へ移行する具体的な方法についてご紹介します。SalesforceからHubSpotへ移行する場合の基本的な流れは以下の通りです。
- HubSpot を新たに契約
- Salesforce で管理しているデータを HubSpot に移行し、HubSpot の設定を実施
- 移行が完了次第 Salesforce を解約して全面的に HubSpot の運用を開始
一番ネックになりやすいのが Salesforce で管理しているデータや設定を HubSpot に移行する部分です。
アカウントやユーザー権限の設定、 Salesforce では Pardot で設定していたような自動化機能などについては新たに設定をしていくしかありませんが、顧客情報などのデータ移行に関してはいくつかの選択肢があり、効率よく進められる可能性があります。
Salesforce から HubSpot へデータを移行させるには、主に2つの方法があります。
- HubSpot のマーケットプレイスに掲載されているアプリを利用してデータを移行する
- 手動でHubSpotにデータをインポートする
それぞれのくわしい方法、そしてメリット・デメリットについてご紹介します。
HubSpot アプリを利用して乗り換える
この章では、HubSpot アプリを利用して、Salesforce と HubSpot を連携し、データを移行する方法についてご紹介します。
HubSpot アプリを利用して乗り換えるメリット
まず、HubSpot アプリを利用して連携するメリットとしては、非常に簡単に、そして素早く連携することができる点が挙げられます。
具体的な説明は次の章でいたしますが、アプリをインストールし、画面の指示に従うだけで連携ができてしまいます。
HubSpot アプリを利用して乗り換えるデメリット
デメリットとしては、アプリを活用して連携できるデータ(オブジェクト)がコンタクト(顧客情報)など一部に限られていることです。
アプリのみでは Salesforce から HubSpot で使いたいすべてのデータを移行しきれない場合があります。
すべてのデータ移行が必要な場合、後にご紹介するカスタムオブジェクトの作成が必要になるケースもあります。
さらに、アプリで24時間以内にやり取りできるデータ量(APIコール数)には制限があります。
また、アプリを使用するためには Hubspot で Professional、Enterprise 以上のプランの契約をしている必要がある点にも注意が必要です。
HubSpotアプリを利用して乗り換える方法
ここからは、HubSpot アプリを用いて Salesforce と HubSpot を連携する具体的な方法を、実際の写真を用いて説明したいと思います。
①アプリをインストールする
まず始めに、HubSpot のマーケットプレイスを開き、HubSpot が開発した “Salesforce” というアプリをインストールします。無料でインストールすることができるため、安心してインストールしていただいて大丈夫です。
利用するためには Hubspot で Professional、Enterprise 以上のプランの契約をしている必要があります。
②画面の指示に従って Salesforce を連携させる
インストールが完了すると画面が自動で切り替わります。画面が切り替わったら、続いて画面の指示に従って設定を行っていきます。
難しい操作は必要なく、画面の指示に従うだけで連携の設定が完了するため、知識の少ない方でも安心して設定頂けると思います。
③同期の設定を行う
最後に Salesforce のどのデータを HubSpot にどのように同期させる(連携させる)のかを設定します。
こちらもアプリの設定画面からいつでも簡単に行うことができます。
Salesforce アプリのさらにくわしい仕様や連携方法に関しては、「HubSpot ナレッジベース|HubSpotのSalesforce連携をインストールする」をご参照ください。
手動で HubSpot にデータをインポートして乗り換える
続いて、この章では、CSV ファイルなどを利用して、Salesforce から HubSpot に手動でデータを移行する方法についてご紹介します。
手動で HubSpot にデータをインポートして乗り換えるメリット
CSV ファイルを用いて手動で Salesforce から HubSpot に乗り換えるメリットとしては、契約プランなどの影響でアプリを利用できない場合でもデータの移行をすることができる点が挙げられます。
Salesforce 側でデータをエクスポートし、その後に HubSpot 側でデータをインポートするだけなので、比較的簡単に移行することができます。
手動で HubSpot にデータをインポートして乗り換えるデメリット
デメリットとしては、アプリと同様に連携できるデータ(オブジェクト)が一部に限られていることが挙げられます。また、都度 CSV ファイルを作成する手間がかかってしまうこともデメリットとしてあげられます。
