DX支援のスパイスファクトリー、田んぼオーナーに就任──塚本郷Re農vationで社員と育てる“ごはん3,000杯分”
3人家族で1年超のごはん。「生物多様性」と「社員の心」を耕すのか、スパイスファクトリーの新しい福利厚生が始動。
デジタル・トランスフォーメーションを⽀援するスパイスファクトリー株式会社(本社:東京都港区、代表取締役CEO:高木 広之介、以下 当社)は、2025年5月より、一般社団法人埼玉を食べるが運営する地域共創プロジェクト「塚本郷Re農vation」に参画し、埼玉県さいたま市桜区・塚本郷にて田んぼのオーナーとなりました。

埼玉県さいたま市桜区塚本郷の田んぼ(昨年5月の様子)
この発表は、国連が定めた「国際生物多様性の日(5月22日)」に合わせて行うものであり、企業が生物多様性の保全や自然との共生にどのように関わるかをあらためて見つめ直す機会と位置づけています。
さらに昨今、米の価格高騰や流通の不安定化といった現実的な課題が注目されるなかで、自分たちの手で育て、食べるという営みが、企業や暮らしにとって持つ意味も見直されています。
■塚本郷Re農vationプロジェクトとは―農を中心とした地域の再生へ
都市近郊に残された希少な里山を未来に手渡すため、「農」「自然」「文化」が交差する場を育む
そんな思想のもとで生まれたのが「塚本郷Re農vation」です。
かつてこの地域の農業は、米を“作って売る”ことで成り立つ「モノの産業」でした。しかし、需要の低下と価格の下落により、その構造に限界が訪れています。
そこで立ち上がったのが、「農」を“体験”や“つながり”として捉え直す取り組みです。
圃場整備をしていないヒューマンスケールな田んぼ。水の流れ、鳥やカエルの声、林を渡る風。四季を通じて自然のリズムに触れながら、地域の歴史や文化をまるごと味わえる環境がここにはあります。
■企業が田んぼに立つという選択
スパイスファクトリーは、「1ピクセルずつ、世界をより良いものにする。」をパーパスに掲げるDX支援企業です。
私たちはこの塚本郷Re農vationの思想に共感し、社会貢献としてだけでなく、社員の成長・企業文化の醸成・持続可能な社会デザインの実践として、このプロジェクトに参加することを決意しました。
この田んぼの広さは約1,500㎡(約1.5反)、自然農法※で育てたお米は玄米で約500kg。
お茶碗にすれば約3,000杯分──3人家族で毎日2杯ずつ食べれば1年と少し分のごはんに相当します。
収穫されたお米は、健康経営の一環として社員に配布するほか、全社カレーランチ会で活用し、子ども食堂などへの寄付も予定しています。
単に「育てて終わり」ではなく、食べてつながり、社会に還元するところまでを一貫してデザインしています。
また、当社は以下のような社会的意義ある活動に取り組んでまいります。
- 生物多様性の回復:里山・水田生態系に生息する多様な動植物のすみかを守る
- 気候変動への緩和策:水田による炭素吸収や冷却効果など、自然由来のクライメートソリューションを実践
- 地方創生への参画:地域資源の活用による経済循環、人材の地元回帰や関係人口の創出
- 持続可能な企業活動:ESG経営やSDGsへの実質的貢献
企業・地域・自然の三者が共に価値を生み出す「共創型の社会モデル」として、私たちは“田んぼに立つ会社”であることを、これからの選択肢として提案していきます。
※自然農法
化学肥料や農薬を使用せず、自然の生態系や土壌の本来持つ力を活かして作物を育てる農法。環境への負荷が少なく、生物多様性の保全にも寄与するが、一般的な農法と比較して収穫量は少なくなる傾向がある。

埼玉県さいたま市桜区塚本郷の田んぼ(昨年5月の様子)
■今後の取り組み
スパイスファクトリーは、田んぼオーナーとして、今後以下の活動を計画しています。
- 地元農家やプロジェクト運営団体と連携し、田んぼの維持・活用に協力
- 社員ボランティアによる田植え・稲刈り体験の実施
- 健康経営の一環として、収穫したお米を社員に配布
- 社内イベント「全社カレーランチ会」でのお米活用
- 子ども食堂につながるNPO団体等への寄付による、子どもの貧困対策支援
これらの取り組みを継続的に行うことで、CSRにとどまらず、福利厚生、生物多様性の保全、気候変動への対応(例:カーボンオフセット)、そして地方創生への民間企業としての貢献を、運営団体と協力しながら実現してまいります。
※CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)
企業活動において、社会的公正や環境などへの配慮を組み込み、従業員、投資家、地域社会などの利害関係者に対して責任ある行動をとるとともに、説明責任を果たしていくことを求める考え方です。
■塚本郷~Re農vationプロジェクト~運営 一般社団法人埼玉を食べる 代表理事安部邦昭コメント
安部邦昭氏(あべ くにあき)プロフィール
