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ECサイトをShopifyに移行したい!失敗しないためにおさえておくべきポイントを徹底解説

ECサイトをShopifyに移行したい!失敗しないためにおさえておくべきポイントを徹底解説

こんにちは。ShopifyExperts (ショッピファイエキスパート:Shopify が公式に認定している開発パートナーのこと)の知見を活かし、クライアント企業の Shopify構築を支援しているスパイスファクトリー株式会社です。

この記事をお読みの方は、現在自社のECシステムを 「Shopify(ショッピファイ)」へ移行を検討されている方が多いのではないでしょうか。結論、移行先の ECプラットフォームとしてとても良い選択だと考えます。

しかし、カートシステムの移行は ECサイト運営企業にとって一大事であり、少なからずリスクも伴います。そこで、本記事では ECカートシステムを Shopify へ移行するメリットと、Shopify への移行にあたって後悔しないために注意すべきポイントも合わせて解説します。

そもそもECシステムの移行を検討すべきタイミング

この章ではまず、カートシステムの移行を検討すべきタイミングはいつなのかを解説していきます。

取り扱い商品量や注文件数が増加するなど事業が拡大してきたとき

ECサイトを運営する中で、取り扱い商品量や注文件数が増加するなど事業拡大が見込まれた場合は、カートシステムの移行を検討するタイミングのひとつです。
サイト内のトラフィック量が増加すると、サーバーなどのインフラ面での負荷が大きくなるほか、扱う商品数やカテゴリ増加に伴い、サイト内を訪問客にとって分かりやすくカスタマイズする必要が出てきます。このタイミングで既存のシステムでは対応が難しそうであれば、システム移行の検討をする必要があるでしょう。

既存のシステムが古くなってきたとき

ECサイトのシステムが老朽化した場合、メンテナンスの重要性が高まり、コストが膨らみがちです。また、新しいサイトと比べデザインも古いことから、ユーザーにとっても管理者にとっても、使いやすさなど機能面で悪影響が出ていることもあります。現在運用している ECサイトの年数やデザイン、維持にかかっているコストなどを参考に、移行を検討しましょう。

連携している基幹システム等のリニューアル時

カートシステムそのものではなく、企業の基幹システム等をリニューアルする場合も、システム移行の検討タイミングのひとつです。商品情報や顧客情報などの連携のため、ECサイトと基幹システムを連携している企業も多くあります。
そのような場合、基幹システムをリニューアルする際には ECシステムとの連携開発も発生するはずです。せっかく開発をするのであれば、同時にECもリニューアルすると、1度の開発で済むことから労力や経費削減にも繋がるという観点もあり検討の機会にあがるケースが多いです。

定期販売など新たな取り組みをはじめたいとき

ECサイト内のサービスで新たな取り組みをはじめたいが、既存のシステムでは対応できないといった場合も、移行を検討するタイミングでしょう。
最近ではサブスクリプション(定期購買)型のような新たな販売モデルを展開しようとしているサービスも増えています。
他にも、Salesforce や HubSpot といった「CRM/MAツール」を活用して、集客や顧客のエンゲージメント向上の取り組みをしたいといったケースも増えています。
上記のような新しいツール導入や取り組みを実施する際に、既存システムでは対応できない、もしくは対応できるが開発に大幅なコストや時間がかかるといった場合にはシステムの移行が視野に入ってきます。

Shopifyに移行するメリット

カートシステムを Shopify に移行するメリットを大きく3つに分けて詳しく解説していきます。

小規模から大規模まであらゆる規模のECに対応できる

小規模から大規模まで、すべての規模感に適した使い方ができるのは Shopify の大きなメリットです。従来の ECサイトでは、規模感に合わせたカートシステムの移行が主流でした。しかし、Shopify はプランを変えたり、カスタマイズをすることで小規模から大規模まで1つのプラットフォーム内で柔軟に対応できます。将来的な事業成長を見据えたときに、システム移行の手間を考えなくて良いことは事業者としては大きなメリットでしょう。

