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Shopify Plusとは?できることや通常プランとの料金の違い、採用すべきかの判断軸まで解説

Shopify Plusとは?できることや通常プランとの料金の違い、採用すべきかの判断軸まで解説

こんにちは。ShopifyExperts (ショッピファイエキスパート:Shopify が公式に認定している開発パートナーのこと)の知見を活かし、クライアント企業の Shopify構築を支援しているスパイスファクトリー株式会社です。

この記事をお読みの方は、現在自社の ECシステムを 「Shopify(ショッピファイ)」に移行することを検討されている方や、すでに Shopify を使われている方で Shopify Plus は自社にマッチするのか、必要であるかが知りたいという方ではないでしょうか。結論、大規模な ECサイトのプラットフォームとして活用するのに非常に有効だと考えています。

本記事では Shopify Plus のメリットや Shopify Plus の活用方法も合わせて解説します。

Contents

Shopify Plus とは?

Shopify Plus は、カナダ発の ECプラットフォーム Shopify のプランのひとつで、Shopify は「エンタープライズ向け」と謳っている世界トップクラスのコマースプラットフォームです。大規模な ECサイトを構築・運用する人向けのプランと位置づけられています。

日本では、この Shopify Plus の開発等に対応できるパートナー企業がまだ少ないこともあり、活用事例も少なく知名度は低いのが現状です。

しかし、大規模開発や複数店舗展開を行なっている企業にとっては、Shopify のエンタープライズ向けプラットフォームとしての魅力を最大限に引き出し、運用スタッフの負荷軽減も望める魅力的なプランであることは間違いありません。

そもそもの Shopify のメリットと Shopify Plus のメリットについて

この章では、そもそもの Shopify のメリットと Shopify Plus のメリットについて解説していきます。

Shopify のメリット

こちらの記事では、Shopify Plus について解説をしていきますが、Plus プランは Shopify の基本的なメリットの延長線上に存在しています。Shopify の特徴やメリットについてご理解いただいた上で読み進めていただくことをおすすめします。

ECプラットフォームとしての Shopify の基本的なメリットや特徴は、下記の記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。
Shopifyとは?ECカートでShopifyを選ぶメリット・デメリット

Shopify Plus のメリット

Shopify Plus のメリットは、Shopify の既存機能に加えて追加 API の開放や専用アプリの利用、各種機能制限の上限値引き上げなどがあります。たとえば追加 API の開放の例としては、SSO(シングルサインオン)という顧客の SNS 等のログイン情報でECサイトに会員登録・ログインができる機能を実装可能です。
ユーザーによっては、会員登録が面倒で購買意欲が落ちる場合もありますので、 SSO(シングルサインオン)は、購買意欲の低下を防ぐという大きなメリットになるでしょう。

また、詳細は以降の章で紹介していきますが、通常プランでは Shopifyアプリを複数インストールして実現していたような機能が、Shopify Plus では標準機能として使用できるようになっています。そのため、導入する必要のあるアプリが少なくて済むことから、ストア表示の高速化などにもつながることもメリットとして挙げられます。

Shopify の通常プランと Plus プランの違い

Shopify の通常プランと Plus プランでは、料金や機能面で大きく違いが出ます。
基本的な違いは以下の表をご参照ください。

Shopifyのプラン別年払い価格表(※Shopify の情報をもとにスパイスファクトリーにて作成 2023年7月現在)

 

ShopifyPlusの主要機能表

自社が Shopify Plus を採用するべきかをどう判断すればいい?


自社が Shopify を利用する場合、Plus プランを選択することが適当か判断に迷う人も多いはずです。

Shopify Plus の機能を活用することで、通常プランでは実現が複雑な機能をスムーズに実現でき、構築や運用を大幅に効率化できる場合があります。そのため、EC構築の要件の中に、Plus 特有のアプリや機能を活用する必要があるかどうかが採用判断の大きなポイントとなるでしょう。