1973年、埼玉県さいたま市(旧大宮市)生まれ。自然環境の保全再生や農業支援、景観・参加型まちづくりを専門とする。大学で林学を学び、米国留学を経て、環境コンサルタントとして活動。現在、一般社団法人埼玉を食べる代表理事として、埼玉県内の農業と食の魅力を発信するマルシェの運営や、塚本郷Re農vationプロジェクトを推進。また、NPO法人都市づくりNPOさいたまの理事・事務局として、地域の持続可能な発展に寄与している。ほかにも、NPO法人生態工房の理事として特に都市域の自然環境の保全再生になどにも取り組んでいる。
<コメント>
この度、スパイスファクトリー様に当プロジェクトにご参画いただく運びとなり、深く感謝しております。
当地は、少なくとも1200年以上稲作が続けられてきた、伝統的な稲作を中心とした里山環境です。オオタカなどの猛禽類や里山環境の指標種でもあるニホンアカガエルなど、都心から30分という立地にもかかわらず、豊かな環境が残されているのが特徴です。こうした環境は、地域の農家さんたちによって代々受け継がれ、維持されてきました。
しかし、昔ながらの田んぼは、作業効率が悪く、経済合理性が低いために、結果として跡継ぎが現れず、貴重な里山環境は存続の岐路にあります。
そんな中で、都市近郊という立地を生かし、これまでの米づくりだけではない、地域を残すための新しい取り組みとして、4年前からRe農vationプロジェクトを始めました。
取り組みを進める中で、この先の地域の担い手を広げていく必要性を強く感じました。その一つとして、企業にその一翼を担っていただく方法を考えていたところ、縁あってスパイスファクトリー様にご参画いただく運びとなりました。
これから、当地での米づくりや地域づくりを一緒に進められることを、とても楽しみにしています。
■スパイスファクトリー株式会社 取締役CSO 流郷綾乃コメント
企業が田んぼを持つ。
一見すると遠い関係のようですが、会社という“土壌”をどう耕すかは、これからの社会にとってとても大切な問いだと思っています。
私たちは社員と一緒に苗を植え、稲を刈り取り、そのお米をごはんとしていただきます。
それは、働くことと生きることを見つめ直すささやかな体験であり、企業が自然や地域とどう関わるかという実験でもあります。
社員の心が耕され、地域に根ざす芽が育ち、生物多様性という大きな循環にもつながっていく。そんな未来に繋がっていってほしいという祈りを込めて。
スパイスファクトリーは「1ピクセルずつ、世界をより良いものにする。」というパーパスのもと、この会社法人として、社会に認められた“ひとりの人”として、どんな存在でありたいかを問い続ける会社でありたいと考えています。
■参考リンク
- 塚本郷Re農vation
- 一般社団法人埼玉を食べる
- Convention on Biological Diversity:International Day For Biological Diversity 22 May 2025 ”Harmony with nature and sustainable development”
■注釈|計算方法
※1:自然農法の収穫量は、1反あたり約330kgとされており、1.5反では白米約500kgの収穫を想定しています。
※2:1杯150gで換算 → 500kg ÷ 0.15kg ≒ 3,333杯 → 表記上「約3,000杯」としています。
※3:3人家族 × 1日2杯 × 365日 = 2,190杯 → 約1年4か月分に相当 →「1年超」と表現しています。
■ スパイスファクトリーについて
スパイスファクトリーは、DXを加速させるアジャイルマインドで企業や行政機関のデジタル変革を引き起こす”触媒(スパイス)”となるDX支援企業です。
これまでに、教育、医療、自治体、一次産業、物流、製造、エンタメなど様々な業界のDXに関わり、アジャイル開発のアプローチで迅速な価値創造を実現し、社会と顧客の課題解決に取り組み、事業の成長を支援してきました。当社は事業サービス構想の支援、システム開発、UI/UX、マーケティング支援など、多様な技術やノウハウの提供を可能としています。経営課題から現場の事業課題解決まで全方位の支援ができる360°デジタルインテグレーターとして、一気通貫でデジタル領域の課題に幅広く対応します。同時に、従来の受託開発の枠組みを超え、ユーザー中心設計を軸に顧客企業や行政機関と連携し、変化への対応力と俊敏性を高めながら、伴走して解決策を導き出します。
私たちのミッションは「革新の触媒」であり、パーパスは「1ピクセルずつ、世界をより良いものにする。」ことです。社会課題解決を追求し、新たなビジネスやイノベーション創出に貢献します。
会社名:スパイスファクトリー株式会社(Spice Factory Co., Ltd.)
代表:代表取締役CEO 高木 広之介
設立: 2016年3月
資本金:307,008,000円
東京本社:東京都港区台場二丁目3番1号 トレードピアお台場 20階南
京都拠点:京都府京都市下京区鶏鉾町493 ムーンバットビル7F コネクト京都
福岡拠点:福岡県福岡市中央区大名2-6-11 Fukuoka Growth Next
事業内容:360°デジタル・インテグレーション事業
公式Webサイト:https://spice-factory.co.jp
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