また、Shopify には大規模な ECサイトや大手企業が採用を決断できるだけのメリットがあります。

    • 高いセキュリティ性
    • 強固なインフラ(サーバーは Shopify 管理のため、自社での対応は不要)
    • 豊富な決済方法
    • 大規模な EC や大手企業向けのプラン「Shopify Plus」も完備

高いセキュリティや強固なインフラなど、ECサイトに必須の機能が揃っているため、大手企業からも選ばれています。

Shopify のメリットについてさらに詳しく知りたい方は、Shopifyとは?ECカートでShopifyを選ぶメリット・デメリットをご参照ください。

他のシステムとの連携・カスタマイズ、機能の拡張性(アプリ)

ECサイトの移行を検討する際、商品データや顧客データの移行は当然行いたいでしょう。同時に、基幹システムとの連携や CRM・MAツールも移行、連携したいと考えるはずです。Shopify では、これらのカスタマイズ開発が可能です。

既存システムとの連携開発もできますし、豊富に提供されている Shopify アプリを活用することで、ニーズに応じた機能拡張が簡単に行える点も他のシステムにはない魅力でしょう。

柔軟かつ簡単に使いやすいデザインが作れる

ECサイトを移行するからには、見た目から素敵なサイトにリニューアルしたいと考えるのが当然でしょう。Shopify では、「見た目がオシャレ」といった感覚的なデザインはもちろん、UI/UX の視点からお客様にとって買いやすく使いやすいECサイトの制作が可能です。

目的別の豊富なデザインテンプレートがあり、簡単な変更であれば、プログラミングスキルがなくても使いやすいサイトが構築できます。また、プログラミングスキルがあれば、使用テーマ(Shopify の構築に使用できるデザインのテンプレート)を細かくカスタマイズすることもできるため、自社だけのオリジナルデザインを作ることも可能です。

テーマのカスタマイズについては以下の記事も参考にしてください。
Shopifyテーマ開発をチームで行う仕組みづくり

Shopifyへの移行で失敗しないために気を付けるべきポイント

前章でも述べた通り、Shopify には多くのメリットがあります。しかし、まだまだ発展途上のプラットフォームのため、意外な部分でつまずいたといった声も聞きます。ここでは、Shopify への移行で失敗しないために、あらかじめおさえていた方が良いポイントを解説します。

テーマやアプリなど海外製のものが多い

Shopify は、2017年に日本向けにローカライズされたカナダ発のプラットフォームです。そのため、2022年現在では、テーマや通知メールなど一部の機能では翻訳作業が必要です。また、テーマ内のフォントは、英語フォント前提のものが多いため、そのまま日本語フォントに変換すると行間や文字間隔に違和感が発生することもあります。
微調整を行うためには、HTML/CSS のコード編集スキルが必要となり、一定の知識とスキルがないと調整が上手くいかない場合もあります。

さらに、メリットでもある Shopify アプリには海外製アプリが多く、管理画面やベンダーへの問い合わせも基本的に英語のみしか対応していないことが多いです。Google翻訳などの翻訳ソフトも進化しているため、メールやチャットでの英語対応なら問題ないと考える方もいますが、細かいニュアンスを伝えにくいこともあるため注意が必要です。

他にも、海外で対応を行うため、現地サポートとの時差が生じてレスポンスが遅いなどの不都合もあります。海外製のアプリ活用が不安な場合、アプリの仕様に知見のある会社に相談したり、同じような機能で日本の会社が開発しているアプリがないか探したりしてみると良いでしょう。

ほとんどの場合Shopifyの標準機能だけではやりたいことのすべては実現できない

Shopify にはシンプルに ECサイトを運営する機能は整っています。ただし、昨今の ECサイトには多様な機能が求められており、標準機能だけですべてを賄うことはできないケースがほとんどです。標準機能では足りない必要機能は、数あるアプリから選定して実装する必要があります。

たとえば、弊社にご相談をいただくお客様の多くから要望をいただく、Shopify の標準機能に実装されていない機能は以下です。

  • ポイント機能
  • 会員自身で退会手続き
  • 配送日時指定
  • お気に入り登録

上記のように標準には実装されていない機能が必要であれば、アプリ活用や開発を検討する必要が出てきます。移行を検討する際は注意しましょう。
弊社のShopify ECサイト構築サービスはこちら

