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HubSpot Marketing Hubとは?MA(マーケティングオートメーション)機能や活用イメージについて解説

HubSpot Marketing Hubとは?MA(マーケティングオートメーション)機能や活用イメージについて解説

アジャイルなシステム開発、デザイン、ブランディング、マーケティングを得意とし、全方位から企業の DX を支援するスパイスファクトリー株式会社です。
Hubspot の Marketing Hub 導入を検討しているものの、「どんな機能があるか分からない」「機能を活用してどんなことができるかイメージがつかない」といった悩みを持たれている企業も多いのではないでしょうか。そこで今回は、HubSpot 認定プロバイダーであるスパイスファクトリーが、Marketing Hub の機能や活用イメージについてご紹介します。

当社の HubSpot 導入支援サービスについては以下のページをご確認ください。

HubSpot導入支援/カスタマイズ開発

※この記事は2023年3月時点のデータを基にしております。

HubSpotとは

HubSpot とは、CRM を中核としつつ、企業のマーケティング・営業・カスタマーサービスなどの業務に必要な機能がそろったクラウド型プラットフォームです。
ドイツをはじめ世界中に拠点を持つ大手調査会社 Statista の調査「Market share of the leading marketing automation solution providers in the United States as of June 2021」によると、HubSpot は「MA市場でのシェア率 1位」を獲得しています。
HubSpot が世界中で広く利用されている理由として、CRMツールの中では比較的安価に利用できるという点が挙げられます。加えて、多様なニーズに合わせた機能が用意されている点も特徴です。HubSpot には、業務の目的にあわせて利用できる Marketing Hub・Sales Hub・Service Hub・CMS Hub・Operations Hub の 5つの製品と、無料の CRM機能が用意されています。これらの製品を組み合わせることで、マーケティングや営業、カスタマーサポートなど広範囲の業務を効率化することができます。

この記事では、HubSpot の 5つの製品のうちマーケティング活動で用いられる Marketing Hub に焦点を当ててご紹介します。

HubSpot Marketing Hubとは

Marketing Hubとは
HubSpot Marketing Hub とは、MA(マーケティングオートメーション)を実現するためのソフトウェアです。MA とは、見込み客の獲得から育成までのマーケティング施策を自動化する仕組みです。近年、デジタルマーケティングとしてデジタル技術を活用したマーケティング施策に注目が集まっていますが、MA はデジタルマーケティング実現のために有効な選択肢となります。
Marketing Hub を利用することで、いわゆる「リードジェネレーション(見込み顧客の獲得)」「リードナーチャリング(見込み顧客の育成)」「リードクオリフィケーション(見込み顧客の選別)」といったすべてのフェーズに対応できます。
具体的な活用例を挙げてみます。まず、見込み客の獲得に向け Webサイトを制作し、顧客情報を獲得。そのデータを基に、セグメントメールやステップメールなどを配信して顧客を育成しつつ、リードスコアリングやレポーティングにより顧客や施策の分析などを行う、といった一連の流れを回していくことが可能となります。

Marketing Hubを導入するメリット・デメリット

Marketing Hubを導入するメリット・デメリット
以下では MAツールとして Marketing Hub を導入するメリット・デメリットをご紹介します。

メリット

マーケティング活動に必要な機能がそろっている

Marketing Hub には、企業のマーケティング活動を一気通貫で対応できる機能がそろっています。これにより、他のツールを併用することなく、施策を実行できます。
また、Marketing Hub は、MA を実施する上で有効なベストプラクティスに沿って機能が用意されています。Marketing Hub に用意された機能を利用すれば、自然と効果的な施策を実施できるというメリットもあります。

CRM機能も利用できる

Marketing Hub を導入することで、HubSpot に用意されているCRM機能である「HubSpot CRM」を併せて利用できるようになります。よって、CRMツールを個別に用意する必要がありません。自社で既にCRM を利用していない場合は、HubSpot を活用することで簡単にデジタルマーケティング環境を構築できるでしょう。