以下のような要件が必要な場合、Shopify Plus の検討をした方が良いと考えられます。

  • 取引量が多い大型ECの制作・リプレイスを検討している
  • チェックアウト(購入フロー)ページのカスタマイズが必要(例:カートPに任意の入力欄など追加が必要な場合)
  • 複数のECサイトを構築したい
  • toC のサイトと並行して toB 向けの卸売サイトも展開したい
  • 在庫ロケーション数が非常に多い(9か所以上)
  • 関わるスタッフ数が多い
  • SSO(シングルサインオン)を利用したい場合
  • 業務フローの自動化やイベント設定の開始・終了の予約などをしたい

以下、Plus プラン採用の決め手となるような Shopify Plus の専用機能について解説します。

Shopify Plus 採用の判断軸になり得る構築要件と Plus プラン特有の機能


上記であげた Plus プランの判断軸になる要件について、それぞれなぜなのかを解説していきます。

取引量が多い大型ECの制作・リプレイスを検討している

あくまで弊社の感覚値ではありますが、月あたりの売り上げ規模が 1,000万円以上である場合、Shopify Plus の検討をしても良いのではと考えます。

Shopify の利用有無に関わらず、売り上げが月1,000万円を超えてくると、新たな取り組みのためにECシステムのリプレイスなどを検討しはじめる企業が増えてくる傾向が見られます。
今後の更なる売り上げ規模拡大を踏まえると、このタイミングで Shopify にカートシステムを移行するのであれば Shopify Plus を検討しても良いと考えます。
取引量の増加にあわせ、この後ご紹介するような要件を実現したいといったケースが想定されます。その際、Shopify Plus は魅力的な選択肢に映るはずです。
管理の仕組みやマーケティング施策を検討するためのひとつの目安として参考にしてもらえればと思います。

チェックアウト(購入フロー)ページのカスタマイズが必要

Shopify 通常プランでは編集できないチェックアウトページのソースコードの編集が可能になります。カートページに任意の入力欄など追加が必要な場合や、メーカーによって配達指定日に選べる日付が変わるようなケースで役に立つでしょう。

複数のECサイトを構築したい

Shopify Plus では、同一アカウント内で最大10サイトまで Shopify Plus 仕様でのECサイトとして作成可能です。
海外向けのサイトを日本語サイトの翻訳等で対応すると構造上、画面表示やデザインなどに無理がでてしまう場合があります。個別の言語・通貨に合わせた使いやすいECを設計していきたい場合などに有用でしょう。

toC のサイトと並行して toB 向けの卸売サイトも展開したい

Plus プランには、Wholesale Channel という卸売サイトなどの設計を想定した機能があります。ユーザーによって表示する商品の値段を変えることができ、招待されたユーザーのみがアクセスできるようにパスワードでロックをかけることが可能です。
通常のユーザーに加え、卸売のバイヤー向けの販売を行いたい場合に便利な機能です。

在庫ロケーション数が非常に多い(9か所以上)

通常プランの中での最上位プランである「プレミアム」プランでは、在庫の補完先である「ロケーション」として登録できる数が8か所までとなっています。Shopify Plus ではロケーションの登録数が20か所までに拡大されますので、在庫ロケーションが複数かつ全国に点在しているような場合に有用です。

関わるスタッフ数が多い

通常プランでは、スタッフアカウントの数に制限があります(ベーシック2人・スタンダード5人・プレミアム15人)。しかし、Shopify Plus はスタッフ数は無制限となるため、16人以上の運営スタッフが存在する場合は、Plus プランがよいと考えられます。

SSO(シングルサインオン)を利用したい場合

Shopify Plus では、LINE や Yahoo などといった別のサービスのアカウントログイン情報を活用して自社ECにログインさせる SSO(シングルサインオン)に対応できる「Multipass」という機能が使用可能です。Shopify が公式に提供している機能のため、セキュアなアクセスが保証されている点も安心材料のひとつといえます。

業務フローの自動化やイベント設定の開始・終了の予約などをしたい

Shopify Plus で実装可能な業務フローの自動化やイベント設定が可能です。

Shopify Flow という業務自動化アプリがあり、業務フローの自動化ができる

※Shopify FlowはShopify Plus 専用のアプリでしたが、2022年夏のアップデートによりスタンダードプラン以上の Shopifyプランで利用することが可能になりました。
Shopify Flow という業務自動化アプリがあり、業務フローの自動化ができます。100種類以上のテンプレートが用意されており、これらのテンプレートを活用することも可能です。ECサイトでの行動をトリガーに、様々なアクションを自動で行います。
例:在庫が一定の数より少なくなった際に倉庫や担当者にメールを送信する、顧客の合計購入回数に応じて特定のタグを付ける等
Shopify Flow についての詳細は以下の記事に詳しいので、ぜひご参照ください。
Shopify Flowとは?できることやメリット、実際の使用方法を解説