アプリの仕様やアプリ間の干渉に注意

Shopify のアプリは、プログラミングスキルがなくても拡張機能が手軽に使えるため、非常に便利です。ただし、アプリも万能ではないため、求める機能を100%実現できない仕様になる場合があります。また、複数のアプリを併用する中で、アプリ同士が干渉してしまうこともある点を、あらかじめ認識しておいた方が良いでしょう。事例をご紹介します。

例:割引の併用

Shopify には、ポイントアプリとクーポンアプリを併用できないといったケースがあります。Shopify ではシステム上、ポイントもクーポンとして認識しています。そのため、ポイントとクーポンの併用としてではなく、クーポン同士の併用扱いと認識されてしまうため併用できないのです。

このように Shopify は、アプリの拡張機能が使えることが強みですが、細かい部分で落とし穴がある場合もあります。Shopify への移行前にどうしても譲れない条件については整理して、実装が可能かどうか事前に確認しておくべきでしょう。

URLのリダイレクト設定が必要

Shopify では移行する際に、旧 ECサイトの URL を新サイトへリダイレクトする機能があります。設定には、どの旧 URL を新 URL にリダイレクトさせるか事前に洗い出ししておく必要があります。この設定作業は、意外と忘れがちですので、忘れないように認識しておきましょう。

お客様パスワードの移行ができない

Shopify は、顧客情報や商品情報の移行が可能なプラットフォームです。しかし、お客様がログインする際のパスワードは、暗号化されているため引き継ぎできません。引き継ぐには、お客様自身に再設定してもらわなければいけません。

この問題は Shopify に限らず、カートシステム移行の際には必ず伴う問題です。十分な準備期間を確保して、お客様に移行のアナウンスを行うなどの対応を進める必要があります。

日本の商習慣に合わない部分がある

Shopify は、カナダ発のプラットフォームであるため、日本特有の商習慣にまだ対応できてない部分があります。具体的な例を紹介します。

代引き決済の対応が不十分

Shopify にはさまざまな決済方法があり、その中には代引き決済があります。しかし、チェックアウト画面の合計金額に、「代引き手数料」が表示されません。別途、手数料がかかる旨を記載するなどしてお客様にご案内する必要があります。

※最上位プランであるShopify Plus であれば、手数料の表示もできます。Shopify の代引き決済について詳しく知りたい方は、こちらをご参照ください。

注文CSVデータの都道府県情報が特有のコード表記

通常の配送時の連携には、CSV データを使う場合が多いです。しかし、Shopify では都道府県情報が「東京都→JP13」のように独特のコード表記で表示されます。アプリやスプレッドシートで別途変換すれば問題はありませんが、現在の日本の商習慣にはない概念のため、使いにくく戸惑う方もいるでしょう。

ストア作成だけでは商品は売れない

Shopify は、大手 ECサイトである「Amazon」や「楽天」のようなモール型 EC ではありません。そのため、自社サイトを作ったら自分たちで集客する必要があります。ECサイト作成や移行作業だけで手一杯になり、集客は想定から抜けていたなどの声は意外と多く聞きます。Shopify には、SNS連携など集客やマーケティングに役立つアプリもあるため、移行後の集客についても早い段階から考えておきましょう。

要件をしっかり整理してShopifyに移行しよう!

ここまで、Shopify へカートシステムを移行するメリットと注意点についてご紹介してきました。
ECサイト移行後に「必要な機能やサービスが実現できなかった」となるのが一番良くありません。事前に移行にあたって実現したい部分を洗い出しておくのと、すべての要件が実現できない可能性も備えて、優先順位を定めておく必要があります。
Shopify は多くの EC事業者にとってメリットの多いプラットフォームです。
移行前の準備を入念に行い、スムーズな移行を実現しましょう。

スパイスファクトリーは2022年現在、高い開発力を強みに、日本で50社程度しかない Shopify Expert として多数のプロジェクト支援実績を有しております。詳しいサービス内容については、当社HPの、Shopify ECサイト構築に関するページをご覧ください

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