価格が安価

他の MAツールと比較して比較的コストが安い点もメリットです。最も安いプランでは月額 6,000円で利用できるほか、機能に制限はありますが無料プランも用意されています。比較的規模が小さい企業においても利用しやすい価格帯といえます。

デメリット

一方で、Marketing Hub のデメリットはどのような点にあるのでしょうか。
一つあげるとすると、拡張性です。Marketing Hub は一般的に業務に必要とされる主要な機能を揃えているものの、機能の拡張性は低いといえます。HubSpot の比較対象になりやすい Salesforce においては、拡張性を重視した設計がされており、自社の業務や要件に合わせて機能開発を行うことができます。自社独自の多様な業務に対応しなければならない場合、Salesforce の活用も検討できるでしょう。
ただし、カスタマイズには開発コストやメンテナンスコストがかかる点に注意しなければなりません。近年では、「業務をシステムに合わせる」という考えのもと、SaaS を最大限活用する動きも一般化しており、過剰なカスタマイズは避けるべきともいわれています。

Marketing Hubの機能でできること

Marketing Hubの機能でできること
以下では、Marketing Hub に備わっている機能で何が実現できるかを、フェーズごとに紹介します。
なお、契約するプランによって利用できる機能は異なりますので、ご注意ください。

リードジェネレーションに利用できる機能

見込み顧客の獲得フェーズであるリードジェネレーションでは以下のような機能を活用できます。

LPの作成・管理

製品やサービスの紹介を行う LP(ランディングページ)の作成を行うことができます。ノーコードで画像や文章などの埋め込みができるので、専門知識がなくとも操作は簡単です。
LP サンプル

LP を通してサービス資料やホワイトペーパーなどを提供したい場合は、ファイルをアップロードして管理することができます。ファイルのダウンロード数も確認できるため、どの資料が顧客のニーズに合致しているのかといった分析も可能です。
また、SEO の観点でも最適化機能が用意されています。たとえば、下の画像のようにメタ情報に関するガイドが表示され、その内容に沿った SEO対策を実施することが可能です。
単なるLP制作にとどまらず、専門知識がなくともSEO対策を簡易的に実施できるため、作業負担の削減や効率化にもつながります。
LP SEO メタディスクリプション サンプル

フォームの作成・管理

問い合わせや資料請求の導線となるフォームなどの作成を行うことができます。フォームの作成も LP と同様にノーコードで作成することができます。
フォームは埋め込み型やポップアップ、スタンドアロンページなどさまざまな種類が用意されており、お問い合わせフォームや資料ダウンロードフォームなど用途に合わせて使い分けられます。
複数のフォームで運用し、検証することでフォームの項目やデザインの改善等を実施することができるため、EFO(エントリーフォーム最適化)を図ることができます。

CTAの作成・管理

CTA(Call To Action)機能では、アンカーテキストやボタン、バナーといった複数のタイプの CTA を作成することができます。
作成した CTA は上述の LP やフォームに反映することはもちろん、埋め込みコードを使って HubSpot外のページに表示することも可能です。(※HubSpotと外部サイトとの連携が必要)
また、HubSpot では CTA の ABテスト機能が備わっており、CTA の種類や文言の比較検証ができます。

広告管理・効果測定

Marketing Hub には、リスティング広告をはじめとした広告の出稿状況の管理や効果測定などを行う機能が備わっています。
Marketing Hub を利用すれば、コンバージョンに貢献している広告を可視化し、その効果を判定できます。また、CRM のデータを利用することで、ターゲティングを行うカスタムリストを作成することも可能です。

リードナーチャリングに利用できる機能

見込み顧客の育成フェーズであるリードナーチャリングでは以下のような機能を活用できます。

SNS活用

顧客ロイヤリティの向上にも有効な SNS活用ですが、Marketing Hub を利用することでその活用がより容易なものとなります。たとえば、オウンドメディアなどに記事を投稿した際に、自動で Twitter・Facebook・Instagram・LinkedIn などの SNS へコンテンツをシェアするように設定することもできます。また、投稿のスケジューリングも可能ですので、朝や夜などユーザーの目に留まりやすい時間を狙ってコンテンツを配信することも可能です。
SNS上でのユーザーのリアクションをモニタリングし、自社が発信したメッセージに対する反応抽出や、自社プロダクト名などを含んだ投稿の洗い出し機能を利用すれば、セールスのチャンスを増やすことができます。