Launchpad という Shopify Plus 専用の Shopify 純正アプリがあり、時間設定したイベントをスケジュール実行できる

Shopify の通常プランでは価格や画面表示の変更、公開の自動開始、自動終了などの機能があまりないのが現状です。Launchpad を使えば時間設定したイベントをスケジュール実行できます。
例:セールやキャンペーンなどにあわせて商品の価格変更を事前に設定しておく、事前に指定した時間にサイトのテーマを別のものに切り替える等

Shopify Plus でも実現できないことがあった時にはどうする?


Shopify Plus は価格が高いため何でもできると思われがちですが、Plus プランでも実装不可な機能要件はあります。Shopify の利用を開始する前に、必須の要件についてはしっかりと整理をして実現方法を定義しておく必要があるでしょう。
実現したい要件に対しては Shopify の通常プランの場合も同様ではありますが、以下のような対応方法が考えられます。

既存アプリで対応する方法

前述の通り、Plus プランでしか使えないアプリもありますが、海外や日本のベンダーがアプリを開発・アップデートしているため、EC運営の要件として一般的であれば既存のShopifyアプリで実現できるものも多くあります。

新規でアプリを開発して実現する方法

叶えたい要件を実現するようなアプリがマーケットに存在しない場合は、独自にアプリを開発して実現する方法もあります。多くのユーザーが必要とするような機能のアプリであれば、開発したアプリの販売で収益が得られる可能性もあるでしょう。
ただし、自社でのアプリ開発体制がない場合は Shopify アプリの開発ができるパートナーへ依頼が必要ですので、開発には期間と相応のコストがかかる点に注意してください。

運用でカバーする方法

Shopify や EC に限らずどんなシステムでも同じですが、仕様上の制約や予算との兼ね合いで全ての要件が実現できないケースは往々にしてあります。その場合は、手作業での運用でカバーする方法があります。
あまり実施頻度が高くない作業や、システム化しても手作業でも効率があまり変わらないような要件については、運用でカバーした方が結果的にメリットが大きくなる場合もありますので、運用方法も重ねて検討しておくべきでしょう。

要件整理を行い、機能として実現することでビジネスにどのくらいのインパクトを与えられるか(作業が効率化される・お客様にとって使いやすいなどメリットになる)を考え、優先度を決めて対応することが重要になります。

Shopify Plus を採用する際はパートナー選びも重要

Shopify Plus のメリットや採用すべきかどうかの判断軸になり得る機能について解説してきました。自社で Shopify を使用した EC構築をする際に、Plus プランがマッチするのか、判断していただく参考になっていれば幸いです。

特に Plus プランについては、日本での事例や情報がまだ少ないこともあり、実現したい要件を適切に調査・検証していきながら進める必要があります。自社で賄うことが難しい場合は適切なパートナーに相談することで、この課題を乗り越えていくことも考えてほしいと思います。

手前味噌ではありますが、スパイスファクトリーでも Shopify Plus も含めた Shopify構築・Shopifyアプリ開発サービスを提供しています。Shopify についてのお悩みはぜひお気軽にお問い合わせしていただけたら嬉しいです。

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参考文献

河野貴伸ほか.「Shopify運用大全 最先端ECサイトを成功に導く81の活用法」.インプレス. 2021/8/24
Shopify Japan 株式会社.Shopifyの料金プラン – オンラインストアの設定と開設 – 無料体験.https://www.shopify.com/jp/pricing. 2022/6/16
Shopify Japan 株式会社.>Shopify Plus エンタープライズEコマースプラットフォーム | スケーラブルなソフトウェアとソリューション.https://www.shopify.com/jp/plus. 2022/6/16
Shopify Japan 株式会社.>Shopify Plus · Shopify ヘルプセンター.https://help.shopify.com/ja/manual/intro-to-shopify/pricing-plans/plans-features/shopify-plus-plan. 2022/6/16

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