手動で HubSpot にデータをインポートして乗り換える方法
ここからは、手動で Salesforce と HubSpot を連携する具体的な方法を説明したいと思います。
①Salesforce から CSV ファイルにデータをエクスポートする
まず、Salesforce のデータを CSV の形式でエクスポートします。くわしいエクスポートの方法に関しては「Salesforce 公式|データのエクスポート」をご参照ください。
また、HubSpot に存在しないオブジェクトはインポートすることができないため、事前にどのオブジェクトのデータをインポートする必要があるかを確認しておきましょう。コンタクト(顧客情報)、会社(企業情報)、取引(商談管理等)といったオブジェクトがHubSpot にはデフォルトで存在しています。
HubSpot に存在しないオブジェクトをインポートしたい場合は、後述する「上級編:カスタムオブジェクトを作成することでデータ移行がさらに便利になる」を参考にしてみてください。
②CSV ファイルから HubSpot にデータをインポートする
続いて CSV ファイルを HubSpot にインポートします。くわしいインポートの方法に関しては「HubSpot 公式|インポートファイルの設定」をご参照ください。
また、場合によっては CSV ファイルの内容を HubSpot がインポートできる形式に編集する必要があります。
上級編:カスタムオブジェクトを作成することでデータ移行がさらに便利になる
最後に、この章では HubSpot のカスタムオブジェクトという概念を利用してデータを移行する方法をご紹介します。
カスタムオブジェクトを新たに作成するメリット
まず、カスタムオブジェクトを利用してデータを移行するメリットとしては、Salesforce のほぼすべてのデータを HubSpot に移行することが可能な点が挙げられます。
この方法を用いれば、HubSpot にデフォルトでは存在しないオブジェクトを作成して HubSpot で管理することができます。
Salesforce にはあるのにHubSpot には存在しないといったオブジェクトについても移行・管理できる点が魅力です。
カスタムオブジェクトを新たに作成して乗り換えるデメリット
非常に便利なカスタムオブジェクトですが、技術的な知識が必要になるというデメリットが挙げられます。
プログラミングの知識が全くない状態では取り組むことが難しい可能性が高いです。
また、HubSpot で最も上位のプランである Enterprise プランを契約している場合でないとカスタムオブジェクトの機能を使用することができません。
ご契約のプランによってはこの点もデメリットとなり得るでしょう。
カスタムオブジェクトを新たに作成して乗り換える方法
続いて、どのような方法でカスタムオブジェクトを利用するのかをご紹介します。
この記事では、技術的な話を避けるため詳細な解説はしませんが、さらにくわしい方法が知りたい方は「HubSpot Developers|HubSpot API Docs」をご参照ください。
具体的には JSON というプログラミング言語を使って、HubSpot の API を利用します。そうすることで、カスタムオブジェクトを作成・削除することが可能になり、 Salesforce から任意のデータを HubSpot のカスタムオブジェクトに 移行することが可能になります。
この説明だけでもわかるように、この方法はある程度プログラミングの知識が必要になります。そのため、社内にエンジニアがいない企業が独自に行うには難易度が高いといえるでしょう。
弊社のような HubSpot の導入や移行支援を行っている会社に相談を検討されるのもよいかもしれません。
SalesforceからHubSpotに移行して業務をさらに効率化しよう
以上、Salesforce から HubSpot にデータを移行する方法についてお話してきました。
まとめると、データの連携・移行方法には主に以下の2つが挙げられました。
- HubSpot アプリを利用してデータを連携する
- 手動でデータをインポートする
また、デフォルトで HubSpot に存在していないオブジェクトも含めた完全なデータ移行を実施する場合には、カスタムオブジェクトの活用が必要となり、利用可能な HubSpot の契約プランに制約がある点や、実行に一定以上のプログラミングの知見が必要になることが注意点です。
ツールの移行の場合、これまで使っていたツールはどこかのタイミングで解約することがほとんどだと思いますが、一度解約してしまうといままで使っていたデータは基本的に消滅してしまいます。
そのため、入念にバックアップを取っておいたり、移行するデータの精査は慎重に行う必要があります。
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