メール配信

自社プロダクトの情報や業界動向などを定期的にメールで発信し、見込み顧客を育てていく戦略は有効です。Marketing Hub では、Eメール機能を用いてメールマガジン・ステップメール・セグメントメールなどを実現できます。Marketing Hub では、顧客の属性に合わせたメールのパーソナライズや、開封率・スルー率による効果測定が可能です。
メールの作成にあたっては、あらかじめ用意されている豊富なテンプレートを利用することで、簡単にデザイン性の高いメールを作成できます。
メール テンプレート

ワークフロー自動化

企業においてマーケティング活動に割ける人的なリソースは限られています。その中で最大限の効果を発揮するためには、各種施策を可能な限り自動化することが望ましいといえます。
Marketing Hub では、ワークフローの自動化機能により容易に処理の自動化を実現できます。たとえば、顧客のWebサイトへのアクセスをトリガーとしてメールを配信したり、フォームが送信された際に顧客の担当者を割り振り、内部通知をするなどができます。

キャンペーン作成

近頃では、マーケティング手法の多様化が進み、一つの施策ではなく複数を同時に走らせパフォーマンスを比較検証するケースが多いです。
しかし、各施策のデータや顧客データが散らばっていると、どの施策が成果を出しているのか、成約できているのかといった確認が煩雑になってしまいます。
HubSpot では、キャンペーン機能を使うことで、広告・フォーム・ブログ・Eメール・CTA などの複数の施策をひとつの画面で管理できるようになります。
各施策のパフォーマンスをひとまとめに管理することで、全体からみて今後どの施策に注力すべきかといったことを適切に判断できるでしょう。

リードクオリフィケーションに利用できる機能

リードクオリフィケーションのフェーズでは以下のような機能を活用できます。

スコアリング

マーケティング活動は、顧客のフェーズに合わせて適切な施策を打つことが求められます。HubSpotではスコアリング機能を用いることで顧客にスコアを与え、顧客を選別することができます。
たとえば、送信されたフォームや開封したメール、特定のページの閲覧履歴などのデータを基に 10段階のスコアを割り振るといったことが可能です。
スコアリングにより質の良い見込み顧客を判別することで、重点的にフォローアップすべきターゲットの絞り込みができ、施策の優先順位を明確することができます。

レポート・ダッシュボード作成

リードクオリフィケーションのフェーズに限りませんが、レポート機能を利用することで蓄積された情報を活用してデータを可視化することができます。
デフォルトで複数のレポートが用意されているため、手軽にパフォーマンスを確認することが可能です。また、プランにもよりますが、自由にカスタムでレポートを作成することができます。
さらに、ダッシュボード機能を用いて、作成したレポートをひとつにまとめることも有効です。作業効率化のためにも、週次、月次といった定期的に確認する必要があるデータはダッシュボードにまとめておきましょう。

Marketing Hubの具体的な活用イメージ

Marketing Hubの具体的な活用イメージ
ここまで、Marketing Hub の様々な機能をご紹介しました。以下では、Marketing Hub の具体的な活用方法を「訪問者を惹きつける」「リード転換を促進する」「レポートを作成しカスタマイズする」の3つのフェーズに分けてご紹介します。

リードナーチャリング
※図はHubSpot公式ページをもとに当社が作成

訪問者を惹きつける

まずは、ブログや広告、動画などのコンテンツを用いて潜在顧客を惹きつけます。
たとえば広告を運用するとなった場合、HubSpot と連携することで Marketing Hub 上でインプレッション数・CTR(クリック率)・CV単価などの指標や、広告経由で育成された顧客情報を確認することができます。
特に、Google広告・Facebook広告など複数の媒体で運用している場合、各媒体の効果比較も容易です。どの媒体に広告費を投下すべきか判断しやすい環境を構築できます。

広告 サンプル

リード転換の促進

つぎに、広告で獲得した顧客データを活用し、メールマーケティングで顧客の購買意欲を引き上げます。ここでは、ワークフローを用いてステップメールを実施すると想定します。
まず、どのような頻度でどのようなコンテンツを配信するかといったシナリオを設計します。そのシナリオに沿って、必要なメール分をマーケティングEメール機能で作成していきます。
以下のように、デザイン性の高いテンプレートメールが用意されているため、簡単に作業できます。

メール サンプル

メールの作成後、ワークフローに落とし込んでいきます。
はじめに、トリガーの設定にて顧客情報に対象の広告キャンペーンのデータが入っている顧客に絞り込みます。これにより、本ワークフローで対象となる顧客の絞り込みができます。
その後、上で設計したシナリオに基づき、以下の画像のようにメール送信のアクションや遅延時間、条件分岐などを設定していきます。

メール ワークフロー サンプル

UI が分かりやすく、感覚的に設定できるため、学習コストもほとんどかけずに施策を実行することができます。

レポートを作成しカスタマイズする

Marketing Hub の Professionalプラン以上を契約すると、レポートのカスタマイズも可能となります。ここでは例として、広告ごとの効果測定を行う際に必要な数値だけを集約したカスタムレポートを作成します。
以下は、インプレッション数・クリック数・支出金額を確認できるレポートの例です。

広告 レポート サンプル

HubSpot のレポートを利用することで、わざわざ媒体側に数値を確認しにいく手間を省けるほか、作成したレポートを他のレポートと一緒にダッシュボードに追加することで閲覧したいレポートを同時に確認することができます。

HubSpot導入・運用事例

以下では当社でご支援させていただいた HubSpot に関する事例をご紹介します。

東京エレクトロン デバイス株式会社様

ネットワークやストレージ、サーバーなどの機器や最先端のセキュリティ製品を提供する東京エレクトロン デバイス株式会社様の HubSpot 導入・運用支援に携わりました。
本プロジェクトでは、外部SFA との API連携や名刺管理ツールとの情報統合などのエンジニアリング要素に加え、Marketing Hub を活用したマーケティングフローを設計するなどマーケティング要素での支援も実施。HubSpot への情報一元化により、マーケティング活動のROI測定などを実現できるようになりました。
詳しい内容は、以下からご覧ください。
東京エレクトロン デバイス株式会社|HubSpot導入・運用支援

株式会社mct様

企業における事業開発・デジタル変革・CX変革などを支援されている株式会社mct様。当社では、HubSpot CMSを活用したコーポレートサイトリニューアルを実施させていただきました。同社では、従来 WordPress によりコーポレートサイトを構築・運用されていましたが、マーケティング強化の必要性などから CMS機能を備えつつ MA や CRM など機能拡張も可能である HubSpotCMS へ移行。
本プロジェクトでは、お客さま側の HubSpot CMS に関する知見を補いつつ、お客さま側でも作業を実施するなど、併走型でプロジェクトを実施しました。
詳しい内容は、以下からご覧ください。
株式会社mct | HubSpot CMSを活用したコーポレートサイトリニューアル

Marketing Hubの料金

Marketing Hub は、以下のプラン形態が用意されています。

Marketing Hub 料金表
※図はHubSpot公式ページをもとに当社が作成

各プランの詳細については HubSpot公式ページもご覧ください。

Marketing Hub の活用にお悩みの場合はプロに相談

この記事では、HubSpot の Marketing Hub の機能や活用イメージについてご紹介しました。HubSpot の対応領域は広く、スモールなスタートから大規模な導入まで可能です。
どのような体制で HubSpot を導入していくか悩まれている場合は、一度知見のある企業に相談してみることをおすすめします。
当社では、HubSpot の豊富な導入実績を基にお客さまのご相談にお答えさせていただいております。ぜひお気軽にお問い合わせください。

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